キヤノン「EOS R5 Mark II」はとても印象的な万能機

DPReviewに、キヤノン「EOS R5 Mark II」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R5 II in-depth review

  • 視線入力AFはR5 Mark IIの最新バージョンでは、視野が広くなったセンサーと改善されたアルゴリズムによって、目がファインダーから遠い場合でもより適切に機能するようになった。
  • キヤノンは視線入力AFの改善を約束しているが、EOS R5 Mark IIでもEOS R3 での経験と非常によく似た体験をした。程度の差はあるが、誰もが最高の状態で視線AFが動作するとは感じなかった。
  • 事前登録者優先機能を使用すると、たとえばスポーツで特定の選手の写真を確実に撮影したり、結婚式の撮影中に婚約者を優先するように設定できる。カメラに各被写体の画像を登録したの1枚だけにもかかわらず、カメラは優先順位を指定した人物をかなりうまく認識した。
  • ボディは旧型と非常に良く似ている。電源スイッチが右側に移動しているが、これは悪いことではない。大きなカメラだがグリップの形状とバランスが非常に優れており、操作系もすべて適切な位置にあり、長時間の使用でも快適だった。
  • EVFは576万ドットと0.76倍の倍率は維持されているが、新しいOLEDパネルは(EOS R1ほどではないが)R5のものよりも遥かに明るくなっている。アイレリーフも1mm長くなっており、少し離れたところからでもファインダー全体を見渡すことができる。

  • AFは厳しいスポーツイベントで性能を徹底的にテストしたが、被写体追跡モードの粘り強さには感心した。被写体認識を使用しない場合でも、AFは非常に優れた性能を発揮したが、被写体認識機能を有効にすると、的中率が非常に高くなった。
  • 画質はディテールの点では旧型と区別がつかず、ディテールはα7R Vには及ばないものの直接のライバルであるZ8と同程度だ。中程度の感度でも同様だが、非常に高い感度では旧型よりも少しノイズが多くなる。しかし、(実写で)気付くほどではない。JPEGのノイズリダクションはディテールとノイズのバランスが適切で、微妙なディテールが自然に見える。
  • ダイナミックレンジは他の積層型センサーと同様に、ノイズがわずかに多く、ダイナミックレンジが少し狭くなる。これは電子シャッターモードでは更に顕著だ。
  • 動画は大幅に改善されており、積層型センサーによってローリングシャッター歪みが低減されただけでなく、C-Log2も搭載され、より広いダイナミックレンジで録画できる。また、波形モニタも備えているので、Log撮影時の露出の設定と評価が遥かに簡単にできる。

  • EOS R5 Mark II は、連写速度やAF性能、動画ツールなどほとんどすべての点で旧型から改善されている。その結果、アクション、風景、動画など、ほとんど何でも撮影できるカメラになった。手に馴染みやすく、操作部の位置も適切で、インターフェイスもすぐに使いこなせる。
  • 最近のカメラを持っていなければ、EOS R5 II を大いに勧める。多くの機能のほとんどが非常に優れている。必ずしもZ8よりはるかに優れているわけではないが、本当に印象的なオールラウンダーだ。R5からのアップグレードを考えている場合は複雑で、動画を撮影するなら確実にメリットがあり、スチルでは動体撮影が含まれるなら、R5 Mark II のより洗練されたAFとより優れた連写により、アップグレードする価値は十分にある。しかし、動画も動体撮影もどちらも必要でない場合は、判断は難しくなる。
  • R5 Mark IIはZ8と互角に渡り合っており、キヤノンはRAWの連写がより速く、ニコンはオーバーサンプリング4K60pなどの動画仕様で少し優れている。視線入力が機能する場合や学習した特定のスポーツの撮影ではR5 Mark II が有利になる可能性はあるが、全体的には大部分の人にとって2機種のボディの違いは大きくないだろう。

 

EOS R5 Mark II は積層型センサーによる読み出しの高速化で、連写速度やAF性能、ローリングシャッター歪みなど、多くの部分で性能が大きく底上げされており、加えて視線入力AFも採用されて、非常に高性能で多機能な万能機になっているという印象です。画質は積層型センサーの採用で高感度のノイズがわずかに増えているようですが、実写では気にならないレベルのようなので大きな影響はなさそうですね。あとは、納期をなんとかして欲しいところです。