「LAOWA 10mm F4.0 Cookie」は愛らしいレンズだが光学性能は今ひとつ

DigitalCameraWorldに、昨日発表されたVenus OpticsのAPS-Cミラーレス用のパンケーキレンズ「LAOWA 10mm F4.0 Cookie」のレビューが掲載されています。

Laowa 10mm f/4 Cookie lens review

  • 鏡筒は他のLAOWAのレンズ同様に、非常に良くできてるように感じられる。フォーカスリングには被写界深度目盛りや距離目盛りがある。
  • このレンズはマニュアルフォーカスレンズで電子接点も非搭載なので、カメラから絞りの制御はできず、シャッタースピード優先モードは使えない。
  • フォーカスエイドも自動的に起動しないので、フォンクションボタンにフォーカスエイドを設定しておき、手動で起動してピントを確認する必要がある。しかし、(焦点距離が短いので)正確なピント合わせが必要なのはクローズアップ撮影くらいだろう。

  • 実写テスト:性能面での評価は少々低い。歪曲がほとんどないのは強みだが、周辺光量落ちは極めて強く、これはF4と控えめな明るさであることを考えると期待はずれだ。周辺光量落ちは後処理で容易に修正できると思うかもしれないが、手動で周辺光量落ちの半径や減衰率、強さを設定するのは思った以上に難しい。加えて、このレンズは中央の解像力は非常に良好だが、隅に行くに従って解像力はかなり低下する。
  • LAOWAにはAPS-C用の9mm F2.8もあるが、隅の解像力は遥かに優れており、周辺光量落ちも少なく、この10mm F4よりずっと優れている。
  • ラボテスト(解像力):中央の解像力はどの絞り値でも良好だが、それほど素晴らしい値ではない。隅の解像力はよく言っても凡庸だ。

LAOWA_10mmF4Cookie_mtf_dcw_001.jpg

  • ラボテスト(色収差):色ズレは画面の隅では目に付くが、それほど深刻なものではない。
  • ラボテスト(歪曲):-0.89の弱いタル型で、直線的な被写体では目立つかもしれない。

  • 結論:LAOWA 10mm F4 Cookieは愛らしいレンズだが、特に秀でている分野はない。歪曲はほどんど無いが他の光学的な欠点があり、魅力を損なっている。しかし、手頃な価格の超広角のMFレンズを試してみたいなら、このレンズは良い選択肢だだろう。
  • 良い点:小さく可愛らしく旅行に最適、安価、10cmまで寄れる。
  • 悪い点:F4の明るさ、強い周辺光量落ち、隅の芳しくない解像力。

 

LAOWA 10mm F4は中央は十分な解像力ですが隅はかなり甘く、解像力はそこそこという印象ですが、超広角にもかかわらず歪曲はかなり良く補正されていて優秀ですね。ただ、周辺光量落ちはサンプルを見る限りかなり目立つので、自動補正が使えないのは少々不便かもしれません(レンズプロファイルが出てくれば現像時に上手く補正できそうですが)。