富士フイルム「X-H2S」のAFはポテンシャルを秘めているがまだバグが多い

DPReviewTVに、富士フイルム「X-H2S」の初期レビューが掲載されています。

DPReview TV: Fujifilm X-H2S First Impressions Review

  • 新しい積層型センサーの画質は、以前の非積層型2600万画素センサーと非常によく似ており、優れた画質だ。
  • 電子シャッターの速度はフラッシュ同調が1/150秒で悪くはないが、α1やZ9の電子シャッターの方が速い。しかし、X-H2SはAF追従で40コマ/秒の連写が可能だ。
  • ボディデザインは多くの点でGFX100Sに似ており、私はGFX100Sが気に入っているので、X-H2Sはより小型軽量で素晴らしい。

  • 576万ドットEVFはハイエンドカメラに相応しいもので、解像感は気に入っている。リフレッシュレートは120fpsは良好に機能するが、240fpsは暗くなり、このモードは必要ないだろう。
  • 肩液晶は電源をオフにしても奇妙なチラツキが見られる。
  • 連写は、ソニーのSDで40コマ/秒でロスレス圧縮RAWでスローダウンまでに150コマ撮影でき感銘を受けたが、書き込みにはかなり長い時間がかかった。DelkinのCFexpressカードでは40コマ/秒で、ロスレス圧縮RAWで190-220枚撮影でき、書き込みも数秒で終わった。

  • AFのテストはXF150-600mmで走り回る人を40コマ/秒で撮影した。レリーズ優先では、ピントが外れているコマも少しあったが、AFはかなり良い仕事をしている。フォーカス優先ではずっと的中率が上がり大部分のピントが合っていたが、連写速度は1/3になってしまう。
  • 被写体認識AFでは犬の鼻にしばしばピントが行ってしまい、通常は富士フイルムが得意なポートレートでも、まつ毛にピントが行ったり完全な前ピンや後ピンになったりしたが、これはプリプロダクションモデルだ。
  • 上記のAFテストは標準設定で行ったが、次のテストはトラッキングの感度をカスタマイズして1つの被写体へ粘着性を高くするように設定した。その結果、コンティニュアスAFでかなり一貫した結果が得られた。この調整後、鳥の認識は非常に上手く機能した。

  • 動画はF-Log2を使うと従来のF-Logよりも顕著に広いダイナミックレンジが得られるが、F-Log2では電子シャッターの速度が1/94秒・10.6ms(F-Logやフィルムシミュレーションでは1/160秒・5.6ms)でローリングシャッター効果が少し目立つようになるが、それでもまだ非常に少ない。
  • HDMI端子はフルサイズで、これは外部レコーダーを使用する場合には最適だ。ヘッドホン端子を使うとバリアングルモニタに干渉してしまうのは残念だ。
  • 動画のAFは前景から被写体への遷移は滑らかで、人物の追従性も良好だ。

  • 動画のオーバヒートのテストでは、20度の室温で、4K24pで2時間以上オーバーヒートせずに記録でき、カメラもそれほど熱くならなかった。 また6.2K24p ProRes422で26分ごとにファイルを削除して3回繰り返し録画したが、オーバーヒート警告はでなかった。4K120pの連続記録では1時間6分でオーバーヒートし、なんとかオーバーヒートさせることができた。
  • オプションの背面に取り付けるクーリングファンを使うと、4K120pで1時間55分記録できた。このカメラの熱管理は極めて優れている。クーリングファンのノイズはファンがhighになっている場合は、内蔵マイクで音を拾ってしまう。
  • X-H2Sのデザインは素晴らしくエルゴノミクスに不満はない。AFは多くのポテンシャルを秘めているが、このカメラには解決しなければならないバグがまだ沢山ある。

 

テストしたX-H2Sはプリプロダクションモデルで、犬や人物の瞳からピントが外れることが多いなど、AFの動作に一貫性がないようなので、AF性能の結論を出すのはまだ時期尚早のようですね。DPReviewTVも製品版で再テストすると述べているので、続報を待ちたいところです。

動画のオーバーヒート耐性に関しては驚くほど優秀で、発熱の激しい4K120pでクーリングファンなしで1時間6分も連続記録できるのはすごいですね。これなら一般的な用途ならオーバーヒートを全く気にせずに長回しをすることができそうです。