タムロン「50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」は他の70-300mmクラスのズームよりも遥かに優れた性能の革新的な製品

SonyAlphaBlogに、タムロンの新しい望遠ズーム「50-300mm F4.5-6.3 Di III VC VXD」のレビューが掲載されています。

Tamron 50-300mm F4.5-6.3 Di III VC VXD

  • 造りのクオリティはタムロンの他の最新レンズと同等で、非常に優れている。このレンズは望遠ズームとしてはかなり軽量でコンパクトだ。
  • ズームの回転角が少し大きいので1回の動きで全範囲をズーミングすることはできない。
  • AFは静止した被写体では非常に良好(85%)で、動体でも良好(70%)だった。ポートレートでは15%のわずかなフォーカスミスが発生し、解像力が「素晴らしい」から「良い」に低下した。自転車等の連写撮影では、AFはズームと同時に被写体が近付いてきた場合を除けば、問題はなかった。AFは良好だが素晴らしい性能ではない。
  • 解像力は50mmから200mmまでは開放から素晴らしく、1段絞れば際立った解像力になる。300mmでは開放ではとても良好な解像力にしかならないが、F8まで絞れば素晴らしい解像力になる。隅は50mmを除けば中央よりも若干後れを取っている。このレンズの解像力は優れた結果だ。

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  • ポートレートは素晴らしいシャープネスで、肌の描写とコントラストもとても優れている。
  • 遠景は「非常に良好」から「素晴らしい」シャープネスだが、近距離の被写体よりも劣る結果だ。
  • 歪曲はズーム両端では中程度だが、135mmの中間部ではかなり強くなる。
  • 周辺光量落ちは広角側の開放ではかなり目立ち、解消するには2段絞る必要がある。
  • 色収差は非常に少ないが、50~100mmの間では見られる。
  • 逆光耐性は比較的良好だ。
  • F16まで絞ると美しい光芒が得られる。

  • 玉ボケは円形が維持されており内部に模様がなく縁に色も付かない。後ボケは135-300mmの間では比較的柔らかくとても良好だが、50mmでは少しうるさくなる。
  • 色再現は非常に優れている。
  • 動画のAFは非常に優れており、フォーカスブリージングは非常に小さい。マイナス面はズームリングの回転角が大きく、50mmから300mmまで一気にズームできないことだ。VCが搭載されていても300mmの動画撮影では一脚を使ったほうがいい。

  • 他のレンズ(タムロン50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD、タムロン70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD、ソニーFE70-300mm F4.5-5.6 G OSS)との解像力の比較ではタムロン50-300mmが明らかに最もシャープで、4つ星の評価に近いが、隅の性能が(4つ星の評価には)少し足りない。

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  • 色収差はどのレンズも少ないが、タムロン50-300mm最も少ない。
  • 逆光耐性はタムロン50-300mmが他のレンズよりも少し優れている。
  • タムロン50-400mmは(50-300mmと比べて)かなり大きく重い。タムロン70-300mmはシャープさ、AF、エルゴノミクスの点でタムロン50-300mmに大きく劣っている。ソニーFE70-300mmは軽量だが光学性能で50-300mmに劣っている。

  • 結論:このレンズは驚くべき革新的な製品で、他の70-300mmよりも遥かに優れている。開放から解像力は優れており、ボケもとても良好で、色収差は非常に少なく、逆光耐性にも優れている。唯一改善して欲しい点はAFで、AF性能は良好ではあるが、15%程度でわずかなピントのズレが見られる。400mmの望遠域や100%の精度のAFを必要としない限り、タムロン50-300mmは望遠ズームで最良の選択肢の1つだ。

 

タムロンの50-300mm F4.5-6.3は、広角側を50mmに広げて光学設計の難易度が上がっているにもかかわらず、他の70-300mmクラスのズームを超える光学性能で、画質に関しては申し分のない出来と言ってよさそうです。

ただ、AFは静止している被写体でも15%(動体で30%)程度が若干ピン甘になり、「良好だが素晴らしい性能ではない」と評価されているので、画質やワイド側の利便性よりもAF性能を優先したい場合には純正を検討した方がいいかもしれませんね。