パナソニックは「絵作り」「色」をLUMIXを支える柱にしていく

PR TIMES TVで、パナソニック開発陣のLUMIXの戦略に関するインタビュー動画が公開されています。

"LUMIX S5Ⅱ"マーケティングと画質設計が語るヒットの裏側

  • G9 ProでLUMIXの「絵作り」を体系化しようという動きが始まり、それ以降は「絵作り」思想を元に一貫した画質設計を行ってきた。どんな色が出るのか「絵作り」の特徴は何なんだというところを明文化していく「絵作り」思想構築プロジェクトに機種開発と平行して取り組んだ。
  • パナソニックは家電メーカーなこともあって、どうしてもスペック重視になるが、「色」はスペックに出ない。「他社と比べてここが良くて値段もリーズナブルでしょ」というようなことが分かりやすいが、カメラはそういうものではなくシステム商品なので、商品としての一貫性が実はすごく重要だ。「絵作り」思想を作って一貫性や統一性を決めたのは本来のカメラメーカーとしてのあるべき姿だが、マーケティングが古い売り方から脱却できていなかったのが大きな反省点。
  • 古い売り方から脱却する転機になったのが2021年のCP+のライブ配信で、コメントで圧倒的に多かったのが「LUMIXの色が好き」「絵が好き」「絵が良いですよね」という絵に対する評価だった。それをきちんと深掘りすると何かが変わるかもしれないと気付いた。絵作りや色の部分にマーケティングをシフトするように考えてみようとスタートした。
  • (絵作りから着想した新機能について)リアルタイムLUTをマーケティングに使用できないかと考えて、有名クリエイターにLUTを作ってもらい無償で公開した。S5IIの発表でリアルタイムLUTが一気に伸びた。
  • 色がユーザーとのコミュニケーションのきっかけになっており、そこに対して貢献していくのがLUMIXの使命だと思う。色や絵作りが我々とユーザーとのコミュニケーションの中心だと思う。「絵作り」をLUMIXを支える柱にしていきたい。

 

確かに以前から、パナソニックは発色が良いと言われることが多かったように記憶していますが、最近ではその「絵作り」や「色」をマーケティング戦略として前面に押し出しているようですね。この戦略から登場したリアルタイムLUTもとても興味深い機能で、連写速度や画素数等のスペック競争とは別の部分でカメラの訴求力を上手く高めているという印象です。