キヤノン「EOS R10」はエントリークラスでは前代未聞のプロレベルのAF性能

DigitalCameraWorldに、キヤノンが先日発表したRFマウントのAPS-C機のエントリーモデル「EOS R10」の初期レビューが掲載されています。

Hands on: Canon EOS R10 review

  • キヤノンは常に我々を驚かせてくれるが、EOS R10はその上を行くもだった。このカメラは北米では1000ドル以下の価格ながら、トップクラスのプロスポーツカメラと同等以上の連写速度を実現している。
  • メカシャッターの連写はEOS R3やα1よりも速く、電子シャッターでもメカシャッターでも連写はEOS R5 / R6に優っている。エントリーモデルがこれだけの火力を備えているのは極めて異例なことだ。
  • センサーはおなじみの2420万画素センサーだが、読み出し速度を速くするために再設計されており、23コマ/秒(メカシャッター15コマ/秒)の連写を実現している。
  • AFはデュアルピクセルCMOS AF IIで人物、動物、乗り物などの被写体を認識する。

  • 動画は4K60pが可能だが、64%クロップする(4K30pは6Kからのオーバーサンプリング)。キヤノンはオーバーヒートするまでに、60分前後撮影できると主張している。
  • ボディは122.5×87.8×83.4mm、429gと非常に小型軽量で、EOS Rebel T8i / 850D(Kiss X10i)に近い感覚で使える。
  • 背面にジョイスティックがあるのは、このクラスでは大きな追加機能だが、コントロールホイールは無い。しかし、フロントとリアのダイヤルでフルマニュアルでも完全なコントロールは可能だ。
  • 電源スイッチが右側にあるので、片手で素早く撮影できるのは嬉しいポイントだ。
  • マイク端子があり、バリアングルモニタと相まって動画撮影に適したカメラとなっている。

  • R10で最初に気付いたのは、被写体追尾AFがとても効果的だということで、エントリークラスのカメラでここまで洗練されたAFシステムを搭載しているのは前代未聞としか言いようがない。これは本当にプロレベルの性能で、あなたの写真のゲームチェンジャーになる可能性を秘めている。
  • 連写速度はプロ機並みだが、バッファ容量はRAW21枚、JPEG123枚で明らかに劣っている。とは言え、プロスケーターや野鳥撮影でも思った通りの写真が撮れたので、決して侮れない性能だ。
  • 高感度はそれほど余裕があるわけではないが、低感度では極めてシャープなディテールが得られる。
  • 4K60pの64%のクロップは歓迎されないもので、広角で撮りたい場合は非常にワイドなレンズが必要になるが、同時に野生動物などの撮影では望遠が伸びる利点がある。4K30pではもちろんクロップは回避できる。

  • EOS R10は軽量で手頃な価格の初心者に優しいボディに、本格的なスペックを搭載したカメラで、素晴らしい結果を得ることができる。4K60pではクロップされるので理想的なVlogカメラにはならないが、強力なスチルと印象的な動画機能を備えた素晴らしい万能カメラといえるだろう。
  • もし既存のAPS-Cカメラを使用しているなら、EOS R7を勧めるが、APS-C一眼レフやスマートフォンからのステップアップには素晴らしい選択肢になるだろう。
  • EOS R10はプロレベルのAFと連写速度、4K60p、フルHD120pスローモーション撮影など、クラス以上の性能を備えている。IBIS非搭載と4K60pのクロップが気になるが、欠点はこれだけだ。

  • 良い点:プログレードのAF、プログレードの連写、4K60pとフルHD120p
  • 悪い点:ボディ内手ブレ補正非搭載、4K60pがクロップされる、防塵防滴ではない。

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エントリー機のEOS R10ですがAF性能はかなり優秀なようで、レビュアーの驚きが伝わってくる内容となっていますね。連写速度もエントリーモデルとは思えないほど速いので、高性能なAFと相まって動体撮影の入門機として活躍してくれそうです。

IBISの非搭載や4K60pのクロップ、防塵防滴の非搭載、バッファー容量の少なさが問題点として挙げられていますが、これはエントリーモデルなので割り切りが必要かもしれませんね。