ソニー「FE 50mm F1.4 GM」とシグマ「50mm F1.4 DG DN Art」はどちらが優れている?

PetaPixelに、ソニーとシグマの最新の50mm F1.4の比較レビューが掲載されています。

Sony Versus Sigma: Which 50mm f/1.4 Reigns Supreme?

  • これまでのシグマのハイエンドArtレンズは大きく重かったが、50mm F1.4 DG DN Artは、驚くほど小さいソニーFE50mm F1.4 GMと較べても少し大きく重いだけだ。
  • 一般的な使用では、これらの2つのレンズのどちらを使っているからほとんど分からない。シグマはレンズ単体で手に持つとソニーよりも重いが、カメラに装着していると差はほとんど感じない。

  • AF性能も非常に似ており、シグマは逆光時のAFは状況によってはソニーよりも優れているように見える。一方で、動体のAFではソニーがシグマを凌駕したが、これらの違いは両方のカメラを並べて同じ被写体で比較しないと区別はできない。テスト中にレンズの感触からどちらのレンズを使っているかは分かるが、レンズ本体を持って撮影していないときはどちらのレンズか区別がつきにくい。
  • ソニーのレンズはAF性能はオールラウンドに優れており、数値で表すと10%程度瞳の補足と動体の追尾で優れていた。
  • 動画時のAFは、どちらのレンズも一貫して絞り開放時でさえ正確に目を追尾した。
  • 画質の点ではボケが微妙に異なる感じがするだけで、両者はほとんど同じで優劣は見られない。サンプル画像は同じボディで撮影しており、撮影時のデータを表示せずに掲載している。サンプルの「A」と「B」のどちらがソニーで、どちらがシグマが当てられるだろうか。

  • ソニーがシグマよりも顕著に優れている点の一つは連写時のフレームレートだ。FE50mm F1.4 GMは30コマ/秒だが、シグマ50mm F1.4 DG DN Artは15コマ/秒に制限される。これがハードウェア/ファームウェアの制限なのか、高速連写時に良好な性能を確保するためにソニーが課した制限なのかは分からない。言い換えると、ソニーはEマウントの情報を開示したが、Eマウントはサードパーティーに開示されているよりも多くの情報をやり取りしているということだ。ソニー製レンズ使用時の30コマ/秒という連写速度は、より多くの情報を送信しているためかもしれない。ソニー製のレンズはその多くの情報を利用できる。
  • ソニーはどのサードパーティー製レンズが30コマ/秒に対応可能か認識できないために、サードパーティー製レンズを一律に速度制限している可能性もある。もちろん、自社製レンズの価値を高めるために、サードパーティー製レンズの速度を制限している可能性もあるだろう。
  • もう一つソニー製レンズが優位に立つのは、レンズ設計に将来性を持たせることができることだ。ソニー製カメラの連写速度が40コマ/秒以上になった場合に、30コマ/秒の連写に対応している全てのレンズが、より高速な連写速度に対応するのは間違いないだろう。

  • サンプル画像の答えは「A」がシグマで「B」がソニーだ。正直言って、この違いを見分けるのは難しかったと思う。一般にハイエンドレンズで可能な限り最高の性能を求めるなら純正レンズ、少し性能が落ちてもお金を節約したいならサードパーティー製レンズと言われているが、ソニーとシグマの50mm F1.4の場合はもっと微妙で、他のレンズのケースよりもシグマのお買い得感が高い。
  • 15コマ/秒よりも速い連写が必要ない場合(風景や人物、天体などを撮るなら)シグマがよい買い物だろう。もし、動きの速い被写体で最速で正確なパフォーマンスが必要なら、ソニーがよい選択肢だ。
  • α9、α9、α9 II やこの先登場する高速連写機を使用するユーザーはソニー製レンズを買うべきだろう。α7Rシリーズやα7 IV、それよりも前の機種のユーザーはシグマ製の方が良いと思う。
  • そうは言っても、どちらのレンズもほとんど同じ性能で、どちらのレンズでも高精度でディテールに富んだ最高の画像を得ることができる。

 

各所の解像力テストでは、ソニーFE 50mm F1.4 GMが開放付近の解像力でシグマ50mm F1.4 DG DN Artをしのぐという結果が出ているようですが、実写画像ではどちらも十分以上に高画質で、確かに優劣はつかない印象です。

AF性能に関してはソニーが少しリードしているようですが、以前のような大きな差ではなく、サイドバイサイドで比べれば分かるというレベルのようなので、シグマも動体にかなり対応できそうです。あとは、15コマ/秒よりも速い連写が必要かどうかでしょうか。