ニコンは中高級機・プロ向けのミラーレスに絞ったことが想定以上にうまくいった

読売新聞にニコンの徳成旨亮社長のインタビュー記事が掲載されています。

「中高級機種とプロ向けカメラが好調」「レッド社買収、動画市場に挑戦」...ニコン・徳成旨亮社長

  • 今は、スマホとデジカメが共存できる時代になった。デジカメの世界での販売台数はピークの20分の1まで減った。でも、国内各社の事業は好調だ。何が起きているか。私の理解では、写真を撮るという行為がスマホの普及で広がった。フィルムカメラの時代は現像が必要だったが、デジカメは不要だ。今はすぐにネットで公開できるし、インスタグラムやフェイスブックといったSNSもある。スマホが裾野を広げてくれたのだと思う。その結果、カメラのピラミッドでは上の方にある当社の高級機が売れている。
  • 当社は、2020年代に中高級機種とプロ向け、ミラーレスに絞ったことが、想定以上にうまくいった。典型が中国市場だ。富裕層がスマホではなく、カメラをということで売れている。インドも伸びている。人口も多いが、ウェディング向け需要が大きい。
  • 決定的な場面をおさえたりというのはなかなかスマホではできない。シューティングを公開する喜びをスマホが教えてくれて、母集団が広がった。そうしたこともあって、コンパクトデジカメやレンズが交換できないタイプに比べて、レンズ交換式は他社も含めて好調だ。
  • (生産拠点の見直しについて)生産能力向上が目的だ。精度の高いレンズを作る。1000億円を投じて、30年までに順次、工場を新しくしていく。まずは栃木。多くのレンズはタイで作っており、性能が高いものは栃木で生産している。
  • 米国のカメラメーカー、レッド社を買収した。映画の撮影でも、Zマウントが期待されている。当社が持つチャネルを使って、映画大国のインドで売り込みたい。この分野は、間違いなく市場拡大が期待できる。

 

ニコンはZシステム投入からしばらくの間は今ひとつ元気がない状況が続いていましたが、プロ用機のZ9を投入してから潮目が変わり、その後、ZfやZ8もヒットして映像事業の業績もかなり上向いてきましたね。

生産拠点の見直しやREDの買収など、最近のニコンの映像事業はアグレッシブに攻めているという印象なので今後の展開が楽しみです。