キヤノンがレンズの経時変化で発生する収差を自動的に補正して高画質を維持するための技術の特許を出願しています。
- 出願人:キヤノン株式会社
公開番号:P2022062835
出願番号:P 2020170990
公開日:2022-04-21
発明の名称: 撮像装置、収差補正方法およびプログラム - 【課題】経時変化で発生するレンズ装置の収差を補正し高画質を維持する撮像装置を提供する。
- 従来、交換レンズの経時変化によって焦点検出や測光に生じた誤差を補正する技術が知られていた。しかしながら、従来技術では、焦点検出に関する誤差を修正することが可能であるが、収差を補正することはできない。
- そこで本発明は、経時変化で発生するレンズ装置の収差を補正し高画質を維持する撮像装置を提供することを目的とする。
- 上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、移動して収差を補正する補正群を含む光学系と、前記補正群を移動させる駆動部と、前記光学系によって形成された光学像を撮像する撮像素子と、画像と前記光学系の収差データを学習して得た学習済みモデルを用いて、撮像された画像に基づき収差を取得する収差取得部と、前記収差に基づき、前記駆動部を制御し、前記収差を補正する制御部と、を有することを特徴とする。
レンズを長期間使っていると購入時よりも画質が悪くなったような気がすることがありますが、この特許出願の方法でレンズの経時変化による収差を自動的に補正されれば、レンズの狂いによって経時変化で画質が悪化するのを防ぐことができそうですね。
ただ、この特許出願のレンズには、収差を補正するためのいくつかのレンズの駆動系が搭載されているようなので、コストや大きさ重さの点では不利になりそうです。
こてつ
アクチュエーターとか沢山入れたらかなり高くなりそうだから、そのお金でオーバーホールする方がいいのでは
幹
収差をコントロールして楽しめそうですな
いがぐり
収差補正機構が故障して写りがめちゃくちゃになるというオチしか見えない。
それはともかく、レンズを動かして収差を制御するというのは結構昔からある話なので、ボディ側からの制御で被写体距離やシーンに応じた収差制御などを行うという方向性ならありなのかも。
SR-T101
> 収差を補正するためのいくつかのレンズの駆動系が搭載
経年変化によって一番影響受けるのは駆動系じゃないんでしょうか?
ここが期待通りに動作しないと逆に収差増えそうな
もちろん技術としては面白い試みですし、
キヤノンのエンジニアの方たちに素直に敬意を評しますが
もり龍
もし本気で実用化するなら、ボディ側で取得した補正情報をモニタに表示し、それを見て使用者が手動でレンズの補正部分を動かすのが現実的だと思います。
新品購入から3年経ったある日、突然『レンズの球面収差調整を目盛り1に合わせてください』と出るとか。
でもキャノンなら『新しいのを買ってください』という表示が出そうだな。
Oort
面白い技術ですね。視線入力みたいにいずれ大幅にパワーアップして搭載、もしくはこの技術を応用して更に新しい機能を作っていくなど展開が楽しみですね。
割りと普通な消費者
これは、既存品の場合、キヤノンにメンテナンスに出すと検出・調整可能なのかな?
であれば、この技術投入によるコストインパクト具合によってですが、私程度は、よほど気になったらメンテナンスに出すか、もしくは買い換えるか。という選択肢の方が現実的かも。
路傍のカメラ好き
まあ、あくまで特許ですからね。特許の多くは実用化されないまま期限を迎えるのでしょうし、クロスライセンスのために数を持っておくのも大切です。そもそも取得じゃなく出願段階ですしね。
とはいえ、今の技術では非現実的でも3年後に現れた何かとの組み合わせで理想的な形で製品化、みたいなこともあるでしょうし。「そういえばそんな特許出てたな!?」ってなる日が来るかもしれません。
きんのすけ
ガタによる片ボケやレンズのヤケは想像できますが、経年変化で他にも収差が発生するとは知りませんでした。コマ収差、片ボケ、像面湾曲および球面収差を補正できると書いてありますね。ということは組み立て誤差によるレンズの個体差もなくなるのかな?
収差を補正する光学系を新しく追加するのか、通常のレンズの一部を補正光学系として動かすのか、ちょっと読んだだけでは分からなかったんですが製品化されたら画期的ですね。
ynyhy
アイディアとしてはとても面白いと思いますが、こういう特許が出願されるということは、有意な経時劣化があることを認めていることに等しいですね・・。
私的には、新品でも片ボケ現象に悩まされ、メーカ修理したことや、規格内なので修理不可と診断された残念な経験が複数回あります。
最新レンズでも、非球面レンズを多用しているためか、上下左右の各方向での像面(サジタル-メリジオナル)が素人でもわかる製品もあったりします・・。
メーカーには、まずは新品で図面どおりの性能が発揮される様、ロバストネスを高めた基本設計の実践や工程管理の徹底をお願いしたいと思いました。