キヤノンのコンパクトな「16-28mm F2.8」「15-28mm F2.8-4 IS」「15-28mm F4-5.6 IS」の特許

キヤノンが、フルサイズミラーレス用の「16-28mm F2.8」「15-28mm F2.8-4」「15-28mm F4-5.6 IS」などの実施例を含む、製造が容易で収差の少ない広角ズームの技術の特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2022063727
    出願番号:P 2020172111
    公開日:2022-04-22
    発明の名称: ズームレンズおよび撮像装置

  • 【課題】広画角で製造が容易で、変倍による収差変動が少ないズームレンズを提供する。
  • 特許文献1、2に開示されたズームレンズでは、歪曲収差と像面湾曲を良好に補正するために、第2レンズ群と第2レンズ群に大偏肉、大口径の非球面レンズが用いられている。この結果、ズームレンズの製造の難易度が高い。
    本発明は、広画角で製造が容易でありながら、歪曲収差と像面湾曲を良好に補正することが可能なズームレンズを提供する。

  • 実施例1(16-28mm F2.8)
    焦点距離 16.45 21.00 27.50
    Fナンバー 2.88 2.88 2.88
    半画角 52.71 46.44 38.49
    実像高 19.00 21.00 21.64
    全長 134.57 124.99 119.35
    バックフォーカス 14.07 14.07 14.07

canon_patent_2022-63727_001.jpg

  • 実施例3(15-28mm F2.8-4 IS)
    焦点距離 15.40 21.00 27.50
    Fナンバー 2.88 3.50 4.04
    画角 54.51 46.40 38.65
    実像高 19.00 21.00 21.64
    全長 114.50 109.55 110.39
    バックフォーカス 14.20 14.20 14.20

canon_patent_2022-63727_003.jpg

  • 実施例4(15-28mm F4-5.6 IS)
    焦点距離 15.40 21.00 27.50
    Fナンバー 4.00 4.82 5.60
    画角 54.51 46.63 38.94
    実像高 19.00 21.00 21.64
    全長 103.50 101.16 103.50
    バックフォーカス 14.20 14.20 14.20

canon_patent_2022-63727_004.jpg実施例のレンズは広角側の像高が足りていませんが、いずれも非常に強い歪曲が残っているので、歪曲の自動補正で周囲を切り取るのが前提のレンズのようです。

カメラは「一眼レフカメラでもミラーレスカメラでも良い」と記述されていますが、バックフォーカスが短いのでミラーレスカメラ専用ですね。また、実施例にコンパクトカメラの図があるので、ことによるとフルサイズコンパクト用の可能性もあるかもしれません。

実施例のレンズはRFマウントのフランジバック分の長さを引くと、全長は16-28mm F2.8は99.35mm、15-28mm F2.8-4 ISは90.39mm、15-28mm F4-5.6 ISは83.5mmと非常にコンパクト(実際にはマウント面より後ろ側に後玉が少しはみ出しますが)で、いずれもとても使い勝手がよさそうな広角ズームになっていますね。15-28mm F4-5.6 ISは、普及型の安価な広角ズームとして製品化したら魅力的なレンズになるかもしれません。