タムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」は旧型から全面的に改善しているが近接時の画質が唯一の欠点

CAMERALABSに、タムロンの新しい標準ズーム「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」のレビューが掲載されています。

Tamron 28-75mm f2.8 Di III G2 review

  • AF再現性(同じ被写体に繰り返しピントを合わせたときの精度)は99.1%と非常に良好で、近距離から遠距離にピントを合わせても、遠距離から近距離にピントを合わせてもピント位置のばらつきはほとんど見られない。しかし、私物の同じレンズではここまで優れた性能ではなく、ピントが若干ずれてることがあったが、それは個体差かもしれない。
  • ズームリングの回転角は60度とかなり短く、ソニー純正と同じ回転方向だ。ズームリングはかなり重く指1本では操作できないが、若干の自重落下が見られる。フォーカスリングは滑らかな動きで、小指だけでも操作できる。
  • AFの作動音は動画撮影時は静かで内蔵マイクで拾わないが、スチルではわずかな作動音が聞こえる。
  • フォーカスブリージングは75mmで無限遠から最短で2%でほとんど気にならないレベルだ。28mmでも同様の結果だった。また、ズーミングではピント位置は大きくはずれないものの保持はされない(パーフォーカルではない)。

  • 軸上色収差のテストではわずかにボケに色が付くが、絞った時のフォーカスシフトは見られない。
  • 解像力チャートのテストでは、G2は広角端が非常に優れていて、フルサイズの隅でも高解像力だ。望遠側は隅が徐々にソフトになり、75mm開放ではかなりソフトで倍率色収差も見られる。

  • タムロン旧型、シグマ24-70mm F2.8 DG DN、ソニー24-70mm F2.8 GM、ニコンZ24-70mm f/2.8Sとの解像力の比較(28mm):タムロンG2は隅のシャープさでタムロン旧型や他社のレンズよりも明らかに優れている。
  • タムロン旧型、シグマ24-70mm F2.8 DG DN、ソニー24-70mm F2.8 GM、ニコンZ24-70mm f/2.8Sとの解像力の比較(35mm):タムロンG2とソニー、ニコンは横並びで、タムロンの旧型とシグマは隅の解像力で明らかに後れを取っている。
  • タムロン旧型、シグマ24-70mm F2.8 DG DN、ソニー24-70mm F2.8 GM、ニコンZ24-70mm f/2.8Sとの解像力の比較(50mm):ここではニコンがリードしており、タムロンG2は少し甘くなるが、それでもシグマやソニーより若干良好だ。
  • タムロン旧型、シグマ24-70mm F2.8 DG DN、ソニー24-70mm F2.8 GM、ニコンZ24-70mm f/2.8Sとの解像力の比較(75mm):タムロンG2は若干旧型に負けているが、ソニーとは同等だ。シグマや特にニコンは望遠端は優れている。
  • 全体としてタムロンG2は素晴らしい解像力で、特に広角端の解像力は素晴らしく、ここではすべてのライバルを上回っている。中間域でも健闘しているが、望遠端だけは少々ライバルに後れを取っている。

  • 遠距離の実写テストでもタムロンG2は非常に優れた性能で、50mmまでは隅までシャープだ。75mmでは中央やや外側の部分だけが少しソフトになるが、F4に絞ればシャープになる。
  • 周辺光量落ちのサンプル画像は、レンズプロファイルで自動補正がかかっている(隅が1EV持ち上がっている)にもかかわらず開放では周辺光量落ちが目立つ。
  • 歪曲は28mmではわずかな陣笠状で、75mmでは強い糸巻き型になる(カメラの歪曲補正の設定は現在のACRでは無視されオフになる)。

  • 夜景ではコマ収差はほとんど見られないが、明るい光源の周囲に色の付いたハロが見られる。
  • 玉ボケは内部に年輪は見られないが、内部に泡のようなものが見られ輪郭もいくらか見られるが、軸上色収差による色は付かない。口径食はフルサイズの隅では非常に強い。
  • タムロンG2のボケは旧型よりも少し柔らかく、シグマ24-70mm F2.8 DG DN Artに似ているが、ソニーやニコンの24-70mm F2.8ほど柔らかくない。ボケに色は付かず、二線ボケは目立たない。

  • 近接撮影は、広角端では中央は開放でもかなりシャープだが、像面湾曲の影響があり、広い範囲をシャープにするには少なくともF11まで絞る必要がある。望遠端では像面の湾曲はほとんどなく、F5.6で実用になるように見える。
  • 逆光のテストでは、いくらかゴーストが見られるがそれほど強いものではない。フレアはよく抑えられており、逆光でも自信を持って撮影できる。
  • 光芒はF5.6では弱いが、F8かできればF11に絞ると素晴らしい光芒が得られる。

  • タムロンの旧型と比べるとG2は解像力、ボケ、コマ収差、逆光耐性、最大撮影倍率、フォーカスリングやプリセットボタンのカスタマイズなどほぼ全ての面で改善しているが、唯一、近接撮影の画質だけは旧型の方が優れている。旧型は今でも安価で入手できるが、私は新型のG2を購入する方がいいと思う。
  • タムロンの新しい28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は旧型から大幅な進化を遂げており、他のメーカーの最高の標準ズームと肩を並べる性能で、広角端ではそれらのレンズを上回る性能だ。ただ、近接時の画質だけは少々残念だが、それ以外は非常に訴求力のある標準ズームで、大いに推薦する。

 

タムロンの28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は旧型から全体的に改善されていて、特に広角側の画質向上はかなり大きいようですね。望遠側は広角側に比べると見劣りするようですが、それでもソニーGMと同等の解像力ということなので、全く問題はなさそうです。

唯一の弱点は近接撮影時の画質ですが、明るい標準ズームとしてはかなり寄れるレンズなので、その上周辺部のシャープさまで求めるのは難しいかもしれませんね。