ニコン「Z f」は造形の巧みさやメカとしての密度感などは「Df」に及ばない

マイナビニュースに、ニコン「Df」ユーザーから見た「Z f」のインプレが掲載されています。

ニコン「Z f」ついに発売、「Df」ユーザーが手にして感じた"○と×"

  • Z fはペンタカバーのシェイプやダイヤルの造形などよくできており、この部分だけを見るとまさにFM2と述べてよいほど。Dfと同様にシャッターボタン外周のリングを電源ボタンとしたところや、アイピースのラバーが円形なのも、往年のニコンファンの琴線に大いに触れるところだ。
  • 一方、カメラ全体のシェイプについては、個人的には少々微妙に感じる部分もあった。特に気になったのは、ペンタカバーとカメラ本体部分のバランスだ。Dfのペンタカバーはボディに対してそれなりのボリューム感を持つものだったが、Z fのペンタカバーはちょっと小ぢんまりとしたものとなっているため、ボディ本体がひときわ大きく見えてしまい、見る角度によってはデザイン的なバランスがやや崩れているように感じてしまう。造形の巧みさやメカとしての密度感などは、残念ながらDfに及ばないように思えてならない。
  • 外装のシェイプでもうひとつ気になったのが、バリアングル液晶モニターのヒンジ。いうまでもなくボディから出っ張っており、正直見た目がよろしくない。Z fには動画機能が搭載されているため、バリアングル液晶モニターの搭載がよかろうとするニコンの配慮だと思うが、そこは割り切ってチルト式の液晶モニターで収めておけばよかったのにと思わずにはいられない。
  • そして3つ目の苦言としてもう少し頑張ってほしかったのが、カメラ前面部にあるサブコマンドダイヤル。その位置はカメラ右側面に寄りすぎていて、操作の際は指がちょっと窮屈になる。重要な操作部材であるだけに、もう少しなんとかならなかったものかと考えてしまう。
  • 「おーっ!」と思わず感嘆の声をあげてしまったのがシャッター音。適度な音量で、キレもよく、しかも落ち着いた印象でカメラの雰囲気に似合っているように思える。シャッターの振動が良く抑えられているのも注目点。
  • 露出補正ダイヤルも右手親指のみで操作しようと思うと、やはりちょっと操作しずらく感じる。ただ、カメラ背面側から見て左側のトップカバーに露出補正ダイヤルのあったDfにくらべれば、それでも飛躍的に使いやすくなったと言える。
  • Z f は"ミラーレスDf"を待っていた人の多くに強く訴求できるカメラだと思う。また、往年のフィルム一眼レフが好きな人にも響くミラーレスと確信できる。つくりの甘さがいくつか見受けられものの、それを補うくらい撮って楽しいカメラといえる。

nikon_Zf_Df_mnv_001.jpg

「Z f」は非常に上手くFMのデザインを再現していて質感も高く、レトロ調カメラとしては完成度の高いデザインと感じますが、「Df」ユーザーから見ると結構ダメ出しポイントがあるようですね。操作部もいくつか使いにくい点が指摘されていますが、「Z f」はフィルムカメラに似せたデザインを採用しているカメラとしては、デザインと実用性のバランスを上手く取っているという印象です。