ニコン「Z6III」の画質は予想よりも遥かに優れている

Photography lifeに、ニコン「Z6III」のレビューが掲載されています。

Nikon Z6 III Initial Review

  • Z6II はスポーツや野生動物の写真撮影に適したハイエンド カメラという感じではなかったが、Z6III は最初からこれらのジャンルを念頭に置いて作られたように感じられる。
  • Z6III はZ6 / Z6II の継続機だがボディは少し大きくなり、グリップは少ししっかりし、ボタンのレイアウトは少し洗練されているように感じる。それぞれの変更は小さなものだが、Z6やZ6IIとはまったく異なるカメラに感じられる。
  • Nikon Z6 III の操作性における最も重要な改善点は、Z6 / Z6 II の最大の制限の1つだった、ボタンを自分の好きなようにカスタマイズできないという制限がなくなり、Z9と実質的に一致するようにカスタマイズできるようになったことだ。
  • EVFは明るい真昼の太陽の下でも、実に自然で鮮明だ。同じ条件でZ9と比較したところ、劇的な違いではないもののZ6IIIのEVFはコントラストがわずかに高く、暗い影の部分がより鮮明であることがわかった。
  • AFは被写体検出は非常に優れていると言えるが、Z8やZ9のようなトップレベルではない。ファームウェアアップデートでZ8やZ9と同等になることを期待したい。気になったのは鳥の撮影で連写中にフォーカスが目から外れてしまう傾向があることで、最初のコマはピントが合っていても次のコマから外れていることは珍しくなかった。Zfではこのような現象は見られなかった。それでもZ6IIIのAFはZ6IIよりは劇的に改善されている。
  • 電子シャッターの読み出し速度は約1/70秒で、Z6やZ7の1/20秒よりも大幅に速くなっており、動きの速い被写体でも電子シャッターで撮影できる。約1/270秒のZ8やZ9には及ばないが、飛んでいる普通の鳥(ハチドリはこれからテストする)の撮影では問題なかった。
  • 動体撮影では、ファインダーはブラックアウトや遅延がなく、Z9に匹敵すると感じた。
  • IBISは24-120mm f/4の120mmで手持ちで2秒で十分なシャープさで、100-400mm f/4.5-5.6の400mmで1/10秒でシャープな写真を撮ることができた。これは非常に良い結果で、Z8よりも1段分優れていると感じる。Z6IIIはZfと並んでニコンで最も優れたIBISだと感じた。
  • 部分積層型センサーによる高速化の代償として、Z6IIIはダイナミックレンジが悪化しているという話があるが、これはラボテストでは事実かもしれないが、実写ではダイナミックレンジが狭くなっているとは感じられず、高感度ではむしろこれまでよりも少し優れていると感じた。
  • 高感度性能はラボテストは行っていないが、実写での経験からZ6IIIはZfやD6と並んでニコンの低照度撮影の王者だと思っている。Z6IIIの画質は、私の印象では予想よりもはるかに優れていた。

  • Z6IIIは3世代目になってようやく成熟したカメラになったという感じがする。最も重要な改善はボタンのカスタマイズが可能になったことで、プロ用の2台目のボディとして理にかなったものになった。RAWのプリキャプチャーを期待していたいが、これは残念ながら実現しなかった。AF性能はZ6IIより明らかに改善されている。Z8やZ9には及ばずZfよりわずかに劣っているが、アップデートでのAF性能向上を期待している。

 

Z6IIIはラボテストではZ6IIよりも画質で多少劣っているという評価が多いですが、実写テストでは画質が高く評価されているケースが多いようで、ここでも非常に高い評価となっています。高感度性能はニコン機では王者とまで述べられているので、実写では部分積層型の画質へのペナルティーはあまり考えなくてもよさそうですね。

一方でAFはZ6IIよりは大幅に改善されているもののZfに及ばないという評価で、ハードのポテンシャルはZ6IIIはZfよりも高いはずなので、AFに関してはアップデートでの改善を期待したいところですね。