OMDS「コンピューテーショナルフォトは優先事項で我々にとって非常に重要」

phototrendに、CP+2024で行われたOMDS(OM SYSTEM)の商品企画・ブランド戦略担当者のインタビューが掲載されています。

Interview OM System CP+ 2024

  • (OM SYTEMの財務状況は?)
    当社の売上高と営業利益は期待通りだ。

  • (ED150-600mm F5-6.3 ISはシグマと類似している。また、このレンズはOM SYTEMの小型軽量の理念から少し外れていないか?)
    他のブランドとのパートナーシップに関する情報は提供できない。小型軽量化に関する当社の哲学の観点から言えば、フルサイズの1200mm F8のレンズは通常3kgを超えるが、当社のレンズはより明るいF6.3で2kgの重さを実現している。焦点距離を考えると非常に小型軽量になっている。

  • (超望遠レンズの開発で何を優先しているのか? ロードマップの望遠レンズで何が期待できるのか?)
    野生動物や自然を撮る写真家にはいくつかのカテゴリがあり、カテゴリごとに必要な目標を定めている。レンズの開発順序は、設計に要する期間やカメラの発売スケジュールなどを総合的に考慮して決定している。ロードマップに掲載されていた2つの望遠レンズのうちの1つは新しい150-600mmで、他の望遠レンズも開発しているが現時点では詳細は言えない。

  • (OM-1 II の進化について。また、OM-1にアップデートでOM-1 II の新機能は追加されるのか?)
    OM-1 II はメモリ容量の増加により、コンピュテーショナルフォトに関する様々な機能の追加が可能になった。2月21日にアナウンスした通り、OM-1のAF性能や操作性を向上させるファームウェアを今秋にリリースする予定だ。

  • (OM-1ユーザーからアップデートの内容に関して不満の声はあったか?)
    大半のユーザーは「OM-1のパフォーマンスを向上するファームウェアを提供したい」という我々の願いを理解してくれたようだ。しかし、一部のユーザーからはGNDフィルターやその他の新機能など、OM-1 Mark II の新機能を求める声もある。

  • (有償のファームウェアアップデートを提供することは検討しているか?)
    技術的には可能だが、市場の観点から見て、どれだけの人がファームウェアアップデートを購入したいと思うだろうか? 個人的には新機能の追加のために、将来的にこのような手法を検討する可能性はあると思う。

  • (OM SYSTEMが野生動物やネイチャーに力を入れている理由は?)
    当社の製品のコンパクトさと軽さが最も評価されるのは、風景やネイチャー、野鳥を撮影する写真家だと思う。厳しい条件下でも手ブレ補正のおかげで、手持ちで撮影できるのは非常に重要なポイントだ。

  • (現在、OM SYTEMには2000万画素を超えるカメラはないが技術的な限界なのか、意図的なものなのか?)
    まず、我々は画質はセンサーの解像度に限ったものではないと考えている。我々の優先事項は、ミスショットの数を減らしその品質を向上させることだ。だからと言って、我々は高画素化の努力を止めたわけではなく、高解像度の写真が無意味であるということではない。

  • (画像処理のソフトウェアは自社開発なのか?)
    一部は自社で開発しているが、コンピュテーショナルフォトに関する一部の機能は他社と共同で開発している。

  • (コンピュテーショナルフォトに対するビジョンは?)
    コンピュテーショナルフォトは我々の優先事項で、その目的な撮影のアシスタントとして、初心者から上級者までがより高い撮影の成功率を達成できるようサポートすることだ。コンピュテーショナルフォトは写真家の想像を超えた芸術作品を作成する能力を具現化しており、当社にとってとても重要な役割を果たしている。

 

OMDSは超望遠撮影とコンピュテーショナルフォトを軸にして、システムを構築していく計画のようですね。特にコンピュテーショナルフォトには相当力を入れているという印象です。

OM-1のアップデートに関しては、グラデーションND等のMark IIの機能の追加を求める声もあるということですが、Mark IIで増設したメモリに依存している機能はファームウェアだけでは無理なので、そこは諦めた方がよさそうです。OM-1のAFの改善については、できればMark IIとの差別化をあまり意識しすぎずに盛り込んで欲しいところですね。