Aマウントの「300mm F2.8 G II SSM」+「LA-EA5」はEマウント機で使い物になるのか?

SonyAlphaBlogに、Aマウント用の300mm F2.8 G II SSM + LA-EA5 + Eマウント機によるレビューが掲載されています。

Sony 300mm F2.8 G II SSM with LA-EA5

  • 新品または中古の300mm F2.8 GII を購入して、Eマウント機で使う価値はあるのだろうか? 確かめてみよう。
  • LA-EA5はα1とα7R IV、α6600ではモーター非搭載レンズに対応するが、α7 III、α9 II、α9、α7R IIIではSSM/SAM搭載レンズでしか動作しない。ボディの種類かかわらず動画ではAFは使用できない。

  • 300mm F2.8 G II の造りは素晴らしいクオリティだ。フォーカスリングは非常に大きく、DMFモードでのリフォーカスも簡単にできる。
  • α1、α7R IV、α7CとLA-EA5との組み合わせでは、AF性能は最新のGMレンズほどではないが非常に良好で、FE 85mm F1.4 GMと同じレベルには達している。AFは非常に速く正確で、最大の連写速度は8コマ/秒だった。コントラストが低い被写体では苦戦するケースもあったが、大部分のケースでAFは良好な性能を見せた。
  • 絞りはF4やF5.6など開放以外で使用すると、絞りを閉じるために連写の最初のコマを撮るまでに少しタイムラグがあるように感じられる。そのため、重要な撮影では開放を使用すると最高のレスポンスが得られる。

  • 解像力テストは6100万画素機のα7R IVで行った。解像力はかなり残念なもので、開放では中央で良い(good)の値にしかながらず、F5.6に絞って初めて素晴らしい値(excellent)になる。7500ドルのレンズにはもっと高い性能を求めるかもしれないが、このレンズが2003年のミノルタの設計であることを考えればこの結果は意外なことではない。

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  • α7Cやα9では開放から中央はとても良好~素晴らしい値だが、4200万画素、5000万画素、6200万画素機では開放では甘い。
  • 歪曲は穏やかな糸巻き型だ。周辺光量落ちはF2.8では目につくが、F4で解消する。色収差は少ない。逆光ではいくからハロが見られ、フレア耐性は平均的だ。

  • 玉ボケはF2.8とF4では完全な円形で素晴らしい描写だ。後ボケは極めて滑らかで柔らかい。色再現もとても良好だ。これらはこのレンズの強い部分だ。
  • 動画ではフォーカスブリージングが若干見られる。
  • ポートレートでは背景のボケは見事で素晴らしい描写だが、開放時の解像力は少し期待はずれだ。レンズのレスポンスは良好で、AFはポートレートで9割方は正常に動作する。

  • 300mm F2.8 G II SSMは設計の古さを感じさせるもので、高画素機での解像力は開放時の中央で良い(good)程度だが、2400万画素機ではとても良好な結果が得られる。α1とα7R IVではLA-EA5で完璧に動作するが、連写速度は8コマ/秒に抑えられ、動画のAFはできない。しかし、動体追尾や瞳AF、動物瞳AFなどその他の機能は全て使用できる。
  • このレンズで印象的なのはバターのように滑らかな後ボケで、これはソニーのFE400mm F2.8 GMやFE600mm F4 GMでしか得られないものだ。
  • LA-EA5を使えばAマウントレンズを(2400万画素機で)非常に優れた性能で使うことができる。300mm F2.8 G II SSMを新品で購入することは勧められないが、中古で2000ユーロで見つけて2400万画素機で使えるなら購入を勧める。

  • 良い点:極めて滑らかな後ボケ、F2.8とF4の素晴らしい玉ボケ、α1とα7R IVとα7CとLA-EA5との組み合わせでは非常に速いAF、静物やゆっくり動く被写体ではAF精度が良好、素晴らしい造りのクオリティ、周辺光量落ちと歪曲と色収差が少ない、最短撮影距離が2mと短い。
  • 平均的な点:連写が8コマ/秒に制限される、F5.6の玉ボケ、高速に動く被写体のAF精度、F4とF5.6の解像力。
  • 悪い点:現代のカメラ上での性能を考えると高価、動画でAFが使えない、高画素機では開放で「良い」の解像力にしかならない、逆光耐性が並、非常に重い。

 

300mm F2.8 G SSM II はAマウントのハイエンドレンズですが、設計が古いので、さすがに現代の高画素機との組み合わせでは解像力が厳しいようですね。とは言え、2400万画素機なら使える解像力で、LA-EA5との組み合わせでAFも結構良好に動作するようなので、中古で安価に入手できれば、Eマウントシステムで活用してみるのも面白いかもしれませんね。