スチル用のベストのカメラは?

PetaPixelに、スチルだけを撮りたい人に最適なカメラに関する記事が掲載されてます。

The Best Cameras If You Only Care About Taking Photos

  • YouTube チャンネルのコメント欄に、何度も出てくるテーマがあり、その内容は「写真を撮るだけなのに、なぜカメラの動画機能にお金を払わなければならないのか?」というものだ。

    我々は、動画機能を特に遠ざけているか、少なくともスチルの画質に妥協していないカメラを各主要ブランドから1台ずつ選ぶことにした。その後、「動画よりもスチル」という議論について、そのメリットがあるかどうかを再検討する。

    富士フイルム X-T5:動画機能も搭載しているが、特にスチルフォトグラファーに向けて設計されており、クラシックなデザインや操作性が特徴だ。スチルの撮影に集中したいユーザーに支持されている。

    ライカ M-11D:動画機能どころか液晶画面すらないという、純粋にスチル体験を追求したモデルだ。フィルムカメラに近い使用感で、デジタルカメラでありながらもアナログ感覚で撮影を楽しめる。

    ソニー α7R V:6000万画素センサーを搭載し、特にスチルの撮影に向いている。このカメラは優れた動画撮影機能も備えているが、特にスチルを重視するクリエイターに最適だ。

    OM SYSTEM OM-1 Mark II:動画機能はあまり改善されていないが、アウトドアや野生動物撮影に優れた堅牢なボディが特徴だ。特にネイチャーやアドベンチャーフォトグラファー向けに設計されている。

    ハッセルブラッド X2D:1億画素の中判センサーを搭載し、完全にスチルに特化したモデルだ。このカメラには動画機能が搭載されていない。特に風景やスタジオ撮影に適しており、高価だがその分スチルの品質も最高レベルだ。

    ニコン Z7II:Zシリーズの中で、特に動画機能を重視していないモデルだ。ダイナミックレンジが非常に広いため、特に風景やポートレート撮影に適している。

    キヤノン EOS R5:非積層型センサーを搭載しており、最新機種に比べてダイナミックレンジが損なわれていない。動画の操作性は複雑だが、スチルには非常に優れたモデルだ。

    ペンタックス K-1 II:アウトドアや風景写真に特化したカメラで、シャープで美しい画像が得られる。動画機能はフルHDに限られており、基本的にスチル用カメラとして設計されている。

    パナソニック S1R:パナソニックのカメラは動画性能で知られているが、このS1Rは4700万画素センサーを搭載し、ダイナミックレンジが広くディテールが豊富で、特にスチルで優れている。

    正直に言うと、私は動画とスチルの両方が撮れるカメラの方が好きで、動画機能を排除するのは現実的でも望ましいことでもないと思う。しかし、動画性能を犠牲にしてもスチルにメリットがあるカメラを望むのは、まったく当然のことだと認識するようになった。

    非積層設計で画素数が多い大型センサーは、スチルには最適だが、動画には適していない。非積層で画素数が多い大型センサーは、写真撮影には最適だが、動画には適していない。画素数が多いと、一般的な動画解像度に対応するためにそれらのピクセルの多くが破棄され、画質が甘くなってしまう。

    また、非積層の高画素センサーは、読み出し速度が遅くなる傾向があり、これがローリングシャッター歪みの問題を引き起こし、動画に大きな影響を与える。ただし、スチルではメカシャッターを使用すれば、センサーの読み出しが遅くても問題はない。

    しかし、リストにあるスチルに強いカメラは高価になる傾向があり、もっと手頃な価格で適度な解像度のカメラは汎用性の高い設計がされており、つまり少なからず動画にも力を入れたカメラになる。

    実際には、最新のデジタルカメラはすべて背面モニタとEVFに動画信号を出力するため、動画機能は必ず必要だ。つまり、その信号を記録する機能があるほうが合理的だろう。ライカM11-Dでさえ、Visoflex EVFを装着する場合に備えて、センサーから動画信号を取得している。このため、カメラからビデオ機能を削除しても、コストは下がらない。

    カメラが非常にニッチまたは非常に特殊に設計されていない限り、実用的な観点から、高品質のスチルと動画機能の両方を提供することは理にかなっているだろう。

 

スチル特化のカメラが欲しいという意見はよく聞きますが、ミラーレスカメラの構造はビデオカメラと同じようなもので、動画機能を搭載しなくても内部的には動画信号を処理する必要があるので、動画をオミットしてもそれほどコストダウンにはつながらないのかもしれませんね。

ここでピックアップされているスチル向けのカメラは非積層の高画素センサーを搭載した機種で、風景などを高画質で撮りたい人には良い選択肢になりそうですが、スチルと言っても様々なカテゴリがあるので、一概にこれがベストとは言い切れないような気もします。