EOS Rシリーズにはホットシューが緩みやすい問題がある

PetaPixelに、キヤノンのEOS Rシリーズのホットシューの問題に関する記事が掲載されています。

Canon Has a Hot Shoe Problem

  • キヤノンが2018年にEOS Rシリーズのカメラを発売して以来、ユーザーからホットシューが慢性的に緩むという不満の声が上がっている。

    PetaPixleのスタッフはFacebookの非公開グループでEOS R5とR6のホットシューがグラグラする件についての議論を見て、好奇心を刺激された。最初は単独の出来事のように見えたが、瞬く間に報告や苦情、懸念がネットの隅々まで広がった。EOS Rシリーズのホットシューがグラつくという報告は非常に多い。

    カメラを修理に出さずにこの問題を解決する方法に関する動画が複数投稿されているが、これらの修理動画で気になるのは、問題を解決するためにはボディを分解しなければならないことだ。この種の修理は保証の規定に違反するため、保証期間内であればユーザーはカメラを分解してはならないことに注意が必要だ。

    なぜ、EOS R5やR6は緩んだホットシューを締め直さなければならないのだろうか? キヤノンはEOS Rシステムに移行する際に、ホットシューの抜本的な設計変更を行っており、ネジ止めをカメラの上部から下部に移動している。

    以前はホットシューがぐらついたり緩んだりしても簡単な工具を使って自分でネジを締めることができ、カメラを壊したり、保証規定に違反するリスクも最小限だったが、最近のキヤノンのミラーレスカメラではそれができなくなっている。

    Redditへの投稿で、R5でホットシューの問題が発生したユーザーが、保証期間内だったので無料で修理できたが、(有料だったら)修理費用は600カナダドルかかると言われている。また、別のRedditへの投稿では、緩んだホットシューを保証期間終了後に修理してもらい189ドル支払ったとのことだ。

    修理費用を回避して自分で修理したい誘惑にかられるが、少なくともリスクを理解せずに自分で修理すべきではないだろう。あるRedditユーザーは、ホットシューの問題を自分で修理しようとしたところ、EOS R5のリボンケーブルを破損し、使用できなくなってしまった。

    ホットシューの緩みは最近出てきた現象ではなく、定期的にホットシューを使用するカメラマンなら程度の差こそあれ、長年に渡って対処してきた現象だ。問題は、キヤノンがカメラのメンテナンスをユーザーにはできないようにしたことだ。

    2021年にジョン・ウィンターズ氏が始めたChange.org の嘆願書には1500件以上の署名が集まっており、同氏は「R5、R6は非常に短期間でホットシューが信じられないほど緩くなり、フラッシュがグラつき、最終的にはホットシューがカメラから完全に外れてしまう。我々のコミュニティはこの問題を共通して経験しており、これは対処すべき製品の欠陥であると信じてる」と述べている。

    PetaPixelはキヤノンに連絡を取ったが、同社の現在のスタンスは「ノーコメント」だ。キヤノンがこの問題を知っていることに疑いの余地はない。

    ある人は次のように書いている。「R5 のホット シューが緩んで困った人はいないだろうか? 私はR5 を購入してから 1 年も経っていないのに、キヤノンに修理にださなければならなかった。修理には450 ドルかかった。私は非常に憤慨しており、ニコンに乗り換えたくなってしまった。他にこの問題に遭遇した人がいたら教えて欲しい」

 

ホットシューが緩んでガタつくこと自体は、ホットシューの使用頻度の高いカメラマンには比較的よくあることのようですが、EOS Rシリーズの場合はホットシューを自分で簡単に締めることができずメーカーで修理しなければならならず、高額な修理費用を取られるのが問題のようですね。

この件に関しては嘆願書が提出されているということなので、キヤノンは把握しているはずですが、今のところ「ノーコメント」ということで、製品の問題とは考えていないようです。ホットシューの使用頻度の高いEOS Rユーザーにとっては、これは気になる問題かもしれませんね。