キヤノンの「70-300mm F4-7.2 IS」「100-350mm F5.6-8 IS」「250-600mm F7.5-11 IS」の特許出願

キヤノンがフルサイズ用の「70-300mm F4-7.2」「100-350mm F5.6-8」「250-600mm F7.5-11」の実施例を含む、小型軽量で全域で高い光学性能のズームレンズの技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2022106468
    出願番号:P 2021001486
    公開日:2022-07-20
    発明の名称: ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
  • 【課題】全ズーム範囲で高い光学性能を有し、小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供すること。
  • 一般に、ズームレンズの小型化を図るためには、望遠端でテレフォト型のパワー配置を採用し、物体側の正の屈折力と像側の負の屈折力を強くすることが有効である。しかしながら、各レンズ群の屈折力を強くすると、ズーミングに伴う諸収差の変動が大きくなり、少ないレンズ枚数で諸収差を良好に補正することが困難となる。そのため、ズームレンズの小型化と軽量化を両立させるためには、各レンズ群の屈折力やレンズ構成を適切に設定することが重要となる。
  • 本発明は、全ズーム範囲で高い光学性能を有し、小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することを目的とする。

  • 実施例2(100-350mm F5.6-8 IS)
    ズーム比 3.50
    焦点距離 100.00 187.86 350.00
    Fナンバー 5.77 7.05 8.24
    半画角(度) 12.21 6.57 3.54
    像高 21.64 21.64 21.64
    レンズ全長 191.67 234.47 267.58
    バックフォーカス 53.64 82.65 117.62

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  • 実施例3(70-300mm F4-7.2 IS)
    ズーム比 4.29
    焦点距離 70.00 149.64 300.00
    Fナンバー 4.20 6.04 7.20
    半画角(度) 17.17 8.23 4.12
    像高 21.64 21.64 21.64
    レンズ全長 170.19 199.65 232.45
    バックフォーカス 23.56 62.47 105.22

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  • 実施例5(250-600mm F7.5-11 IS)
    ズーム比 2.40
    焦点距離 250.00 415.97 600.00
    Fナンバー 7.49 9.70 11.33
    半画角(度) 4.95 2.98 2.07
    像高 21.64 21.64 21.64
    レンズ全長 301.60 319.38 339.18
    バックフォーカス 70.61 115.58 165.65

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70-300mmクラスの望遠ズームの要望は結構多いようなので、実施例3のレンズの製品化を期待したいところですが、テレ端がオーソドックスなF5.6ではなくF7.2と暗いので、小型軽量にはなると思いますが、賛否が分かれそうです。

100-350mm F5.6-8はRF100-400mm F5.6-8が既に発売されているので、製品化するにはスペックが近すぎるかもしれません。250-600mm F7.5-11は、1つ前の記事の特許に掲載されていた150-600mm F8-11の方が使い勝手がよさそうですね。

なお、図にはISユニットの記載はありませんが、本文に「L2を手ブレ補正レンズ群とすることが好ましい」という記載があるので、実施例のレンズはISが付けられる設計のようです。