DigitalCameraWorldに、キヤノンの新しい超広角ズーム「RF10-20mm F4 L IS STM」の初期レビューが掲載されています。
・Hands on: Canon RF 10-20mm f/4L IS STM review
- このレンズは一眼レフ用のEF11-24mm F4L USMのミラーレス版の後継製品だが、単なるアップデートではなく、RFマウントのショートバックフォーカスを最大限に活用した、非魚眼の(フルサイズ用の)AFレンズでは初の10mmスタートのレンズとなっている。
- RF10-20mm F4LはEF11-24mm F4Lと比較すると、RF10-20mm F4Lはかなりコンパクトで持ち運びしやすい。鏡筒はシンプルな円筒形なので、無骨な形状のEF11-24mm F4Lと比べるとバッグに収納しやすい。
- EF11-24mm F4Lと比べると望遠端が20mmまでしかないが、広角端が1mm短くなっている。この種のレンズを購入する人の多くは24-70mm F2.8Lや24-105mm F4Lのような標準ズームを持っているので、これは歓迎すべきトレードオフだろう。
- AFはキヤノン初のSTMポジショニングセンサーが採用されており、電源を切ってもSTMがリセットされず、高速な起動を実現している。
- EF11-24mm F4Lとの最大の違いはRF10-20mm F4Lの軽量コンパクトなデザインだ。重さはわずか570gと610g軽くなっており、これは50%以上の軽量化だ。また専有面積も35%小さくなっており、これは驚くべき小型化だ。広角ズームは扱いにくい形状で多くのスペースを占めることが多いので、これは歓迎すべき改良だ。
- EF11-24mm F4Lはフロントヘビーだったが、RF10-20mm F4Lはスリムでバランスが良くなっており、ジンバルに適しているので、動画では遥かに優れた選択肢だ。
- STMによるAFは、テストでは非常に静かでかつキビキビと動作することが分かった。作動音をマイクで拾うこともない。これは動画用に恩恵があるはずだ。STMは素早く滑らかで静かで、スチルと動画のどちらにも理想的で感銘を受けた。
- 鏡筒にあるリングは全て滑らかに動き、スイッチも操作時にカチッと音がする。
- 背面のゼラチンフィルターホルダーは歓迎される追加機能だが、基本的な機能のものなので、NDやカラーフィルター用には便利だが、これでグラデーションや可変ND、偏向フィルターなどの使用するのは大変だろう。
- サンプル画像で気になったのは、10mmで撮影した場合に(未補正の)RAWで四隅に強い周辺光量落ちが発生することだが、これはJPEGでは修正される。各現像ソフトのレンズプロファイルは用意されるだろうが、これを補正するために動画でもレンズプロファイルを適用する必要があるのだろうかという疑問も生じる。
- 手ブレ補正は、EOS R5との組み合わせで0.6秒のシャッタースピードで手持ち撮影したが、驚くほどシャープだった。画面四隅のゼリーのような揺れを回避する「周辺協調制御」は製品版でもっと時間を掛けて検証したいと思う。
- サンプル画像でRF11-24mm F4Lの11mmと比較すると、1mmしか違わないがRF10-20mm F4Lの10mmはかなり広い範囲が写っている。
- テストしたレンズはベータ版なので、解像力や画質に関しては最終的な評価をすることはできないが、10mm F8では画面全域の解像力はEF11-24mm F4Lよりもより優れているとは言えないまでも同程度のレベルで、隅のシャープさではわずかにRFが優っている。
- 10mm F4ではRF10-20mm F4Lの全域にわたるシャープさに感銘を受けた。EF11-24mm F4Lよりも広角端が1mm短く、よりコンパクトにもかかわらず、RF10-20mm F4Lは中央と隅で顕著にシャープだった。
- ワイド端ではかなりの周辺光量落ちが見られたが、この部分は歪曲を自動補正する際に切り取られるので無視できる。実写テストでは、このレンズはEF11-24mm F4Lと比べて全域で著しくシャープであることが示されたが、製品版を入手し次第ラボテストの結果を掲載する予定だ。RF10-20mm F4L IS STMはあらゆる点でRF11-24mm F4Lから改善されており、価格もそれほど衝撃的なものではない。もし、EF11-24mm F4Lを検討していたのなら、RF10-20mm F4Lは迷うことのない選択肢だろう。
- RF10-20mm F4LはRFマウントの利点を活かした超広角ズームの限界を押し広げる最先端のレンズだ。EF11-24mm F4Lと比べると、RF10-20mm F4Lはより軽量で持ち運びしやすく、より安価で、手ブレ補正やコントロールリング、カスタムボタン、STMなどの有用な追加機能があり、文句のつけようがない!
- 良い点:非常に軽量でコンパクト、ジンバルや動画用に完璧なバランス、コントロールリングとカスタムボタン、5段分のIS(協調で6段分)、非魚眼でスーパーワイドな画角。
- 悪い点:価格が高い(しかしEF11-24mm F4Lよりは安価)、10mmのRAWでの周辺光量落ち、距離目盛りが内、フィルターを使うのが難しい。
初期レビューなのでまだラボテストは行われていませんが、実写テストの印象はかなりよかったようですね。RF10-20mm F4Lは、EF11-24mm F4Lから大幅に小型軽量化されているにもかかわらず、特に開放付近では顕著に画質が改善されているようで、ショートバックフォーカスが威力を発揮しているようです。
また、Lレンズで初採用となるSTMは並単のような作動音はなく、ポジショニングセンサーの採用と相まって使い勝手はかなりよさそうですね。
いと
EF11-24mm F4Lを下取りに出すか、今後のレビュー次第といった所
暗めの室内から外景にかけて、窓枠周辺がどの程度逆光に耐えてくれるのか興味があります
埃除去、クリーニング期間のサブ用にEF11-24mm F4Lは手元に置いておければ良いのですが、RFシステムへの切り替えにより3〜4年での回収がそろそろ不可能になってしまい、この後にR1,シフトレンズ群も待ち構えている、、、悩ましいです
早々に金額が知りたいです
Nak
長焦点側が24mmから20mmになりましたので、「あらゆる点で改善」は言い過ぎかと思いましたが、確かに24mmという焦点距離はほとんどの標準ズームレンズがカバーしますし、あえて20mmにしたことで小型軽量化が実現したと思えば、これで良かったのでしょうね。
わだ
EF11-24mm F4Lは買ったは良いけど大きく重いので、電車や飛行機を使った旅行だけでなく自宅からクルマで出掛ける旅行でも面倒だなという気持ちが先行して持ち出そうという気持ちになれなかった。ピーチなどLCCでは簡単に機内手荷物の重量制限に引っかかってしまうし(手荷物は7kgまで)。
小型軽量(そしてローコスト)はとても良いと思うし、持ち出そうという気持ちになると思う。