ソニー「ZV-1 II」は妥協の見られるアップグレードだが操作性は大幅に改善されている

PetaPixelに、ソニーの新しいVlogカメラZV-1 II の比較レビューが掲載されています。

Sony ZV-1 vs ZV-1M2: An Upgrade Of Compromises And Diminishing Returns

  • ZV-1 II は妥協の見られるアップグレードで得られるものが少なくなっている。ZV-1のボディは基本的に2012年に登場したRX100がベースになっており、このボディスタイルが足手まといになっているようだ。ZV-1 II でアップデートされなかった問題を解決するには新しいボディが必要になる。例えば、ZV-1 II には新型の画像処理エンジンを搭載するスペースが無いため、10bit動画やAIによる被写体追尾機能は搭載されていない。
  • また、ZV-1で三脚を取り付けた際にバッテリーとメモリスロットのドアが開かなくなる問題に対処するために、(バッテリーとカードスロットを移動できないために)三脚ネジ穴がカメラの端に移動したが、これは馬鹿げた解決方法で、自撮り棒や三脚使用時にカメラの軸から外れて、構図が非常に奇妙なことになる。
  • ZV-1 II の新しい18-50mmのレンズはより広い範囲がカバーできるようになったが、コンパンクトなボディに超広角のレンズを搭載するのは非常に困難で、妥協が必要だ。このためZV-1 II では手ブレ補正が廃止されている。代わりに電子手ブレ補正が採用されているが、22mm相当にクロップされる。YouTube動画を見ている人の多くは手ブレは気にするが露出の変化は気にしないので、手ブレ補正よりもNDフィルターを削除した方がよかったと思う。
  • 動画は4K30p 8bitで素晴らしいものとは言えないが、多くの人には十分なものだ。しかし、Vlogの撮影は露出や色温度の移り変わりが激しいので、10bitの恩恵は大きい。

  • ZV-1 II のインターフェースは、ほぼ全ての機能の操作に対応するタッチ式インターフェースのおかげで、ZV-1よりも大幅に改善され遥かに使いやすくなっている。ZV-1は撮影時に設定を固定できるBカメラ用途に限定されるが、ZV-1 II は背面のボタンを押さなくても操作できるので、Aカメラとしての使用に最適だ。
  • ZV-1 II で最も重要なハードウェアの改良点はMicoro USBの代わりにUSB-Cが採用されたことだ。
  • ZV-1の最大の不満点だった前方向のみのマイクが見直され、後ろからでも使用できるようになった。
  • 上面にあるスチル/動画/S&Qの切り替えボタンは、スチルから動画への切り替えは1回押し、動画からスチルへの切り替えは2回押しで、この操作は気が変になりそうになる。

  • ZV-1を所有していて満足しているならZV-1 II はアップグレードに値しないかもしれないが、ZV-1を検討していたが(ワイド端の)24mmの焦点距離がネックだった場合はZV-1 II は良い選択肢だ。しかし、電子手ブレ補正を使うとクロップされることを忘れないで欲しい。
  • ZV-1 II の基本的なボディデザインはRX100から使用され続けてきたもので、このボディデザインを映像クリエイターのために再利用するのではなく、映像クリエイターに最適化された最新のデザインをして欲しいものだ。
  • ZV-1 II はZV-1の不満点をほぼ解決し、操作性を大幅に改善している。しかし、ヘッドホン端子やフルサイズHDMI端子の搭載やバッテリーライフの改善、端子の配置の見直し、動画の改善などは行われていない。コンパクトな動画制作用のカメラを考えている人には、ZV-1 II の方がZV-1よりも適しているが、ZV-1 II はソニーのフルサイズカメラのメジャーバージョンアップほど魅力的なカメラではない。

 
ZV-1 II では手ブレ補正が省略されたり4K60pやAI AFが採用されていないなど、期待したほどのアップグレードではなかったという意見もあるようですが、ボディサイズの小ささのために機能的に妥協せざるを得ない部分があったようですね。

とは言え、広角寄りのズームや、タッチパネルの操作性の大幅な改善、USB-C端子の採用など、改良点もかなりあるので今から買うならやはりII型でしょうか。