富士フイルム「INSTAX mini 99」はカメラへの冒涜か、それとも革命か?

BCN+Rに、富士フイルムの事業部長のコメントを含む富士フイルム「INSTAX mini 99」の紹介記事が掲載されています。

これはカメラへの冒涜か? カメラ革命の第一歩か?──富士フイルムが「やらかした」事とは?

  • 富士フイルムがついに「やらかした」。3月27日に発表した完全アナログのインスタントカメラ、INSTAX mini 99だ。なんと、カメラ「内部」の四隅にフィルムに向けてLEDを仕込み、シャッターを押すと同時にさまざまな色で光らせ、写真に「エフェクト」をかける、というのだ。従来なら、カメラ内部に光源を仕込んで、写真の仕上がりをどうにかしようという発想は絶対にありえなかった。いかに余計な光を遮断して暗黒な状態を維持し、レンズからの光だけをセンサーやフィルムに届けるかが、カメラ内部の「仕事」だからだ。

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  • さらにびっくりするのが、ライトリークというモードの存在。フィルムを入れた状態で、うっかりカメラの裏ブタを開けてしまうと、それまで撮った写真に意図せぬ光が入り、変な失敗写真が出来上がる。ライトリークモードはそれを再現したものだ。カメラの常識、あるべき姿がガラガラと崩れた瞬間でもある。
  • 富士フイルムといえば、INSTAX mini EVOが売れに売れている。エフェクトが生み出す写真の楽しさが負うところも大きい。INSTAX mini 99は、この多彩なエフェクトをアナログカメラでアナログに実現しようとした挑戦ともいえるだろう。

  • カメラの中でLEDを光らせるなんて禁じ手じゃないのか、という質問に対し、富士フイルムの取締役・専務執行役員 イメージングソリューション事業部の山元正人 事業部長は「別に『こんなことをしてはいけない』という禁じ手があるわけではない。我々は既成概念にとらわれすぎているところがある。デジタルで何でもできるという世界に対して、この一枚しか撮れないというアンチテーゼ。そのためにはLEDを光らせる手もある、ということを示した。どうすればもっと写真を楽しめるかを考え、いろいろな手を講じているなかの一つ」と話す。この発想は、行き詰まり感激しいデジカメにもきっと使えるだろう。
  • 「スマホで写真」が当たり前の今、カメラは存在意義を失いつつある。スマホがあるのに、なぜあえてカメラを買い、使うのか。人々は「単に写真が撮れる機械ではない何か」をカメラに求めている。一旦過去を捨て、素直に写真を楽しむことだけを突き詰めていけば、新しいカメラへの突破口が見つかるかもしれない。富士フイルムの大胆すぎる発想の転換に、小さな希望の光が見えた。

 

カメラ内部にLEDを配置してフィルムを意図的にかぶらせるのはとても面白い発想ですね。今は普通の綺麗な写真はスマホで簡単に撮影できるため、単体カメラにはプラスアルファが求められるので、このような新しい発想を盛り込んでいくのはカメラ業界には大事なことかもしれませんね。デジカメにも何らかのこれまでにない新しい発想から生まれた機能を期待したいところです。