OM SYSTEM「ED90mm F3.5 Macro IS PRO」はものすごい性能でハンドリングも見事なレンズ

ePHOTOzineに、OM SYSTEMの換算4倍の高倍率撮影が可能な望遠マクロレンズ「ED90mm F3.5 Macro IS PRO」のレビューが掲載されています。

OM System M.Zuiko Digital ED 90mm F/3.5 Macro IS PRO Lens Review

  • 全長は136mmとかなり長いが、非常にスリムに見える。重さは453gと妥当で、OM-1やOM-5とのバランスは取れている。
  • フォーカスリングは手前に引くと距離目盛りが現れMFモードになる。フォーカスリングはMFモードでは最短と無限遠の両端で止まるが、AFモードでは自由に回転する。
  • 手ブレ補正はIBISとの協調で7段分の効果を発揮し、マクロ域でも上手く機能する。これはかなり大きなメリットだ。
  • 最短撮影距離は0.224mで、このときのワーキングディスタンスは極めて大きく、生物をおどかさずに撮影するのに理想的だ。
  • このレンズはマクロ域でもAFで使用でき、AFは速く完璧な精度で、作動音はほぼ無音だ。ハンドリングは実に洗練されている。

  • 中央の解像力はF3.5で素晴らしい値(excellent)、F4で際立った値(outstanding)、F5.6からF11で素晴らしい値(excellent)、F16でとても良好な値(very good)、F22で良好な値(good)だ。隅の解像力もF3.5で素晴らしい値(excellent)で、F4では際立った値(outstanding)、F5.6からF11で素晴らしい値(excellent)、F16でとても良好な値(very good)、F22では良好な値(good)だ。m4/3のようなセンサーの小さいフォーマットは回折の影響を受け受けやすいので、絞り込んだときの解像力が維持されているは素晴らしい。

omsytem_omds_ED90mmF35MacroISPRO_mtf_epz_001.jpg

  • 倍率色収差は自動補正の設定をすべて無効にして計測した。色収差はよく補正されており、実写ではほとんどの被写体で問題は見られない。
  • 歪曲はわずか-0.12%のタル型で、マクロとしては理想的なほぼ真っすぐなレンズだ。
  • ボケは心地よく滑らかで、後ボケもゆったりとした感じだ。
  • フレアは上手く抑えられており、フレアを発生させるには非常に厳しい条件の照明が必要だ。通常の撮影では逆光耐性の問題はない。
  • 周辺光量落ちはF3.5とF4で若干見られるが、それ以上絞るとほとんど見られなくなる。このレンズはここでレビューしたレンズの中では、最も周辺光量落ちの少ないレンズの一つだ。

  • このレンズはものすごい性能と見事なハンドリングであることは間違いなく、フィールドでのマクロ撮影に理想的なレンズだ。昆虫、花、そのほかの小さい被写体の撮影に最適だ。さらに顕微鏡写真(高倍率撮影)に焦点を合わせており、マクロレンズに新たな意味を与えている。AFとISは高倍率の撮影に上手く対応している。驚くほど便利な機能を備えた汎用性の高い高性能マクロレンズだ。
  • 良い点:際立った中央の解像力、素晴らしい隅の解像力、絞った時の解像力が良く維持されている、2倍の撮影倍率、テレコンに対応し高倍率の撮影が可能、IP53規格の防塵防滴、耐低温、色収差が少ない、歪曲がほぼ無い、素晴らしいハンドリング、速く正確で静かなAF、フォーカスクラッチ機構、開放でも周辺光量落ちがほとんどみられない、なめらかなボケ、フレアが少ない、システム全体で軽量コンパクト。
  • 悪い点:価格がかなり高い。

 

ED90mm F3.5はレンズ単体で倍率2倍(換算4倍)の撮影が可能と、実に尖ったスペックのレンズですが、光学性能の面でも開放から周辺部までシャープで申し分のないレンズですね。加えて強力な手ブレ補正を搭載し、マクロ域でもある程度は手持ち撮影できるので、非常に使い勝手の良いレンズに仕上がっているという印象です。