キヤノン「EOS R100」は技術が数歩後戻りしたように感じるカメラ

PetaPixelに、キヤノンEOS Rシリーズの最廉価モデル「EOS R100」のレビューが掲載されています。

It Feels Like an Old Camera, and Not in a Good Way

  • EOS R100は重さはわずか355グラムで非常に軽量コンパクトだが、その小さなサイズを考えると、きちんとしたグリップが採用されているのは好感が持てる。しかし、このカメラは残念ながら小型軽量化のために操作系や便利な機能が削ぎ落とされている。
  • 電子ダイヤルは1つだけで、露出に関する設定のインターフェースはかなり不便だ。これは他のエントリーレベルのカメラでも見られるものだが、私は初心者向けのカメラはできるだけ使いやすいインターフェースを採用するべきだと思う。
  • バッテリーライフはCIPA規格で400枚で、カードスロットはSDのシングルだが、これはこの価格のカメラとしては妥当だ。しかし、大きな失敗はUSB充電ができないことだ。スマートフォンユーザーを取り込みたいならカメラは便利であるべきだが、キヤノンの選択はそれと対照的だ。
  • AF測距点の移動は電子ダイヤルを何度も回すか方向パッドを使うかで、シンプルなインターフェースは嫌いではないが、操作にかなりの制限を感じざるを得ない。カメラをスマートフォンユーザーに使ってもらうには、使いやすいタッチ式のインターフェースが必要だ。
  • EVFは236万ドットでリフレッシュレートは60fpsに抑えられている。これは大きな問題ではないが、ファインダーの倍率はかなり低く、暗い廊下の奥を見てるような感覚になる。
  • 連写は6コマ/秒と非常にまともな速ささが、RAWでは10枚しか撮影できない。JPEGではどんどん撮影できる。 これは価格を下げるための妥協で完全に許容範囲内だ。
  • 画質は発色とダイナミックレンジが素晴らしく、いつものように優れている。高感度性能もまずまず優れている。
  • 動画はかろうじて4Kに対応しているが、24pでしか撮れず、大きくトリミングされる。4K24pでのAFはデュアルピクセルAFに対応しないので、被写体追尾に苦戦し、ピントを外す傾向がある。フルHD30pではデュアルピクセルAFに対応しAF性能が改善する。この動画はスマートフォンよりも低スペックで、専用カメラに相応しくない性能に感じる。
  • AFは優れた瞳検出を搭載しており、カジュアルなポートレート撮影や家族の写真には効果的だ。しかし、動物や乗り物などの被写体検出機能はない。
  • 液晶モニタは100万ドットの固定式で、タッチパネル機能はない。

  • R100を使っているとカメラの技術が数歩後戻りしたように感じた。少しシンプルすぎるのかもしれない。専用カメラで479ドルという価格は非常に魅力的だが、もっと良いカメラのためにもう少しお金を出せばと思わずにはいらない。予算が絶対に500ドル以下なのでなければ、多くの人にこのカメラを勧めたいとは思わない。そのようなケースでは私はスマートフォンにこだわるだろう。
  • 同じような価格帯の競合機では、タッチパネルを搭載しレンズの選択肢も(RF-Sよりは)多いEOS M50 II(Kiss M2)は非常に理にかなった選択肢だ。α6100はEVFの性能はR100より悪いが、まともな動画機能と素晴らしいAF、タッチパネルを備えている。レンズも豊富だ。EOS R50はより高価だが、R100よりも操作性やAF、動画機能に優れ、遥かに洗練されており、高くても買う価値がある。
  • このカメラを買うべきだろうか? ノーだ。スマートフォンユーザーにアピールする手段としては不十分だ。初心者向けのカメラとしてもシンプルすぎる。

 

EOS R100は「購入すべきでない」という厳しい結論になっていますが、確かに初心者がスマートフォンからのアップグレードでこのカメラを選ぶと、タッチパネル非搭載や、モニタ固定式で自撮りができないこと、動画のAFが弱いこと、USB充電ができないことなど、いろいろ不満に感じるかもしれませんね。

一方で、ある程度写真の経験のある人がそのあたりの仕様を納得した上で、とにかく安価なカメラが欲しいという場合にはR100は良い選択肢になるかもしれません。