ソニー「FE 24-70mm F2.8 GM II」は望遠端の画質が顕著に改善

Imaging Resourceに、ソニーのF2.8通しの新しい標準ズーム「FE 24-70mm F2.8 GM II（SEL2470GMII）」のレビューが掲載されています。

･Sony FE 24-70mm F2.8 GM II Hands-on Review

  • FE 24-70mm F2.8 GM II の第一のポイントは旧型よりも小型軽量化されたことで、体積は18％、全長は16.1mm、重さは191g削減されている。191gの軽量化は容易に旧型との違いを感じ取ることができる。このレンズのサイズと重さは非常に印象的だ。
  • 小型軽量化にもかかわらず、このレンズにはクリック解除可能な絞りリングや、ズームリングの重さを切り替える機構など多くの優れた機能が追加されている。
  • フォーカスリングは少し緩い感触で、リニアに動作する。
  • GMIIの主要な改善点は画質以外の部分にあるが、それは光学系が改良されていないという意味ではなく、新しい設計の光学系は素晴らしい画質を提供している。

  • 24mmの画質は、特に画面中央は開放から優れた画質だ。旧型はシャープなレンズだったが、新型もこの傾向を維持している。絞っても中央はF2.8からF8までほとんど変わらない。隅は絞ると改善が見られ、ディテールとコントラストが改善するが、開放時との差は大きくはない。周辺光量落ちは開放では少し見られるが、F4に絞ると解消する。倍率色収差はサンプル画像の木の幹の左右に見られ、24mmで最も顕著だ。
  • 35mmの画質は意外なことに隅は24mmほど良くないが、それでも十分に良好な画質を維持している。隅の画質は悪くはなく、特にF5.6やF8に絞れば悪いものではない。中央の解像力は高く、画面の大部分で優れた画質だ。絞るとディテールは少し改善するが、改善はわずかだ。
  • 50mmの画質は際立っている。開放では少し周辺光量落ちが見られるが、それでもとても優秀だ。もし、弱点を探したいなら隅の若干の甘さを指摘できるが、それでもこのレンズは隅でも印象的な解像力だ。隅まで鋭い切れ味を維持したければ、F5.6かF8に絞るといいだろう。
  • 70mmの画質は旧型とは異なり、画面全域の解像力という点では最高の性能だ。中央は依然として優れているが、特に隅の性能は素晴らしく開放でも優れている。周辺光量落ちは少し見られるが、隅のディテールは24mm～50mmよりも大幅に優れている。F4に絞ると全体的にわずかに改善するが、F2.8でも見事な結果だ。
  • このレンズは、一番隅の部分にはわずかな甘さがあるが、それでもなお隅の解像力は依然として印象的だ。隅でより鋭さが必要な場合は、F4～F8に絞るといいだろう。解像力に関しては弱い焦点距離は特にないが、望遠端が特に優れていると感じる。そして、このレンズは画質を改善するために絞る必要はない。これはズームレンズに対する最高の褒め言葉だ。

  • ボケ味は見事で、2枚のXAレンズの採用で年輪ボケのない綺麗なボケが得られている。
  • フレアは全く問題が見られなかった。
  • 軸上色収差（ボケの色付き）は、いくらか見られるが非常に良く抑えられている。
  • 歪曲は24mmではタル型、70mmでは少し糸巻き型が見られ、後処理による修正が必要になる可能性があるが、幸いなことに修正は簡単だ。
  • AFシステムは小型軽量化と並んでこのレンズの最大の改善点で、旧型よりも著しく速くなり、作動音も静かだ。新型はほぼ瞬時に合焦し、旧型のようにピント位置が行き過ぎて戻ることもない。全体としてGMIIのAFは非の打ち所のない性能だ。
  • 最大撮影倍率は70mmで0.32倍で、近接性能は大きく改善されている。

  • 旧型と新型の画質の比較（レンズプロファイルによる補正はどちらも無効）では、24mmでは中央は大きな違いはないが、新型に若干の解像力の改善が見られる。隅は違いが顕著で、新型の方がよりシャープで色収差が少なくなっている。70mmでは中央が新型が大幅にシャープになっている。GMIIは特に70mmでは、開放からより優れた解像力だ。
  • 旧型の所有者は買い替えるべきだろうか？ 画質は改善するが、それだけでは買い替えを正当化するには十分ではないと思う。手持ちで多くの撮影をするなら、小型軽量化が買い替えの説得力のある理由になるかもしれない。動画の撮影が多ければ、改良されたAFシステムやブリージングの減少、クリック解除可能な絞りリング、滑らかなズーム、リニアなAFなど多くの点で魅力的だ。
  • 良い点：小型軽量、絞りリングが便利、改良されたフード、全体的に優れた画質、非常に速いAF、より短くなった最短撮影距離。
  • 悪い点：一部の焦点距離で隅の性能が少し低下する、歪曲が少し強い（修正はできる）。

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このレンズはPetaPixelのレビューではズーム両端で隅が甘いという評価でしたが、ここでは広角側の隅は少し画質が改善しており、望遠側は全域で大幅に改善しているという高い評価となっています。ただ、中間域の隅では若干の甘さが指摘されています。

GMIIは、これだけ小型軽量化されAFが改善された上で、更に光学性能も改善されているということなら、非常に訴求力が高いレンズという印象です。最大撮影倍率が0.32倍とかなり寄れるのもポイントが高いですね。