フラットな「メタレンズ」がカメラレンズを変革するかもしれない

GIZMODOに、メタサーフェス技術を仕様したフラットなレンズに関する記事が掲載されています。

カメラのノッチも突起も一発解消、フラットな「メタレンズ」

  • メタレンズは、今まで150年以上続いてきたカメラやレンズ作りのアプローチを革新する技術だとされている。
  • カメラは複数のレンズ素子が積み重なってできており、歪みや収差を最小限に抑えられるように形成されている。このアプローチにより非常にクリーンでシャープな画像ができるが、レンズ全体が大きくなるという欠点もある。
  • メタレンズはこの問題にまったく違うアプローチで取り組んでいる。メタレンズは薄くフラットだが、表面には数千もの細かなナノ構造が無数の同心円のように並んでいる。このナノ構造が従来のレンズの曲面とまったく同じように作用して、光の向きを変える。そこには複数のレンズ素子でなくメタレンズ1枚あればよく、その結果従来のレンズより良い画質というわけではないが、同じ程度の画質で撮影することができる。

  • メタレンズは大量生産が可能で、必要な設備はマイクロチップを作るのと同じなので、スマホのようなコンシューマーデバイスへの実装も今よりずっと安くできる。レンズ1枚で済むということは、暗い環境での撮影性能も高まる。さらに大事なのは、メタレンズがスマホのカメラの出っ張りとか、画面上部のノッチをなくせることだ。
  • スマホに載るのはいつかといったスケジュールはまだはっきりしていない。いつかスマホが高価なデジタルカメラさえ代替でき、しかもそのスマホにはノッチもない、そんな日が来るのかもしれない。

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これまでは複数のレンズを使って収差を補正して結像させてきましたが、メタレンズはフラットな1枚の薄いレンズで結像させることができ、幅広い焦点距離を実現できるということなので、実用化されればカメラのレンズに革命が起きるかもしれませんね。まずは、この技術を利用したスマートフォン用のフラットな望遠・超望遠レンズの登場に期待したいところです。