ソニー「ZV-1」は使って楽しめるカメラだが手ブレ補正が弱点

DigitalCameraWorldに、ソニーのブイログ向けのコンパクトカメラ「ZV-1」のレビューが掲載されています。

Sony ZV-1 review: we liked it then, so do we still like it now?

  • ZV-1はRX100の派生モデルと思われがちだが、ボディ、操作系、オーディオ、モニタなどが異なり、Vlogに最適化されている。サイズを除けばZV-1はRX100とは物理的にも操作性的にも全く異なるカメラだ。RX100は動画も撮れるスチルカメラ、ZV-1はスチルも撮れるVlogカメラと考えればいいだろう。
  • 最も近いライバルはPowerShot G7 X Mark IIIだが、ZV-1はバリアングルモニタやAF、オーディオの性能でライバルを打ち負かしている。また、ZV-1はRXのフラッグシップ機RX100 VIIよりもかなり安価だ。
  • ZV-1の大きな特徴は、バリアングルモニタの採用、特製のウィンドスクリーンが装着可能な大きなマイクグリル、商品紹介AFモードだ。

  • ワイド側が24mm相当なので自撮りで背景も写したい場合には、ZV-E10のような広角レンズを使えるレンズ交換式の方が有利になるが、ZV-E10とE10-18mmの組み合わせではZV-1のように軽快に撮影することはできない。
  • 背面のモニタは良好だが、縦横比が動画用の16:9ではなく3:2だ。タッチパネルだが、全ての操作に対応しているわけではなく、タッチフォーカスは可能だが設定には使えない。普段は特に問題ないが、自撮りではタッチパネルで設定ができないのが煩わしく感じる。
  • RX100には搭載されているレンズ周囲のコントロールリングやEVF、拡張ズーム、モードダイヤルはZV-1には無いが、スチルの撮影が二の次になるVlogカメラではこれは大きな問題ではない。

  • ZV-1は持ち運びに非常に便利なサイズだが、操作性に関しては少しボディが小さいかもしれない。しかし、これらを全て満たすのは無理だ。
  • ZV-1のAFは速く正確だ。
  • オーディオ機能は、ボイス最適化機能はあまり差がでないので何とも言えないところだが、ウィンドシールドは大きな差が見られ、風のある日に試したところ、シールドが無いと風切り音で音声が使い物にならないが、シードルがあると風切り音が全く聞こえなかった。
  • ソニーが最大11倍の効果を謳っているアクティブモードの手ブレ補正は、ランアンドガンスタイルの撮影テストでは、かなりギクシャクとした見ていて不快なものだった。しかし、アクセサリーグリップを使えばもっと安定するはずだ。

  • ZV-1はRX100の派生モデルと見なす人もいるかもしれないが、それ以上の存在で、操作系、オーディオ機能、バリアングモニタなど、Vlog撮影に見事に最適化されている。いくつかの問題もあり、ズームすると最短撮影距離が大きく変わるのは煩わしい。また、アクティブモードの手ブレ補正はあまり上手く機能しない。しかし、AFは並外れた性能で、ZV-1は使って楽しいカメラだ。ZV-1のデザインと価格は素晴らしいものだ。
  • ZV-E10のようなミラーレスカメラと比べると、汎用性では劣るかもしれないが、より小さく安価で持ち運びしやすいという点で、正直言ってZV-1の方が優れていると思う。
  • 良い点:バリアングルモニタ、クリップオン式のウィンドシールド、素晴らしく速いAF、コンパクトなサイズ。
  • 悪い点:ズーム域で最短撮影距離が変わる、手ブレ補正が非常にギクシャクしている、なぜモニタが16:9ではなく3:2なのか、 正面側からタッチパネルで設定の操作ができない。

 

ZV-1は発売以来ずっと非常に高い人気を維持していて、今やRXシリーズよりもこちらがソニーのコンパクトカメラの主力になっているという印象です。このカメラは、Vlogに必要十分な機能が比較的手頃な価格で上手くまとめられているので、人気になるのも分かりますね。

手ブレ補正に関しては、強力なIBISを積んだ一部のミラーレス機と比べると弱く見えますが、コンパクトカメラの手ブレ補正としてはそれほど悪くないという印象です。