2023年のキヤノンはカメラはワクワクしなかったがレンズは素晴らしい仕事をした

PetaPixelにキヤノンが2023年に発表した新製品のまとめと評価が掲載されています。

Canon in 2023: A Mixed Bag for the EOS R System

  • キヤノンは2023年2月にEOS R8を発表し、続いてEOS R50を発表した。どちらもハイアマやプロを念頭に置いたカメラではないが、R8は多くのアマチュアカメラマンにとって素晴らしい選択肢だ。
  • 5月には安価なEOS R100が発表されたが、残念ながらこのカメラは的を外した製品だった。5月にはPowerShot V10も発表された。これはキヤノンのVlog分野開拓の初の試みだが、残念ながらスタイリッシュなデザインとは裏腹に、拙いカメラだ。
  • 2023年のキヤノンのカメラは、ハイアマやプロのユーザーをワクワクさせるようなものは何もなかった。キヤノンはEOS Mシステムを終了させたが、写真家はEOS Rシステムにはもう少し多くのものを求めている。2024年には長きに渡って噂されていたEOS R1がついに登場するのだろうか? そうだとしたらグローバルシャッターが採用されるのだろうか?

  • 2023年はボディはプロにはワクワクするようなものではなかったが、レンズは興味深いものが登場した。
  • 2月にはEOS R8のキットレンズRF24-50mm F4.5-6.3 IS STMとEOS R50のキットレンズRF-S55-210F5-7.1 IS STMが発表された。いずれも手頃な価格のきちんとしたレンズだ。
  • 4月に発表されたRF100-300mm F2.8 L IS USMはプロ用のレンズで、価格もそれに見合ったものだ。その次は手頃な価格のレンズに戻ってRF28mm F2.8が登場した。このレンズは299ドルで、小型で優れたレンズだ。
  • 沈黙の夏の後で10月にRF10-20mm F4 L IS STMが登場した。このレンズは画期的な光学系が採用された素晴らしいレンズだ。
  • キヤノンの2023年のレンズは以上だ。キヤノンはRF-S10-18mmF4.5-6.3 IS STM、RF24-105mm F2.8 L IS USM Z、RF200-800mm F6.3-9 IS USMも発表したが、これらのレンズは2024年初めにキヤノンユーザーに提供されるため(※これらの3本のレンズは日本国内では12月8日に発売済みですが、PetaPixelの地域では未発売のようです)、α9 IIIと同様に評価の対象外だが、RF24-105mm F2.8はポートレートやドキュメンタリー、フォトジャーナリズムの写真家や動画作家に大ヒットすること間違いなしだろう。

  • キヤノンの2023年の評価:カメラではAPS-C機のEOS R50とR100はよく言って問題のないカメラだ。一方、フルサイズのEOS R8はエキサイティングなカメラで、現在1299ドルで販売されているこのカメラはフルサイズとしては最軽量で、素晴らしい性能を実現している。新しい主力カメラ群はエキサイティングで派手だが、大部分の写真家はカメラに4000ドル以上も払わない。EOS Rシステムには手頃な価格のカメラが望まれていた。キヤノンの今年のカメラはCプラスの評価を獲得した。R8は素敵なカメラだが、R100は(R8の素敵さと)同じくらい残念なカメラだ。
  • 近日中に登場予定の3本のズームを除いても、キヤノンはレンズではいくつかのホームランを放っている。RF24-50mm F4.5-6.3やRF28mm F2.8などの驚くほど優れた低価格のレンズも登場した。RF100-300mm F2.8L IS USMとRF10-20mm F4 L IS STMは非常に高価だが、優れたレンズで、ズーム域と光学設計の点で新境地を開拓している。キヤノンのレンズはAマイナスの立派な評価に値する。キヤノンはレンズで興味深いを試みをしていて、私はそれを気に入っている。
  • 全体としてキヤノンの2023年は玉石混交だった。キヤノンユーザーはα7R Vと互角に戦えるEOS R5後継機と、α1とZ9に対する回答となるEOS R1を待ち望んでいる。しかし、レンズに関しては今年のキヤノンは素晴らしい仕事をした。キヤノンには大いに期待をしているが、2023年のキヤノンの評価はBマイナスだ。

 

キヤノンのカメラの新製品はエントリーモデル中心だったこともあり、ワクワクするようなものではなかったと述べられており、Cプラスというやや厳しい評価になっています。とは言え、来年はEOS R5 Mark IIとEOS R1の登場が予想されているので、大いに期待できそうですね。

レンズに関しては低価格なレンズ、高価なレンズともに非常に高い評価を得ており、日本では12月に発売されたRF24-105mm F2.8LやRF200-800mm F6.3-9、RF-S10-18mm F4.5-6.3 ISの3本を除いてもAマイナスという評価になっています。今年のキヤノンの新レンズはかなり豊作でしたね。あとは、廉価なレンズ群と高価なLレンズ群の中間グレードの充実を期待したいところです。