キヤノン「EOS R3」のAFシステムはこれまでのレンズ交換式カメラで最も優れている

The-Digital-Picture.comに、キヤノン「EOS R3」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R3 Review

  • 1D X Mark III との画質の比較では予想通り、R3がわずかに解像力が高い。R6との比較では、R3は偽色が少なく、ディテールがよりクリアだ。R5との比較では、R5の解像感の高さが際立っている。
  • 5D Mark IVとの比較では、R3のセンサーは、より高画素の5D Mark IVの30.4MPセンサーに匹敵する見事なディテールを再現している。

  • 高感度ノイズはISO100からISO1600まではノイズの増加は緩やかで、最新のフルサイズセンサーの素晴らしい実力を示している。ISO3200とISO6400になるとノイズが目立ってくるが、それでもまだ非常に綺麗な画質を維持している。ISO12800ではノイズの影響が顕著になり、ISO25600では更にノイズが強くなる。ISO51200とISO102400では縮小しないと見栄えが悪くなり、ISO204800はかなり厳しい画質になる。
  • R5の画像をR3と同サイズに縮小すると、ノイズレベルはR3と同程度だ。
  • 全体としてR3は優れた画質を実現しており、2400万画素で十分という人なら、必要とする画質が得られるカメラだ。

  • 視線入力は、最初は何度キャリブレーションしても上手く動作しなかったが、キャリブレーションプロファイルを削除してやり直したところ非常に良く動作するようになった。オジロジカの撮影で視線入力を使用して、R3の視線入力はこれまで使ってきたどのAFシステムよりも、効果的であることが分かった。5日間の撮影後、完璧ではないもののAF測距点が簡単に選択できるようになった。
  • R3のAFは-7.5EVまで可能で、特に明るいレンズとの組み合わせでは、今までのAFが合焦しない懐中電灯が必要になるような極めて暗い環境でもAFが可能だ。
  • R3のAFは極めて速いが、サイドバイサイドの比較では、R5とのAF速度の違いはわからなかった。
  • ワンショットAFではソニーのカメラと異なり、キヤノン機はフォーカシングの前にデフォーカスの動きをしないために、合焦までの時間は現行のソニー機よりも格段に速い。

  • 動画は4K120pだけは若干画質が低下するが、それ以外の4K以下の記録ではオーバーサンプリングされ、素晴らしい画質と低ローリングシャッター効果を実現している。動画の時間制限はなく、メモリカードの容量が残っている限り録画が続けられる。
  • 動画で自動シャットダウンの温度に達した後、カメラの電源を切って5分間のクールダウンで、6K60p RAWで9分、4K120p ALL-Iで5分の録画が可能だった。

  • オートホワイトバランスは、EOS初のディープラーニング技術が採用され、特に草木などの緑色のバランスが改善されている。
  • R3の測光システムは非常に信頼性が高く、露出は、これまで使用してきたどのカメラよりも優れている。これまで露出はほとんどマニュアルだったが、オートでカメラに頼る割合が増えた。
  • R3のEVFはHDRが搭載されコントラストが高いので、OVFのような自然な見え方だ。同じレンズでR5とR3のEVFを比べると、HDRの効果による違いがひと目でわかる。また、動きの速い動物を追いかけるには、R3のブラックアウトフリーが極めて有用だ。R3のEVFは発色が綺麗で、遅延はほとんどの人には問題にならないだろう。

  • エルゴノミクスの点では、R3は最もお気に入りのボディで、1Dシリーズよりも小型化されたことで、カメラを手にしたときの感覚が更に良くなっている。ボタンやダイヤルなどはプロ使用のハイエンド製品の品質感を備えている。
  • バッテリーライフは、EVF使用時の440枚(省電力モードで620枚)という数字には制限を感じるが、実際には2倍以上撮影できることが多い。オジロジカの撮影では3253枚撮影してバッテリー残量は37%だった。
  • EOS R3は特にスポーツ、アクション、フォトジャーナリズム、野生動物の撮影をするための究極のカメラだ。R3はプロ仕様の造りと、おそらくレンズ交換式カメラでこれまでで最も優れたAFシステムを兼ね備えている。R3よりも画素数の多い機種はあるが、それ以外の部分ではR3に匹敵する部分は少ない。

 

視線入力がよく話題になるEOS R3ですが、オートホワイバランスや露出精度、エルゴノミクス、EVFの見え味など全面的に改善されていて、カメラの基本的な部分の完成度はかなり高くなっているようですね。

視線入力は、人によって上手く動作したりしなかったりのようですが、正常に動きさえすれば、動体撮影でかなりの威力を発揮するAF測距点選択システムのようです。ファームアップで、瞳の状態やメガネなどの個人差に左右されにくくなれば理想的なAFシステムになりそうですね。