PCmagに、富士フイルムの高倍率のパワーズーム「XF18-120mmF4 LM PZ WR」のレビューが掲載されています。
・Fujifilm Fujinon XF 18-120mm F4 LM PZ WR Review
- ズームは電動で、XV15-45mm PZのパワーズームよりもハイグレードだ。操作系は明らかに動画向きで、ズームリングはズーミングでかなりの回転が必要なので、機械式のズームに慣れている写真家としては、なかなか馴染めなかった。
- ズーム/フォーカス切替式のコントロールリングは、リングを回した角度でズーミングの速度が変わるため、ズームリングよりも多少使いやすい。
- このレンズは完全にパーフォーカルではなく、ズーミングでピント位置が変わる。ズーミングで動画のピントがずれるので、ズーミングに合わせてマニュアルでピントを合わせるか、またはAF-Cを使う必要がある。
- フォーカシングで像の大きさは変わらず、フォーカスブリージングは見られない。
- AFは静かでレスポンスは速いが、ズーム用のモーターの作動音があるので、カメラのマイクで録音する場合は注意が必要だ。ズーミングの音は、スタジオなどの静かな場所で録画すると聞こえる。
- 最大撮影倍率は1:5で、超近距離までは寄れないが、他の標準ズームと同程度だ。
- 手ブレ補正は非搭載で、手持ちで動画を撮るには何らかの手ブレ対策が必要だ。このレンズはジンバルに適した設計で、また、いくつかの富士のカメラにはIBISが搭載されている。
- このレンズには絞りリングが無いので、カメラ側で絞りを設定する必要がある。
- ラボテスト:ほとんどのズーム域で優れた解像力だが広角端では少しソフトだ。18mm開放の解像力は2500ラインで、これは4K動画用には十分だが、8K動画ではそれほどシャープではない。8Kで録画する場合はF5.6からF11に絞るとディテールが鮮明になる。ズームの中間域ではより解像力は上がりF4~F11で3600ラインから3900ラインの素晴らしい値になる。望遠端では3200~3600ラインのとても良好な値まで解像力は低下する。
- F22まで絞ると回折によりシャープさが失われるが、太陽を撮影すると光芒が得られる。
- 強い逆光でもフレアやゴーストは見られない。
- 歪曲は広角ではタル型で、望遠側にズームすると糸巻き型になる。歪曲と倍率色収差は自動補正に依存しており、JPEGでは心配は無いが、RAWでは見栄えの良い画像を得るためには補正プロファイルが必要だ。
- 玉ボケは円形で輪郭は柔らかく、後ボケも好みだ。軸上色収差は補正できないので、ボケに軸上色収差が見られないのは良いことだ。
- 3つのズームコントロールと、強力な光学系と耐候性の組み合わせで、このレンズは動画用に最適なレンズとなっている。動画を仕事にしている場合、このレンズは検討に値するレンズだ。このレンズは動画によくマッチしているが、パワーズームの使い勝手がスチル志向のクリエイターには向いていない。このレンズは動画に特化したレンズだ。多くのクリエイターには、XF16-80mmF4 R OIS WRを勧める。
- 良い点:3種類のズームの制御機構、防塵防滴、フッ素コート、速く静かなAF。
- 悪い点:手ブレ補正が非搭載、パーフォーカルではない(ズーミングでピントが移動する)。
XF18-120mmF4は、DPReviewTVでは2022年のワーストレンズという評価でしたが、ここでは光学性能に関しては広角端では少し甘いものの全体としては良好な評価になっているようです。ただ、スチル用としてはパワーズームの操作感に難があるようで、動画専用という結論になっています。
また、動画用のレンズとしてはパワーズームの作動音が内蔵マイクで収録されてしまうのは、少し気になるところかもしれませんね。
昭和のたかちゃん
動画制作ではXH2Sにつけてメインレンズとして使ってますよー^^
シュワシュワ
解像度などは動画にした時に適正と思われるチューニングをした結果かもしれませんね
とはいえ16-80も評判がいまひとつで、富士には決定版と言える標準ズームがないですねぇ
それの有無でシステムを選ぶ判断基準になるんだけどな
セラビー
バリフォーカルレンズでもソニーのように高速でAFが追従すればアマチュア用途では十分ですが、このレンズはどの程度のAFなのでしょうね。