キヤノン「EOS R5 C」はローリングシャッターは優秀だがCRAWはかなりノイジー

CineDに、キヤノンのEOS R5ベースのシネマカメラ「EOS R5 C」のローリングシャッター速度やダイナミックレンジ、ノイズなどのラボテストの結果が掲載されています。

Canon EOS R5 C Lab Test

  • EOS R5のRAW動画は非常にノイズは多いもののとても期待の持てる結果を示したが、8K H.265の内部収録ではダイナミックレンジがかなり狭く(C-LOG3で10.1stop)、物足りない結果となった。この挙動がシネマ版のEOS R5 Cで変わっているかどうか非常に興味をそそられた。

  • ローリングシャッター:ローリングシャッターの速度はR5と全く同じで、8KDCIフルサイズモードで15.6msだ。これはかなり良好な結果で、ソニーα1の16.6msに非常に近い値だ。しかし、比較すると例えばα7S IIIはわずか8.7ms(4KUHD)だ。APS-Cの5.9L CRAWモードではR5Cは11.5msだった。
  • ダイナミックレンジ:CRAWはR5Cでも非常にノイジーで、測定した波形では12stop目はノイズに埋もれていて正直数えるべきか分からない。IMATESTの結果ではダイナミックレンジはSNR=2で10.2stop、SNR=1で11.5stopで、ノイズが多いためR5のRAWよりも狭い。CRAWを使うつもりなら後処理で強力なノイズリダクションをかけるつもりでいた方がいい。
  • ダイナミックレンジ2:8K H265 CLog3ではEOS R5はSNR=2で10stop、SNR=1で10.8stopの平凡な結果だったが、R5CはSNR=2で11.7stop、SNR=1で12.7stopで、S1HやS1、α1などにほぼ追いついているが、下の方の値だ。
  • ラチチュード(露出オーバーやアンダーでディテールや色を保持する能力)は、Canon Cinema RAW Light LTでは、7stopで、これは、S1H、S1、S5やα1よりも1段ほど低い値だ。

  • 結論:EOS R5Cはラボテストでは良い部分と悪い部分があり、ローリングシャッターの速度はズバ抜けてはいないものの非常に良好だったが、内部収録の12bit Cinema RAW Light LTはかなりノイズが多く後処理でノイズリダクションが必要だ。内部収録の10bit 8K H265のClog3はR5より大きく改善しているが、この価格帯のパナソニックやソニーの競合機と比べると平均的な性能だ。ラチチュードはR5Cの測定結果は7stopだったが、このクラスでは8stopが普通だ。

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EOS R5Cはローリングシャッターのスキャン速度は優秀のようですが、ダイナミックレンジやラチチュードに関しては、同クラスのライバルに少し差をつけられているようですね。特にRAW動画で「かなりノイズが多くノイズリダクション必須」と述べられているのは少々気になるところです。