カメラを作りすぎて値段を下げるのはかなりもったいない(富士フイルムCEO)

富士フイルムが2024年3月期 通期の決算を発表しており、質疑応答でカメラの販売戦略や在庫状況に関してコメントしてます。

決算説明会

  • イメージングの業績概要:
    INSTAX やデジタルカメラの販売が好調に推移し、売上⾼は前年⽐ 14.5%増の 4,697 億円、営業利益は前年⽐ 39.9%増の 1,019 億円と⼤幅な増収・増益を達成した。

    コンシューマーイメージングは、INSTAX の販売好調などにより売上が増加した。従来の製品ラインナップに加え、INSTAX mini Evo や 2023 年 10 ⽉に発売した⼿のひらサイズカメラINSTAX Pal を中⼼に、付加価値の⾼い製品が好調に推移した。

    プロフェッショナルイメージングは、前年度に発売した X-H2、X−H2S、X−T5 に加え、2023 年
    6 ⽉に発売した X−S20、同年 9 ⽉に発売した GFX100Ⅱの販売も好調に推移し、増収となりまし
    た。

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  • 質疑応答:
    島本 [Q]:もう 1 問イメージングについて、1〜3 ⽉は好調にいっていると思いますけれども、キヤノンさんとかは少し在庫調整の話で、業績厳しい決算になったところがありまして、御社のカメラの事業、チェキも含めて、デジカメとチェキそれぞれ在庫調整とマーケットに変化が今年度ないのか。それなりに強い計画にはなっていると思うので、この辺り今の状況について教えていただけますでしょうか。

    後藤 [A]:おかげさまで 2023 年度イメージング事業としましては、売上が 4,000 億円台の後半、利益率が 21%ちょっとで、⼤変良い成績を収めることができました。バックオーダーも抱えながら、4Q も良い成績を上げることができて、通年でこれだけの成績を上げることができました。

    ポイントはブランド⼒をどれだけ作って、それをどう維持するかが最⼤のポイントです。ですから作りすぎちゃって、値段を下げるとか、それはかなりもったいないことというか、富⼠フイルムがずっとやろうとしてきたところはやっと今それが叶うようになってきた。

    ブランド⼒をどうやって構築するか、そしてお客様が持っているその購⼊されたプロパティの価値を下げないところに集中しながら、イメージング全体、チェキもそうですけど、それを引っ張っていきたいと考えております。

    例え話で⾔えば、社内で僕が⾔っているのは、ドイツの有名なメーカーライカっていうのは、いまだに古いカメラも、今売っているカメラも、かなり⾼い価値を維持しているところが⽬標とするところです。これまでの富⼠フイルムのカメラの売り⽅を、根本的に変えていくところが、ミラーレスカメラのわれわれが⽬指すところでございます。

    島本 [Q]:分かりました。⼀点確認で、在庫の状況等は平常な状況だという、そういう理解でいいですか。

    後藤 [A]:はい。

 

決算の質疑応答によると、富士フイルムは現在のカメラの在庫状況を「平常な状況」であると認識しているということなので、現在の状況を問題があるとは思ってないようですね。「作りすぎて、値段を下げるのはかなりもったいない」「ブランド力を高めてライカのような高価格を維持するのが目標」と述べているので、その目標のために意図的に製品の供給を絞っているのでしょうか。