キヤノン「EOS R7」はAPS-Cカメラの新たな王者候補

DigitalCameraWorldに、キヤノンのAPS-Cミラーレスのハイエンドモデル「EOS R7」の初期レビューが掲載されています。

Hands on: Canon EOS R7 review

  • EOS R7の3250万画素センサーは、市場にあるどのAPS-C機よりも高い解像度を誇る。このセンサーは90DやM6 Mark II のセンサーがベースで、完全に新規のセンサーではないが、配線層やマイクロレンズが最適化され、読み出しが改善されている。
  • 連写はメカシャッター15コマ秒、電子シャッター30コマ/秒という驚異的な速さで、R3、α1、Z9(11MPクロップモードは除く)に匹敵する速度となっている。
  • キヤノンのAPS-C機ではIBISが初搭載され、レンズによっては最大8段分の効果が得られる。
  • AFはデュアルピクセルCMOS AF IIで、人物、動物、乗り物を認識し-5EVに対応する最新かつ最も洗練されたAFシステムを誇っている。
  • 動画はクロップなしの4K60p、7Kオーバーサンプリングの4K30p、フルHD120pが可能で、C-Log3、マイク入力、ヘッドホンジャックを搭載し、クリーンHDMI出力が可能で非常に強力だ。キヤノンはオーバーヒートまでに60分前後録画できると主張している。

  • ボディは90Dよりも小型軽量で、コンパクトだが厚みのあるグリップのおかげで安心感がある。
  • ジョイスティックとコントロールホイールは、EVF横に配置されている。コントロールホイールは他のEOSよりも小さくよりデリケートで、親指の大きな人には操作が少しやり難く感じられるかもしれない。従来のホイールに慣れている人は、マッスルメモリー(体が覚えた動作)の調整が必要だ。しかし、この新しい操作レイアウトに手が慣れてくると、ホイールとジョイスティックが同じ場所にあることは、実は理に適っているように感じられ、狭いスペースを最大限に活用するためのとても効率的な方法だと思う。
  • 多くの点で、R7での撮影はミラーレスの90Dのような感じだ。RF-S18-150mmとの組み合わせでは旅行や日常、動画など多目的に使えるが、本格的に撮影に取り組みたい場合は、R7はフルサイズ用のプレミアムレンズを最大限に活かせるスピードと解像度を備えている。
  • R7が本領を発揮するのは望遠撮影で、RF800mm F11と組み合わせれば、32MPの解像度で換算1280mmで撮影できる。

  • 動きの速いアイススケートや水鳥など様々な被写体を撮影したが、AFは決して期待を裏切らないものだった。スケートの撮影ではAFはスケーターの瞳、頭、体に張り付き、不規則に泳ぐ水鳥でも驚くほど直感的にAFは動作した。また、動画では被写体が手前の障害物に隠れてしまうようなケースでも、AFは見事に対応した。
  • 連写は高速だが、CFexpressではなくSDカードを採用したため、バッファはRAWで46枚、JPEGで184枚で一杯になる。しかし、それでも狙った被写体を逃すことなく十分な枚数が撮影できた。

  • 最終的な評価は製品版をもっと長い時間使うまでは保留するが、これまでのところEOS R7の能力には非常に感銘を受けている。連写はメカシャッターも電子シャッターも速く、画像は高解像度で素晴らしいディテールが得られ後処理の余裕も大きい。動画は4KでもフルHDでもシャープでクリアで、AF性能も期待を裏切らないものだ。
  • ラボテストで欠点が見つからない限り、EOS R7はAPS-Cカメラの新たな王者となることだろう。
  • EOS R7はAPS-Cのメリットとプロレベルの連写速度とAF、そして高い解像度を求めるなら、最初に手を伸ばすカメラになるだろう。R7は90Dと7Dシリーズの後継機にふさわしいカメラで、野生動物写真の愛好家には素晴らしい提案だ。

  • 良い点:3250万画素の解像度、最大30コマ/秒の連写、7Kオーバーサンプリング、RFレンズが使える。
  • 悪い点:バッファがそれほど大きくない、普通と異なるコントロールホイール。

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EOS R7は、EOS R10同様にAFは非常に高い評価になっていますね。位置が大きく変更されたサブ電子ダイヤルは、慣れれば問題はなく理に適っていると述べられていますが、「悪い点」に記載されているところを見ると、従来の位置の方が操作しやすいのかもしれません。

連写は速度は申し分のないものですが、バッファが少ないのは少々残念なところです。動画に関しては4K60pでクロップしないので、R10よりずっと使いやすそうですね。