DUSTIN ABBOTTに、富士フイルムのGFX用の新しい広角ズーム「GF20-35mmF4 R WR」のレビューが掲載されています。
・Fujinon GF 20-35mm F4 WR Review
- このレンズはフルサイズ換算16-28mmで、GFXでは最も画角の広いレンズだ。防塵防滴のシーリングは12ヶ所で非常にしっかりしている。
- レビューで使用した非常に高解像度のGFX100Sとの相性は抜群に良かった。富士フイルムは、光学的な欠点の少ない広角ズームを造ることに成功した。このレンズは中判センサーの性能を最大限に引き出せる優れたツールだ。
- 希望小売価格は2499ドルで、この種のレンズとしてはかなりリーズナブルだ。この価格から数百ドル安いところにフルサイズ用の多くの広角ズームがあるが、この価格に近い中判用の広角ズームは見当たらない。
- このレンズは82mmの一般的なフィルター枠を備えている。広角レンズは前玉が突出してフィルターが付けられないものも多いので、これは重要なことだ。
- 重さは725gと重いが、極端に重くはなく、フルサイズ用の広角ズームでもっと重いものがある。
- ズームはインナーズームで滑らかに動く。繰り出し式のズームではこれだけ滑らかに動くものはめったにない。ズームリングの回転角は75度で、高精度にズーミングできる。フォーカスリングも滑らかに動く。
- 最短撮影距離は35cmで、最大撮影場率は0.14倍にしかならない。
- 近接時の性能はまずまず良好だが、コントラストはそれほど高くない。焦点面はフラットで像面の湾曲はあまり見られないが、クローズアップ用としては特に魅力的なレンズとは思えない。
- 手ブレ補正(OIS)は搭載されていないが、GFX100SのIBISが非常に効果的で、1/8秒で完全に止まっていた。
- AFモーターはリニアモーターではなくステッピングモーターだが、中判カメラとしては悪くはなく、風景の撮影ではAF速度は比較的速い。しかし、AFの迷いが見られ、近距離の被写体では頑なに背景にピントを合わせ続けることが多く、作例ではMFを使う必要があった。
- 動体ではAFはゆっくり歩く猫でも成功せず、常に後ピンだった。
- 動画のAFは、プルフォーカスは比較的速く滑らかで作動音はしない。しかし、フォーカス位置が被写体を通り過ぎてから戻る傾向があり、動画で理想的とは言えないが、GFXシステムの動画AFは徐々に改善されているように感じる。
- 全体的にAFは他のGFレンズよりも良好で、リニアモーターを搭載していないにもかかわらず、AF性能は概ね良好だと思う。
- 画質は広角端と望遠端の両方で画面の中心と中間域は極めてシャープで、四隅は画質の低下は見られるものの、開放でもとてもシャープだ。実写ではこのレンズは驚くほどシャープだ。
- 20mmでは、未補正ではかなり大きさのタル型の歪曲が見られ、四隅では4段分以上の周辺光量落ちが見られる。この歪曲と周辺光量落ちの大きさはおそらくフィルターを使用可能にするための妥協だろう。35mmでは歪曲は極端に強くはない糸巻き型で、周辺光量落ちも若干改善する。このカテゴリでは驚くような性能ではないが、超広角レンズとしては悪くはない。
- 軸上色収差はテストではいくらか見られるが、実写では色収差が目立つような状況はほとんどないだろう。倍率色収差は非常によく修正されており、テストでも実写でも色ズレはほとんど見られなかった。
- 解像力テストでは、20mm開放では隅はそれほどシャープではないが、F5.6では改善が見られ、F8ではコントラストと解像力が更に改善する。F5.6とF8では実写の風景では驚くほどディテールに富んでおり、発色は深く豊かだ。
- 25mmでは、中央と中間部の解像力は若干改善するが隅は少しソフトになる。実写では依然として優れた画質で、これは隅も例外ではない。30mmでは隅の性能が若干改善し、20mmに似た素晴らしい性能だ。35mmでも引き続き素晴らしい結果で、実写ではF8で画面全域で申し分のないディテールが得られる。
- ボケは悪くはないが、ボカすのに適したレンズではない。
- 発色は富士の強みで、このレンズの色は幻想的な素晴らしい色のグラデーションが得られ、本当に気に入った。
- 逆光でもゴーストやフレアはほとんど見られず、太陽を入れても良好なコントラストを維持しており、逆光耐性はかなりよさそうだ。
- 星は画面の端でもほぼ形が保たれており、コマ収差の少なさには感心した。このレンズは安心して夜空を撮影できる。
- このレンズは全体的に優れた光学性能で、いくつかの欠点はあるものの画角を考えると性能の一貫性には非常に感心した。
- このレンズは欠点は少なく、AFも肯定的に感じた。GFX用の高性能な広角ズームを探しているなら、待つ必要はない。このレンズで信じられないほど素晴らしい画像が得られる。このレンズはGFXの定番レンズになるだろう。
- 良い点:適度な大きさ重さ、徹底した防塵防滴のシーリング、インナーズームによる素晴らしい動きのズーム、GFレンズで最も広い画角、中央・中間部の開放から優れた解像力、絞ったときの全域での優れた解像力、ズーム全域で一貫した解像力、倍率色収差の良好な補正、良好なフレア耐性、良好なコマ収差、美しい発色、一般的なフィルターを使用できる。
- 悪い点:いくらかAFが迷う、かなり強い歪曲と周辺光量落ち、最大撮影倍率がかなり小さい。
レビュアーはこのレンズが本当に気に入ったようで、絶賛と言っても良い評価ですね。これはGFXで風景を撮って人には非常に魅力的なレンズになりそうです。
ラボテストではやや隅が甘いようですが、実写では全域で十分にシャープなようなので、近距離の解像力チャートではあまり性能が出ないレンズなのかもしれませんね。コマ収差も良く補正されているということなので、夜景や星景などの撮影にも使えそうです。
Nak
このレンズですが、それほど大柄ではない上に単焦点の23mmF4よりも画質、特に画面の周辺部の解像度が高く、とても気に入っています。
M.T.H.
いやまさにGFX広角はこれがベストですね!
文句ないです。
GFX使い
風景はもちろんのこと、人を撮っても良し、星を撮っても良しの万能な広角ズームだと思います。
このクオリティとサイズ感でイチから他のズームも作り直してくれないですかね、FUJIFILMさん。
GFXユーザー
使っていますが、史上最高の広角ズームレンズだと思います。画質、操作性、重量サイズのバランス全てにおいてパーフェクト。広角好きならこのレンズのためにGFXを使っても良いと思います。
強いて弱点を言えばこのレビューにもある通り、近接時にやや柔らかいことでしょうか。(使い方で長所にも)