タムロン「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」は5000万画素機までは開放から使えるレンズ

SonyAlphaBlogに、タムロンのポートレート向けの大口径標準ズーム「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD(Model A058)」のレビューが掲載されています。

Tamron 35-150mm F2-2.8 Di III VXD

  • 35-150mm F/2-2.8はこれまでのタムロンのEマウントレンズから大きく前進しており、鏡筒の品質やエルゴノミクスが改善されている。このレンズは手に持つと非常に重く、非常に太いレンズだ。
  • ズームリングは最適な重さで、動画で滑らかなズームが可能だ。フォーカスリングは少し細めで、絞りリングとしても使用できる。
  • このレンズにはUSBポートが搭載されており、ファームウェアのアップグレードだけでなく、スイッチやフォーカスリングのカスタマイズも可能だ。

  • AFはスチル・動画ともに非常に速く正確で静音性も高く、連写時も完璧に動作する(ただしα1では連写は10コマ/秒に制限される)。瞳AF/トラッキングも申し分なく動作する。AFは非常に速いが、タムロン70-180mm F/2.8やソニー70-200mm F2.8 GMほど速くはない。
  • 解像力テストでは、中央から隅までとても一貫していて素晴らしい性能だが、α7R IVの61MPセンサーの性能を発揮するためにはF4まで(150mmではF5.6まで)絞る必要がある(50MPのα1だと開放で素晴らしい結果が得られる)。

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  • 歪曲は35mmでは強いタル型、150mmでは強い糸巻き型でズームとしては典型的なものだ。
  • 周辺光量落ちは開放ではとても目立つ。色収差は非常に少ない。
  • 逆光耐性は平均的だが、35mmでF16に絞ると強いハロが出る。光芒は、F16では素晴らしい効果が得られる。

  • 玉ボケは中央は円形で柔らかく非常に良好だが、周辺部ではいくらか口径食の影響が見られる。年輪ボケはごくわずかに見られるが、心配はない。後ボケは70mm以上では非常に良好だが、35mmでは少しうるさくなる。
  • 色再現は自然でとても優れている。
  • 動画では解像力はとても良好で、AFは完璧に動作する。ズームリングの重さや滑らかさも申し分ない。フォーカスブリージングは見られない。

  • タムロン28-75mm F/2.8 G2と70-180mm F/2.8の2本を持つのと比べると、35-150mm F/2-2.8は価格と重さで20%の違いで、それほど大きく変わらない。
  • タムロン28-75mm F/2.8 G2と70-180mm F/2.8との比較ではAF速度とボケでは、これらの2本が35-150mm F/2-2.8より若干優れている。解像力は35-150mm F/2-2.8よりも28-75mm F/2.8 GMは少し劣り、70-180mm F/2.8は若干優っているが、この違いは50~61MPの高画素機でのみ分かるものだ。

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  • ボケは玉ボケは35-150mm F/2-2.8は口径食が目立つので、他の2本の方が良好だ。後ボケは、35-150mm F/2-2.8は28-75mm F/2.8 G2よりは優れているが、70-180mm F/2.8には少し劣る。
  • タムロンのレンズはどれも逆光耐性はあまり良くないが、35-150mm F/2-2.8その中でも逆光に弱いレンズだ。色収差や歪曲、周辺光量落ちは自動補正されるので差別化要因にはならない。

  • 35-150mm F/2-2.8は、28-75mm F/2.8 G2と70-180mm F/2.8の2本を置き換えることができるレンズで、非常に高画質だが、2つ注意点がある。一つはレンズが日々の使用には非常に重いことで、もう一つは主にポートレートで使用する70mm以上の焦点距離では70-180mm F/2.8の方が解像力、AF速度、ボケの点で優れているということだ。
  • 35-150mm F/2-2.8の解像力は50MP機までは開放で良好だが、61MP機では開放では少々厳しい。ボケは70mm以上では良好で、発色やAF、エルゴノミクスも優れている。欠点は1165gの重さと鏡筒の太さで、長時間の撮影では疲れてしまう。50MPまでのカメラ用に高品質のレンズ1本だけを持ち歩きたいウェディングやモードフォトグラファーにお勧めのレンズだ。

 

35-150mm F/2-2.8は広いズーム域かつ大口径の非常に尖ったスペックのレンズですが、テストの結果は優秀で、大三元の標準ズームや望遠ズームと張り合える性能を実現しているのは素晴らしいですね。

このレンズは、61MPのα7R IVでは開放時に少し甘いようですが、ポートレートレンズなので、開放の柔らかさはあまり問題にならないような気がします。大きさ重さに関してはスペックがスペックなので、仕方がないところですね。