「PENTAX K-3 Mark III」はここ10年のペンタックス機で最大の飛躍

Pentax Forums に、「PENTAX K-3 Mark III」のレビューが掲載されています。

Pentax K-3 Mark III Review

  • K-3 Mark III は、手に持った感触はしっかりとしていて、グリップも見事な形状で快適だ。このカメラはコンパクトで中身の詰まったカメラに感じる。
  • 背面のモニタは、直射日光の下でも十分な輝度がある。モニタが固定式であることに多くのユーザーが嘆いているが、ペンタックスは可能な限りカメラを軽量コンパクトにするためにモニタを固定式にする決断をした。

  • K-3 III の操作部はこれまでのカメラからの自然な進化で、上手く設計されており、快適に使える。ジョイステックやタッチパネル、スマートファンクションなどの機能によって、操作感はさらに向上しているが、モニタが固定式なのは残念だ。
  • ペンタックスのエルゴノミクスは業界でトップクラスのものだと言われており、K-3 Mark III はその最前線にあるカメラだ。
  • メニューはレイアウトが大きく改善され、歓迎すべき進化を遂げている。タッチ操作を使うと、操作が大幅に速くなる。ここではペンタックスは良い仕事をしている。

  • 連写は実測でJPEGでOVF使用時11.7コマ/秒(62枚)、ライブビューで11.1コマ/秒(69枚)、RAWではOVF・ライブビュー共に9.25コマ/秒(37枚)だった。連写性能はこれまでのペンタックス機の中では最高のものだ。
  • JPEGはデフォルトでは色は豊かで階調に優れるが、色は穏やかでパンチの効いた絵作りではない。
  • ダイナミックレンジは期待通り素晴らしいもので、また、RAWには非常に多くのディテールが含まれていいる。

  • AF-SのAF速度はレンズによって変わるが、K-1IIよりも改善されており、FA77mmのような古いレンズでも多くの場合0.5秒未満で合焦する。AF-Cでは完璧でないにしても優れた性能で、K-1IIに優っている。K-3 IIIのAF性能は、旧型から目に見える改善となっている。
  • AFの改善はAF速度よりもむしろ、AFエリアの拡大や、測距点の増加、瞳の検出、低コントラストの被写体の検出の改善などの点にあり、これらのAFの改良がOVFで利用できることが素晴らしい。K-3IIIのAFは、一眼レフの位相差AFにまだ改善の余地があることを示した。

  • 高感度はISO1600以下はノイズは目立たず色再現も良好だ。ISO3200以上になると輝度ノイズは見えてくるが、ISO12800まではディテールに大きな影響はない。しかし、それを超えるとシャープネスが大きく低下する。しかし、ISO409600まで色再現は正確だ。ノイズは大部分が輝度ノイズで、色ノイズはほとんど見られない。色ノイズの点では、K-3 III はK-1 II よりも優れている。
  • ペンタックスのカメラは動画に主眼を置かれていないが、K-3 IIIでは4K動画が追加され最大ビットレートも90Mbpsと大幅に高くなっており、大きく前進している。また、PLMレンズ使用時は、動画でコンティニュアスAFが使用できるようになったのは大きな改善だ。パンニングでローリングシャッター効果も目立たず、動画は単なるオマケではないように感じる。

  • K-3 III を使ってみて「これはすごいカメラだ!」と感じた。K-3 III は(初のフルサイズ機K-1を除けば)ここ10年間のペンタックスのカメラで間違いなく最大の飛躍だ。一番のポイントは、AFシステムの改善で、動体追尾はAFはK-3 III が最も輝いている部分だろう。瞳AFも確実に機能し、追尾も以前より正確になり、複雑なシーンでも簡単に瞳を判別できるようになっている。新型のセンサーの採用で高感度ノイズも改善されている。
  • エルゴノミクスはペンタックスらしさはそのままに、ジョイスティックの追加やスマートファンクションなどの注目すべき改良が加えられている。残念な点は、多くのペンタックスユーザーも言っていることだが、液晶モニタが固定式でチルトできないことだ。Wi-Fiとスマホを使う対策はあるが、これは便利とは言えない。

 

改めてK-3 III の仕様を見てみると、K-3IIからの改良点は実に多岐にわたっていて、満遍なく進化した非常に完成度の高いカメラに仕上がっているという印象です。最近は、ニコンやキヤノンの一眼レフの新製品が登場しなくなってしまったので、ここまで造り込んだ新型一眼レフは、一眼レフファンにとって貴重な存在ですね。