キヤノンはサードパーティー製レンズの許諾はレンズごとに判断する

PetaPixelに、キヤノンのサードパーティー製RFマウントレンズのライセンス方針に関する記事が掲載されています。

Canon Says it is Evaluating Third-Party Optics on a Lens-by-Lens Basis

  • キヤノンはサードパーティー製レンズはレンズごとに個別に対応すると述べている。中国キヤノンの幹部が、RFマウントのサードパーティーへの開放について現地のジャーナリストから質問され、ケースバイケースで対応を検討していることを認めた。

    Weiboで公開されたインタビュー記事で、キヤノンは将来の計画について多くの質問をされ、ほとんどの質問に対しては直接的な回答をあまりしなかったが、非開示のRFマウントに関する質問には少し意外な回答をしている。

    キヤノンは記者団に対し、キヤノンは限定的にサードパーティーにRFマウントを開放していると述べた。これはAF非搭載のコシナのRFマウントレンズのことを指しているのだろう。RFマウント開放の問題はAF対応レンズにあるのは明らかだ。キヤノンは、今日までどのメーカーにもAFのRFレンズの製造を許可していない。

    更にキヤノンの幹部は、サードパーティーのレンズメーカーと話し合いをしており、すべてのレンズをケースバイケースで評価していると述べている。

    「現在、サードパーティのレンズメーカーからマウント開放の要望があれば、事業計画や戦略に基づいてライセンス供与するかどうかを検討する。実際に、我々は現在、いくつかのサードパーティーのレンズメーカーと連絡を取り合っている」とキヤノンの幹部は語っている。

    これは、キヤノンがRFマウント用のレンズの製造を企業に許可するのではなく、レンズごとに個別に承認する必要があり、そのレンズがキヤノン製レンズと直接競合するかどうかを確認する必要があると解釈できる。レンズの許諾の基準については詳細は述べられていない。

    また、キヤノンの幹部はキヤノンがレンズラインナップを完成させるまではサードパーティーの参入を拒んでいるという説を否定し、サードパーティーにRFマウントを許可するかどうかと自社の製品ラインナップの完成は別の問題だと述べている。

    この話の最大のポイントは、キヤノンが少なくとも、サードパーティーのRFマウントレンズ参入のプロセスを大幅に遅らせているということだ。もし、タムロンやシグマがRFマウントで発売したいレンズについてキヤノンに交渉を申し込んでいると仮定すると、現時点ではそれらは全てキヤノンに拒否されているように見える。

 

コシナからは既に電子接点付きのRFマウントレンズの開発が発表されているので、この動きがシグマやタムロンにも広がってほしいところですが、キヤノンがレンズごとに発売の可否を審査しているとなると、将来、サードパーティー製AFレンズが登場したとしても、RFマウント版のラインナップはかなり限られたものになるかもしれませんね。