OpticalLimitsに、Venus Opticsの倍率2倍のフルサイズミラーレス用の標準マクロレンズ「LAOWA 58mm F2.8 2x Ultra-macro APO」のレビューが掲載されています。
・Laowa 58mm f/2.8 2x Ultra-macro APO - Review / Test Report
- 鏡筒は金属製で、フォーカスリングの動きは非常に滑らかだ。電子接点は搭載されていないので、絞りリングを搭載している。マクロ撮影では電子接点の非搭載は大きな問題ではないが、多くの人がLAOWAに少なくとも絞りをカメラから制御可能にして欲しいと望んでいる。中国のいくつかのメーカーは既にAFレンズに移行し始めているので、LAOWAはこの点で遅れている。
- サイズは58mmマクロレンズとしては非常に大きく、90mm F2.8マクロと同等の大きさ重さだ。しかし、このレンズはフォーカシングで伸びない。
- 歪曲は電子補正できないので光学的に補正されており、ディストーションフリー(0.112%の糸巻き型)で確かに優れた性能だ。
- 周辺光量落ちは少し珍しい特性で、開放時の1.5EVは普通の値だが、絞ったときの改善は予想よりも遅くF8でもまだ1EVを超える。
- 解像力はズバ抜けてはいないものの素晴らしい値だ。開放では中央は素晴らしい値で、周辺部も非常に良好な値だ。F4では中央は見事な解像力になり、周辺部も少し改善される。解像力のピークはF5.6だが、回折の影響が目立つのはF16からだ。像面の湾曲は小さい。残念ながらテストした個体は強い偏心が見られ、画面左側の解像力が低いので、MTF測定は画面の右側で行った。
- 倍率色収差はほとんど見られず心配はない。
- ボケの品質は優れており、玉ボケは内部が滑らかで輪郭が弱く綺麗な描写だ。口径食は開放時の隅ではわずかに見られる。通常のボケは、90mm F2.8マクロ同様で前ボケは滑らかだが、後ボケは前ボケより若干劣る印象だ。
- このレンズには、直接のライバルはRFマウントでは不在だが、RF100mm F2.8 L は1.4倍の撮影が可能だ。しかし、RF100mm F2.8 Lは価格が高く、軸上色収差やフォーカスシフトの問題がある。
- このレンズは画面全域でシャープで、倍率色収差や軸上色収差もほとんど見られず、歪曲も無い。ボケは玉ボケも通常のボケもどちらも非常に滑らかだ。逆光耐性は厳しい状況では弱点となる。鏡筒の造りは素晴らしいものだが、購入する際には偏心(片ボケ)の有無を確認することを忘れないで欲しい。このような点ではニッチなメーカーは大手メーカーには敵わない。
- 499ドルは必ずしも安くないと言う人もいるかもしれないが、APO設計と高い解像力に加えて、2倍のマクロ機能を搭載しており、この価格はこの珍しい仕様に対する対価だ。もし、高倍率のマクロ写真が好きなら、58mm F2.8 は検討に値するレンズだが、90mm F2.8マクロも同じ価格なので、広い画角にこだわりがなければ、ワーキングディスタンスの長い90mm F2.8マクロの方が望ましいだろう。
LAOWA 58mm F2.8は解像力は開放から十分に高く、色収差や歪曲も非常によく抑えられていて、価格を考えると光学性能はとても優秀という印象です。標準マクロとしてはサイズが大きいのが気になるところですが、フォーカシングで伸びないので使い勝手は悪くなさそうですね。
電子接点はありませんが、高倍率のマクロ撮影は三脚を使ってじっくり撮るのが普通なので、電子接点の有無はそれほど問題にはならなそうです。
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