富士フイルム「XF23mmF1.4 R LM WR」卓越した画質だがフォーカスクラッチの省略は残念

PCmagに、富士フイルムの広角単焦点レンズ「XF23mmF1.4 R LM WR」のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XF 23mm F1.4 R LM WR Review

  • このレンズは光学系も鏡筒の新しくなっており、防塵防滴構造になっているが、フォーカスクラッチ機構は省略されている。サイズは旧型よりも少し大きく重くなっており、X-Pro3のような大柄なボディには合うが、小型のボディでは少しフロントヘビーになる。
  • 防塵防滴化は歓迎するが、前玉のフッ素コーティーングを省略したのはいただけない。注意しないと前玉に指紋を付ける可能性がある。

  • 絞りリングは1/3段ごとにクリック感のあるもので、残念ながらクリックを解除する機能は搭載されておらず、これはビデオグラファーには良くない部分だ。
  • フォーカスリングはリニアな動きで、動画でフォーカスラックを繰り返すことができるので、ビデオグラファーに評価されるだろう。
  • フォーカスリングの回転角は180度と大きい。XF33mmは回転角が90度と短くMFに苦労したが、このレンズは簡単にピントを合わせられる。それでも旧型のフォーカスクラッチの機械的な感触がなくなったのは残念だ。新型のフォーカスリングは緩すぎて私の好みの重さはではない。
  • AFは速く静かだが、瞬時に合焦するわけではなく、近距離から遠距離までは0.25秒かかる。フォーカスブリージングは気にならない。

  • ラボテスト:解像力はF1.4では3100本の素晴らしい値で、F4では3500本の際立った値だ。像面はかなりフラット(湾曲が小さい)で、開放で遠距離の被写体を撮影しても周辺部までシャープに写る。旧型は24MPでのテストなので直接の比較はできないが、絞り開放の解像力では旧型は新型に及ばない。
  • 自動補正で歪曲と周辺光量落ちが補正されるが、画質への大きな影響はない。未補正のRAWではわずかだがタル型の歪曲が見られる。
  • 倍率色収差や軸上色収差は見られず、どちらの収差も良く抑えられている。しかし、強い光源に直接レンズを向けるとゴーストやフレアによる色付きが見られた。
  • 絞り開放では背景をボカすことができる。玉ボケは輪郭がソフトで、背景のボケもうるさくならない。開放では玉ボケは円形で、隅でわずかに変形する程度だ。

  • 新型のXF23mmF1.4 R LM WRは、フォーカスクラッチの省略と絞りリングのクリックを解除できないのは残念だが、卓越した画質で近接性能も高く防塵防滴構造を備えており、エディターズチョイスを受賞している。しかし、予算オーバーになる場合は、明るさは及ばないが同じくエディターズチョイスを受賞しているXF23mmF2 R WRも大いに価値があるだろう。
  • 良い点:際立った光学系、防塵防滴構造、F1.4の明るさによる後ボケ、7.5インチの近接性能、フォーカスブリージングが極小。
  • 悪い点:絞りリングのクリックを解除できない、フォーカスクラッチの省略、防汚コーティングが施されていない、小型カメラには少し大きい。

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新しいXF23mmF1.4 R LM WRは旧型に比べると収差が良く補正されていて、解像力も格段にアップしているようで、これから登場すると噂されている4000万画素機でも大いに活躍してくれそうなレンズですね。

フォーカスクラッチに関しては、以前にXF18mmF1.4のYoutubeの動画で「高画素機では距離指標の精度を出すのが難しいために省略した」と述べられていたので、残念ですが今後登場するレンズも非搭載になりそうです。

絞りリングに関しては、動画クリエイター向けにサービスセンターでクリックを解除するサービスがあれば理想的ですね。