「ライカ Q3 43」のレンズは印象的で素晴らしい仕事をしている

PetaPixelに、ライカの43mmレンズを採用したフルサイズコンパクト「ライカQ3 43」のレビューが掲載されています。

Leica Q3 43 Review: It's All About The New Lens

  • ライカは新たに開発された焦点距離の長い43mm f/2 APO-Summicronレンズを搭載したバージョンのQ3を作った。ライカによると、この新しいQ3 43のボディは、グレーのレザー仕上げになっていることをを除いて従来のQ3とまったく変わっていないということだ。
  • 576万ドットの EVFは気に入っている。このEVFはリフレッシュレートが速く、写真の再生にも適している。
  • AFは中央の測距点でのシングルAFは優れているが、コンティニュアスAFでは被写体の追尾が不十分で、フォーカスが迷うことがある。また、コンティニュアスAF中はディスプレイの鮮明度が大幅に低下するため、撮影体験が損なわれる。
  • ライカ Q3 43 は、間違いなくフォトジャーナリストが使用することになるだろう。実際、このカメラはジャーナリズム用のコンパクトカメラとして優れており、画像が未加工かを示す C2PA コンテンツ認証に対応したらさらに優れたものになるだろう。
  • 良くも悪くも、ライカ Q3 43のボディはQ3とまったく同じだ。変更されたのはレンズで、これはかなり印象的だ。新しい 43mm f/2 APO-Summicron は、6000万画素センサーから最高のディテールを引き出す素晴らしい仕事をしている。開放でも、中央のディテールは期待通りで、絞ってもほとんど変化はない。四隅も開放では良好で、絞りを絞るとシャープネスと周辺光量落ちがわずかに改善する。これはシャープなレンズで、43mm はストリート写真にとても適している。
  • また、このレンズがフレアをうまく​​処理していることにも感心した。明るい光源を撮影してもコントラストの低下は最小限に抑えられており、絞った場合でもゴーストは見られない。ボケはきれいで光学的な問題点は全く見られない。開放では心地よいキャッツアイ効果が見られる。絞ると、丸みのある玉ボケが得られ、焦点が合っていないボケ部分はバターのように滑らかに見える。
  • 43mmレンズの問題点を挙げるとすれば、開放時の縦方向色収差だ。焦点が合っていない部分には、はっきりとしたオレンジと青の色が見られ、後処理でこれを除去するのは困難だ。絞れば改善するが、白黒にしない限り、絞りを開くと軸上色収差が現れる。
  • Q3 43が得意とするのは、フラッシュを使ったポートレート撮影だ。リーフシャッターは、フラッシュを最大 1/2000 秒でシンクロ可能で、ベース ISO50と組み合わせれば、晴れた明るい日にかなり絞りを開いて撮影してもNDフィルター不要だ。
  • このカメラは映画用やハイブリッドカメラとして意図されているわけではない。8Kと4K60pで撮影できるが、どちらのモードでもクロップが大きくなる。画質は良いが、センサーは読み出し速度が遅いため、ローリングシャッター歪みに悩まされる。レンズには手ぶれ補正機能が備わっているが、カメラに大きい動きがあると、ゼリーのような揺れる映像になる。しかし、最もひどい欠点は、ヘッドフォンジャックやマイクジャックがないことで、Q3 43はちょっとした短い動画か、音声なしのBロールにしか使えない。
  • Q3での撮影は本当に楽しかったが、43mmレンズのQ3 43方が楽しかったと言わざるを得ない。Q3で人々が気に入っていた点はQ3 43でも全てそのまま残っているが、Q3で気に入らなかった点も全て残っている。それでも、街中を散策したり、旅行をしたりするには標準レンズの方が遥かに気に入っている。

 

APO-Summicron 43mm F2はボケが柔らかく非常に美しい描写のレンズで、大いに楽しめそうですね。逆光耐性も高いので扱いやすそうです。軸上色収差が指摘されていますが、サンプルではあまり気にならないように感じます。

ウィークポイントはAFの動体追尾のようですが、Q3 43は本格的な動体撮影をするようなカメラでもないので、それほど大きな問題にはならないような気もします。ただ、動き回る子供を撮影する用途などにはあまり向いていないかもしれませんね。