タムロン「28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD」はあまり勧められないレンズ

SonyAlphaBlogに、タムロンの高倍率ズーム「28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD」のレビューが掲載されています。

Tamron 28-300 F4-7.1 Di III VXD VC

  • このクラスのズームとしては小型軽量で、造りの品質は良好だ。
  • AFは速く静止した被写体には適しているが、被写体が動いていたり、AF中にズームしたりすると、しばしばピントが合わなくなる。
  • 解像力は中央は全体的に良好で隅は平均的だ。100mmが最も解像力が高くなる焦点距離で、全体的に平均を下回るパフォーマンスだ。

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  • 遠景では、中央は1段絞ると良好から非常に良好なシャープさになる。
  • ポートレートでは開放からちょうど良いシャープさで、肌の描写も良好だ。
  • 周辺光量落ちは開放では目立つ。
  • 歪曲もとても目立つ。
  • 色収差も見られる。
  • 逆光時のフレア耐性は並みで、若干のゴーストが見られる。
  • F16まで絞ると光芒が現れる。
  • ボケは玉ボケは開放では良好だが年輪ボケがいくらか見られる。9枚羽根の絞りのおかげでF5.6でも円形が維持されているが、周辺では楕円形になる。背景のボケは柔らかくてとても素晴らしい。
  • 発色とコントラストは良好だ。
  • 動画ではAFは問題なく、フォーカスブリージングも少ない。

  • 他のレンズ(ソニーFE24-240mm F3.5-6.3、タムロン28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD)との解像力の比較では、タムロン28-200mmが断然優れており、ソニーFE24-240mm F3.5-6.3が最も劣っている。

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  • ボケは28-200mm F2.8-5.6 Di III RXDがベストで、FE24-240mm F3.5-6.3が最も良くない。玉ボケは28-200mm F2.8-5.6はいくらか年輪ボケが見られ、28-300mmがおそらくベストだ。
  • 色収差はタムロン28-200mmは非常に少なく、28-300mmは少ない。ソニーFE24-240mmが最も大きい。
  • 歪曲はタムロン28-200mmと28-300mmは中程度の値で、ソニーは「中」から「高」の値だ。
  • 逆光耐性タムロン28-200mmは良好で、ソニー24-240mmは平均的、タムロン28-300mmは平均を下回る。
  • AFはタムロン28-200mmが最も優れている。
  • 比較の結論:タムロン28-200mm F2.8-5.6が解像力、AF、価格の店で断然優れたパフォーマンスで他の2機種を選ぶ理由がない。

  • まとめ:28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXDは初心者向けのオールインワンレンズで2400~3300万画素のカメラで静止した被写体に使用するのに適している。望遠端ではボケや色は優れているが、優れた解像力や大伸ばしプリント用途では期待しない方がよい。中程度のサイズのプリントやSNS用なら十分に使えるだろう。個人的には28-200mm F2.8-5.6 Di III RXDの方が価格が安く、非常に高画質で、はるかに好ましいと思う。28-200mmをクロップして300mm相当の画像を得る方がいいと考えている。
  • 結論として300mmが必要で、(トリミングの)後処理がしたくないビギナーを除けば、このレンズはあまり勧められない。

 

28-300mm F/4-7.1は光学性能は今ひとつの評価ですが、それでもソニーFE24-240mm F3.5-6.3よりは優れているようで、画質よりも望遠端の長さがが重要な人には選択肢の1つにはなりそうです。ただ、タムロンの28-200mm F2.8-5.6が非常に優秀なので、どうしても300mmが必要というわけでなければ、28-200mmを選択した方が満足度は高いかもしれませんね。