ソニーが、フォトダイオードと画素トランジスタを積層してダイナミックレンジや高感度性能を大きく改善する世界初の「2層トランジスタ画素積層型CMOSセンサー」の技術開発を発表しています。
・世界初2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー技術を開発
- ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、世界初となる2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー技術の開発に成功した。
従来同一基板上で形成していたフォトダイオードと画素トランジスタの層を別々の基板に形成し積層することで、従来比約2倍の飽和信号量を確保し、ダイナミックレンジ拡大とノイズ低減を実現し撮像特性を大幅に向上した。
本技術が採用する画素構造は、従来の画素サイズに加えて、今後の更なる微細画素においても、画素特性の維持・向上を可能にする。
ダイナミックレンジ拡大とノイズ低減を実現する本技術により、逆光などの明暗差が大きいシーンでも白飛びや黒つぶれがなく、室内や夜景などの暗いシーンでもノイズの少ない高画質な撮影が可能となる。
ソニーが発表した新しい2層トランジスタ画素積層型CMOSセンサーは、画素をフォトダイオードとトランジスタ部分に分けて積層する技術で、フォトダイオードの受光部の面積が大きくなるためにダイナミックレンジや高感度性能が大きく向上するようです。
最近のソニーのCMOSセンサーは読み出し速度は大きく向上しているものの、ダイナミックレンジや高感度性能はやや停滞気味だったので、この技術の採用で画質面での大きな飛躍を期待したいところですね。
GP
α7R Vに間に合って採用されたら嬉しいですね
これ以上の高画素化はあまり需要がなさそうですし、かと言ってAFなどの機能改善だけでも買い替え需要はそれほどないでしょうからね
noto
技術的な側面に素人なので、詳しい方により解説をお願いしたいですが、発表HPには、従来比2倍の注に、「1μm角換算した場合の比較」とありますが、この1μmは画素ピッチの話なんでしょうか。
期待したいですが、最後に「この2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーにより、スマートフォン撮影などのさらなる高画質化の実現に貢献してまいります」とあるので、結局スマートフォンの画質底上げ効果の方が大きくて、カメラ業界としてはちょっと警戒する面もないのか気になります。でも他、4画素混合的には良いのかな??
ほげ太
ぜひAPS-Cカメラに搭載してほしいなあ。
ダブルマウント
ぜひα1m2に採用して欲しいですね。
7系に落とし込むと金額が跳ね上がりそうなので、まずは本体価格が跳ね上がっても問題のないプロユース機体での採用をお願いしたい。
ただ、高繊細はこれ以上いらないかな。。モアレが増えるだけなので。
タスク
センサーの開口率100%にするには裏面にするだけじゃ足りなかったんですね
これでようやく理論値出せるセンサーになったみたいで良かった
朔
今まで両隣だったフォトダイオードと画素トランジスタは同一基盤上だから回路的にも繋がっていたというわけですが
重ねるってことは基盤単位での信号の合成という事なんですかね?
それとも重ねても画素単位で回路が繋がる超技術ってことですかね?
それだと凄すぎて俄に信じ難いですが、凄い。
ken2
撮像素子の進化は、まだまだ期待できそうですね。究極の一つがSPADでしょうけど、今のところは消費電力が大きくて、民生用の写真機に載せられませんので、こちらの方が一定の効果を得られるものとして期待できそうです。
裏面照射も、もともとはスマホなどの極小撮像素子のDレンジ拡大のための手法で、135判では、さしたる効果は無いとか言われていましたが、高画素化が進むにつれ、今やこれが主流となっています。
これからの発展に大いに期待したい所です。
やかん
技術開発ということで、実用化されるまではまだまだ年月はかかりそうですが、楽しみですね。
別々なものを積層させる為、製造工程が複雑化し、歩留まりも悪そうですが
スマートフォンから、最終的に一眼カメラまで実用化されることを期待します。
ヒカル
どんどん楽しみになりますね
今まで不利だった小さなセンサーでも
十分な性能になって行くと嬉しいです
ゆーと
>センサーの開口率100%にするには裏面にするだけじゃ足りなかったんですね
どうなんでしょう?
元記事はまだ見てないのですが、裏面照射型にしなくても、フォトダイオードの開口を上げるために、積層型にして配線を後ろに回す技術と捉えました。
これによって、量産性と歩留まり向上に寄与していると思います。
また裏面照射は暗電流が増加する傾向があったはず。
ノイズ抑制にも寄与するかもしれません。
YASU
イメージセンサーの向上に関しては、ここ数年は目新しい変化もなく、どこのメーカーのセンサーも高画素化するとデメリットが出てしまう傾向はあまり変わらない。パソコンのCPUで言うと、クロック周波数はどんどん上がっていくものの、実際の処理速度は比例しない・・・というひと昔前の状況とよく似ている。高解像度で、ノイズも少なく、Dレンジも大幅向上、暗所でもS機以上に色もよく拾ってくれるとなれば・・・久し振りのセンサーフルモデルチェンジ!ですよね。期待しています!。
m2c
すごい技術ですね!
将来は、もしかしたら、三層原色以上になっていたりして!?
☆けむり
ノイズ低減は大歓迎ですが、ダイナミックレンジの拡大への関心は個人的に少ないです。明暗によって主要被写体が浮き出てくるからこそ写真らしさだと思っているからです(まあ個人の感想ですみません)。
NK
以前から、画素と回路とを分けて積層する素子があったけど、
それとは違うのですかね?
と思ったら、画素トランジスタも分けた3層積層なんですね。
積層技術のロードマップどおりと言えばそうだけど、
歩留まりも改善しているので、凄いですね。
サムスンの追い上げに負けて欲しくないですね。
TTJ
従来比約2倍の飽和信号量!
これは凄いですね、製品化されたらセンサーの性能が一気にジャンプします。
「1μm角換算」というのは、画素ピッチ1μmで比較した場合に2倍になるということですかね?
(画素ピッチが大きいと相対的に恩恵が小さくなる)
コン
ken2さん
>裏面照射も、もともとはスマホなどの極小撮像素子のDレンジ拡大のための手法で、
重箱の隅ですが、当初はハンディカムとコンデジのためのものでしたね。スマホも想定していたとは思いますが、まだiPhone初代発表から2年、Android機も出たばかりでした。またウリはDレンジではなく高感度の強さですね。
はむたろす
リリースにも書いてますがαよりXperiaに実装してほしい技術ですね。
スマホカメラのネックとなっているS/Nとダイナミックレンジがこれで改善されれば、HDR前提のスマホの方がミラーレスより傍目キレイに撮れるシーンは多くなりそう。
車載とか監視とかの方が需要は多い気も。
sukaV
図を見ると、photoダイオードの配列が、クワッドピクセルのように見えるが、どうなんでしょうか。
電卓
ここで、ソニーがまた頭一つ抜けるかでしょうか?
従来型のセンサーは頭打ちで、どのメーカーも大差無くなってしまいましたしね。それこそ個体差?程度に近くなってしまいました。
とりあえず、期待しております。
α1は、まだ最近のものなので、まずは、α9系あたりで見せてほしいですね。
画素数以外、ほぼすべての面でα1を超えてしまうぐらいのインパクトが、今のソニーには必要だと思います。
sora
まだこういう改善方法があったんだ、と思いました。
実際にどのようなカメラに使用されるのでしょう。
技術内容、発表コメントから、フォトダイオードに対する画素トランジスタの占める割合が大きくなる極小画素の製品、つまりスマートフォンのような小型、高画素イメージセンサー向けなのでしょう。
その方が効果的のようですね。
アルファなどのカメラでは高画素機で採用されるのか、今後の動向に注目したいです。
m
これは画期的な技術ですね、スマホだけでなく一眼用センサへの波及を期待しています。
少し誤解があるようなのでコメントしておきます。
> センサーの開口率100%にするには裏面にするだけじゃ足りなかったんですね
裏面にすることでセンサーの「開口率」はほぼ100%になっているはずです。
今回の技術は、裏面と積層の組み合わせによって、表面側にある電荷蓄積領域を画素だけで占有することで「ダイナミックレンジ」を拡大したものです。
> 裏面照射も、もともとはスマホなどの極小撮像素子のDレンジ拡大のための手法で、
裏面照射はもともとはスマホなどの極小撮像素子の「感度」向上のための手法です。
> フォトダイオードの開口を上げるために、積層型にして配線を後ろに回す技術と捉えました。
開口は既にほぼ100%のはずです。
従来の "裏面" で「配線」は後ろに回っていましたが、「トランジスタ」は同一平面上に残っていました。今回は「トランジスタ」も後ろに回した技術ですね。
tan
裏面照射型に加えてどのようなメリットがあるのかよくわかりませんが、
「従来比約2倍の飽和信号量」というのがミソなんでしょう。
ただし、
※2: 当社の従来型裏面照射型CMOSイメージセンサーと、本技術適用時における、1μm角換算した場合の比較。
という注があります。フルサイズの場合1億画素でも1μmピッチにはなりませんので、これはスマホ用のセンサがターゲットのような気がします。
kooth
このタイミングでの発表だと、遠くないうちに製品が出るとして、
これがαなら高画素の7RVだろうし、出るとしても1年後。ちょっと空きすぎ。
となると、スマートフォン用の1型か、APS-Cのハイエンドα向け。
あるいは、ドローンやOMDS向けのM4/3 2000万画素辺りかな。
案山子
この技術はノイズ低減ではなく飽和ピークが2倍になったということで、意外に実画では改善が分かりにくいかもしれませんね。