ソニー「FE 24-70mm F2.8 GM II」は中央はシャープだが隅は開放付近では甘い

PetaPixelにソニーの新しいF2.8通しの標準ズーム「FE 24-70mm F2.8 GM II」のレビューが掲載されています。

Sony 24-70mm f/2.8 G Master II Review

  • 新しいFE 24-70mm F2.8 GMは画質や動画性能の改善、小型軽量化が謳われているが、初代を置き換えるものではなく併売されるということだ。新型は光学系、アクチュエーター、鏡筒などほぼ全てが旧型と異なっている。
  • このレンズの大きさは体積で18%小さくなり、重さも886gから695gに軽量化されているが、フィルター径は82mmで同じだ。鏡筒には絞りリングが追加され、またズームロックスイッチの代わりにズームリングの重さを調整するテンションスイッチが採用されている。

  • 解像力は画面の中央では広角端はF2.8から良好な結果で、F4では更に改善し、F6.3で最もシャープになるように見える。回折が問題となる領域まで絞り込んでもF22で多少解像力が落ちる程度で、驚くほど良好な解像力を維持している。望遠端の中央はF2.8でまずまずで、F5ではかなりシャープになる。解像力のピークはF8~F9前後で、ここでも絞り込んでも良好な解像力を維持している。
  • 隅の解像力はどちらかと言うと期待外れで、ワイド端のF2.8ではそれほど良くは見えないがF4では改善され、F9で解像力のピークに達する。F20やF22では解像力が落ちるが、開放時ほどはソフトにならない。望遠端では隅はF2.8では甘いが、絞るとすぐに回復しF5で最もシャープになる。残念ながら解像力のピークに達するには非常に速く、F8以上ではかなり解像力が低下する。

  • F2.8では高コントラスト部分にパープルフリンジが発生することがある。さらに、太陽に向かって撮影すると、フレアやゴーストがしばしば発生する。しかし、フレアとゴーストはよく制御されており、大きな範囲に現れることはない。
  • AFモーターはXDリニアフォーカシングシステムにアップグレードされているが、α7R IVとの組み合わせでは、カメラに向かってくる動きの速い被写体に対するAFの追従性能は、あまり感心しなかった。しかし、これはカメラ側の限界かもしれない。パンニングや静止した撮影などのより容易な状況ではAFに問題はなかった。
  • 最短撮影距離は0.21m、最大撮影倍率は70mmで時に0.32倍で、ズーム全域でフードの前ならどこでもピントが合うように感じる。

  • FE 24-70mm F2.8 GM II は鏡筒が大きくアップグレードされ、撮影者がレンズをコントロールする多くの手段が追加されている。また、レンズは2枚増え、AFシステムを一新したにもかかわらずより小型軽量になり、次の(モデルチェンジまでの)6年間、魅力的な主力レンズ候補となるアップデートとなっている。
  • このレンズを買うべきだろうか? イエスだ。旧型からほとんど全ての面が改良されたFE 24-70mm F2.8 GM II は多くのジャンルのソニー使いのカメラマンにとって適切な選択だろう。

 
FE 24-70mm F2.8 GM II は小型軽量化やAFの高速化、絞りリングの追加、動画への最適化など全面的に改良されていて非常に魅力的なモデルに仕上がっているようです。

画質は、隅が開放付近では期待外れと評されているのが少々気になるところですが、絞った時の改善は速いようなので実写ではそれほど問題はなさそうです。動体のAFに関してはレビュアーも言及していますが、テスト機がα1やα9IIなら結果は変わっているかもしれませんね。