ニコン「Z f」の手ブレ補正はZシリーズで最高の性能で感銘を受けた

photographylifeに、ニコン「Z f」のフィールドレビューが掲載されています。

Nikon Zf Field Review

  • Zfのデザイン実に美しく、真鍮製のダイヤルは手触りが良い。
  • Zfcと比較すると、Zfは前面の小さなグリップと大きめのボディが指の支えになるため、手に持ったときの感触は遥かに良い。極めて快適とはいかないが、持ちやすくなっている。Zfは大きな望遠レンズでの撮影も違和感なく行える。
  • Zfの寒冷や雨天、高湿度の環境下でも問題なく機能する能力にはとても感銘を受けた。テストしたJeseníkyの環境では適切なシーリングが施されていなければカメラは動かなくなっていただろう。Zfには(厳しい環境下での)問題はなかった。
  • Zfのバッテリーは寒い環境下のテストではZ8よりも長持ちするが、Z9ほどは持たなかった。
  • バリアングルモニタは、自撮りや変わった角度でカメラを構えたりする場合は、Z8/Z9のモニタよりも適している。バリアングルの欠点は時間の経過とともに壊れやすくなる可能性があることだ。また、サードパーティー製のL字型ブラケットの設計も困難になる。個人的にはZ8/Z9のモニタの方が好みだ。

  • IBISにはフォーカスポイントを優先する機能が搭載され、Z24-120mm f/4Sの24mmだけでなく、より長い焦点距離でもシャッター速度2秒で許容範囲内のシャープな写真を撮ることができた。これは素晴らしい結果だ。被写体を画面の中央に配置しても端に配置していも同様に良好な結果が得られた。Zfの手ブレ補正はZシリーズで間違いなく最高のもので、Z9の手ブレ補正では同じような結果は得られなかった。
  • ピクセルシフト機能はディテールに明確な改善が見られるが、手持ちでは使用できず、また被写体が少しでも動いていると酷い画像になるので、風景の撮影はかなり制限される。実際の風景では草や木の葉、枝は常に動いているからだ。また、大気のゆらぎでも問題が発生する。ピクセルシフトは期待していたほど使いやすくはなく、アップデートに期待したい。
  • Zfの低照度AFは、カタログスペックではZ8を1EV、Z9を1.5EV上回っているが、正直なところ大きな違いは感じられなかった。しかし、Zfの低照度性能には全く不満はない。
  • 顔認識は世界最小の顔を検出できるとニコンは主張しており、実際にカメラの顔の検出能力は実に優れていることが確認できた。鳥の瞳認識はZ8とほぼ同じ性能だ。ZfのAFはスポーツや野生動物の撮影に100%使用できる。ZfのAFは価格の割りに非常に優れている。

  • Zfは決してレトロの皮を被ったZ6IIではない。Zfはレトロな操作系に加えて、非常に興味深い機能も多数採用されており、このうちのいくつかはニコンのカメラで初採用されたものだ。
  • 最も感銘を受けたのはZfの手ブレ補正の性能で、フォーカスポイントとIBISの組み合わせることは素晴らしいアイディアで、これは非常に上手く機能する。AFも満足いくもので、性能面で若干の進化を遂げている。Zfにはとてもポジティブな印象を受けた。

 

Zfは噂が流れ始めた時期には「Z5かZ6IIベースで外観を変更した機種」と予想されていましたが、実際は中身もZ6IIから大きく進化していて、デザインだけでなく性能・機能でもかなり訴求力の高い機種になっているという印象です。手ブレ補正に関しては、大型ボディのZ9をしのぐ性能を実現しているのはすごいですね。このZfの出来がいいので、更に進化すると思われるZ6IIIも大いに期待できそうです。