富士フイルムはXマウントのオープン化で純正レンズの販売も伸びている

phototrendに、CP+会場で行われた富士フィルム開発チームのインタビューが掲載されています。

Fujifilm au CP+ 2023

  • (X-H2Sと同じ積層型センサーを採用したカメラを発売する予定は?)
    X-H2Sと同じようなカメラを出しても意味がないが、積層型センサーを使った別のコンセプトのカメラができれば、それを採用することになるだろう。差し当たって、この新しい積層型センサーで何ができるのか研究していく。

  • (最近のAF性能の改善で、より多くのビデオグラファーが富士フイルムのカメラを使うようになると思うか?)
    新ファームウェアVer.3.00のおかげで、特に顔認識 / 瞳認識で非常に優れたパフォーマンスを実現することができており、スケーターや速い動きのBMXも追尾できる。動画のAF性能にはとても自信がある。

  • (高性能なX-H2 / X-H2Sの登場でX-Tシリーズの影が薄くなる可能性は?)
    X-H2とX-H2Sは、X-T5より先に発売されているが、X-T5の販売は今のところ非常に好調だ。過去のX-T1からX-T4までの機種と比較しても、X-T5は健闘している。X-Hシリーズは新しいカテゴリを切り開くもので、X-Tシリーズから何かを奪うものではないと思う。

  • (X-T5はスチルにより焦点を合わせている?)
    その通りだ。X-T5は強力な動画機能を搭載しているが、あくまでもメインはスチルだ。富士フイルムが専用ダイヤルの操作系を電子ダイヤルに変更し始めたという見方も出始めていたが、我々はあらゆるカテゴリ、あらゆるユーザーの要望を満たす製品を開発していく。

  • (X-Proシリーズは唯一モデルチェンジされていないが、2023年には第5世代のセンサーと画像処理エンジンを搭載したX-Pro4が登場するのか?)
    いつ登場するとは言えないが、X-Proシリーズのことは忘れていない。しかし、我々はその製品が必要かつ有用な場合にのみ新製品を発売する。特にX-Proシリーズはとても特別なカメラで、同シリーズの後継機は理に適っていてユーザーに有益なものでなければならない。その条件を満たすことができれば、新しいX-Proを発売することができるようになる。

  • (X100Vが若いユーザーの間でTikTokを通じて大流行していることについて)
    レトロなデザインとフィルムライクな写真が撮れることが一因だと思う。TikTokでは(X100Vで撮影した写真ではなく)カメラ本体の写真を撮っているので、このカメラはファッションアイテムとして身につけられているということだ。

  • (X100Vが在庫不足になっているが増産の予定は?)
    すでにフル稼働で生産しているが、生産能力を上げて需要に追い付くようにしていきたい。ただ、X100Vの需要はまだ増えているので、それがいつになるかは言えない。

  • (Xマウントが開示されサードパーティーから多くのレンズが登場しているがコミュティからの反応は?)
    非常にポジティブな反応が得られている。Xマウントレンズの選択肢が増えるのは、非常に良いことだと思う。GFKのデータを見て、サードパーティー製Xマウントレンズの販売が伸びていることに気付いたが、当社のXマウントレンズの販売も増えている。これはXマウントシステムが普及していることを意味しており、非常にポジティブに捉えている。

  • (Xマウントユーザーは平均何本のレンズを持っているのか?)
    Xマウントでは約2.5本だ。Gマウントでは少なくとも3本だ。

  • (スポーツ用のGFXは技術的に可能か?)
    技術的には、AI対応の新しい画像処理エンジンをGFXに組み込むことは可能だ。ただ、GFレンズは大きく重いので、性能はXマウント機とは少し変わってくるだろう。被写界深度の管理もXとGFXでは全く別物だ。新しい画像処理エンジンで性能は向上できるが、いつ、どのように(そのようなカメラが登場する)とは言えない。

  • (そのようなスポーツ用のGFXに需要があると思うか?)
    もちろんだ。GFX100Sをスポーツ用に使用していたカメラマンもおり、東京オリンピックでGFX100Sを使っていたカメラマンもいた。従って、GFXがより高性能化し、スポーツに適したカメラになればいいと考えている。

  • (2023年の写真市場についてどのようなビジョンを持っているか?)
    どのような展開になるのかはよく分からない。新型コロナの状況が正常化しつつある今、この高い需要がこのまま続くのか、続かないのか、興味深いところだ。ご存知の通り写真市場は大きく縮小しており、今カメラを使っているのはマニアなので、カメラ市場は安定的に推移すると思う。

 

富士フイルムがXマウントを公開したことで、サードパーティー製レンズが増えると同時に、純正レンズの販売も増えているということで、サードパーティーと富士フイルムはウィンウィンの関係と言ってよさそうですね。

X-Proシリーズに関しては微妙な言い回しですが、X-Pro3がHidden LCDを採用して物議を醸したので、どのようなものが求められているのか慎重に検討しているのかもしれませんね。