タムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」は素晴らしい性能だが望遠端の周辺部だけはソフトになる

ePHOTOzineに、タムロンのEマウント用の標準ズーム「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」のレビューが掲載されています。

Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Lens Review

  • このレンズはまずまずコンパクトで、重さも540gと控えめだ。ズーミングで鏡筒は繰り出すがバランスは崩れない。ズームリングはちょうどいい重さだ。
  • フォーカスリングは電子式で期待通りの非常に滑らかな動きだ。最短撮影距離はワイド端で0.18m(最大撮影倍率1:2.7)、テレ端で0.38m(最大撮影倍率1:4.1)でマクロ並みとまではいかないが、かなり寄れて使い勝手に貢献している。
  • VXDのよるAFはほとんど無音で、正確に効果的に合焦する。タムロンは従来のRXDよりもAFは2倍速くなったと主張している。

  • 28mmの解像力は中央はF2.8からF5.6で際立った値(outstanding)で、F8では素晴らしい値(excellent)、F11とF16ではとても良好な値(very good)だ。隅はF2.8からF5.6で際立った値で、F8からF16ではとても良好な値だ。

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  • 35mmの解像力は中央はF2.8とF4で素晴らしい値、F5.6で際立った値、F8からF16でとても良好な値だ。隅はF2.8でとても良好な値、F4とF5.6で素晴らしい値、F8からF16でとても良好な値だ。

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  • 50mmの解像力は中央はF2.8からF8で素晴らしい値、F11とF16でとても良好な値だ。隅はF2.8からF5.6で素晴らしい値、F8からF16でとても良好な値だ。

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  • 75mmの解像力は中央はF2.8からF8で素晴らしい値、F11とF16でとても良好な値だ。隅はF2.8からF5.6で良好な値、F8でとても良好な値、F11とF16で良好な値だ。

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  • このレンズの解像力は75mmでは周辺部が顕著に低下しているが、全体としては素晴らしい結果だ。望遠端は周辺が柔らかいので、むしろ良いポートレートレンズになるかもしれない。

  • 倍率色収差は自動補正を無効にして計測している。中央は良好に補正されているが、周辺はかなり高い値で、被写体によっては目立つかもしれない。
  • 歪曲は28mmで-2.26%のタル型で、望遠側にズームすると糸巻き型に変わり、35mmでは+0.93%の穏やかな値だが、50mmでは+2.96%、75mmでは+3.28%と急速に大きくなる。歪曲は顕著で、建築写真などの場合は補正が必要になるかもしれない。
  • ボケは非常に滑らかで心地よく、ポートレート用に適している。
  • 逆光ではフレアは極めて良く抑えられている。穏やかなフレア・ゴーストを発生されることは可能だが、かなり厳しい状況の照明が必要だ。
  • 周辺光量落ちは28mm開放で-1.8EV、75mm開放で-1.9EVで、ズーム両端の開放付近では顕著だが、その他のズーム域では非常に穏やかだ。

  • このレンズは使って楽しめるレンズで素晴らしい結果が得られる。いくつかの点で自動補正の使用が望ましいが、これは多くのミラーレス用のレンズでそうなっており、重要なのは最終的な結果だ。75mmでは周辺部の解像力が低下するが、その分、美しく滑らかボケを生かした魅力的なポートレートが撮れるかもしれない。それ以外の焦点距離でもボケは綺麗で、非常にシャープだ。全体として素晴らしいレンズで大いに推奨する。
  • 良い点:素晴らしい~際立った解像力、寄れる、中央の色収差、素晴らしいフレア耐性、防塵防滴、大口径、速く正確で静かなAF、USB-C端子。
  • 悪い点:歪曲が顕著、隅の色収差、75mmの隅の解像力。

 

旧型の28-75mm F/2.8は各所のレビューで隅の甘さが指摘されていましたが、新型のG2は望遠端以外では隅まで極めて高い解像力で、旧型から大きく改善しているようです。特に広角端の解像力は抜群ですね。ただ、望遠端に関しては50mmまでの優れた解像力と比べると、少し落ち込みの幅が大きいという印象です。

また、倍率色収差に関しては望遠端では3.5ピクセルを超えるかなり大きい値で、これは後処理での補正を前提にした設計のようですね。ボケはサンプルを見る限りでは、標準ズームとしてはかなり綺麗という印象です。