タムロンの戦略は他社にはないレンズを提供すること

phototrendに、タムロンフランス社長のインタビューが掲載されています。

Interview Tamron au Salon de la Photo 2024

    • (ヨーロッパと他の市場との間には違いはあるか?)
      ヨーロッパ、特にフランスでは、一眼レフからミラーレスへの移行がまだ進行中であり、そのため市場はアジアの市場に比べて若干動きは鈍い。フランスの顧客は今でも一眼レフに強い愛着を感じている。

    • (一眼レフ用レンズの需要はまだあるのか?)
      一定の需要はある。フランスでは当社の売上高の約85%がミラーレス用のレンズ、約15%が一眼レフ用のス レンズだ。世界規模で見るとおおよその値だが、ミラーレス用レンズは約97%、一眼レフ用は約3%になる。

    • (ここ1年で最も成功した製品は?)
      最も売れたのは28-75mm F/2.8 Di III VXD G2だ。昨年のスターだった35-150mm F/2-2.8 Di III VXDも依然として非常に良く売れている。これらのレンズは動画用としてもスチル用としても魅力的で、非常に販売数が多い。

    • (明るい単焦点レンズも期待できるのか?)
      そのような情報はない。タムロンは差別化戦略を採用している。他にはないズームレンズを提供しており、それが核となるビジネスだ。もちろん、24mm F1.4 や 35mm F1.4、85mm F1.2のような夢のあるレンズを発表するのは魅力的だが商業的な観点では、この種のレンズは既に多くのメーカーから提供されている。したがって、我々は自分たちの強みであるズームレンズに焦点を当てている。

    • (RFマウントのレンズはいつ発売される?)
      11-20mm F/2.8は年末までに登場する予定だ。この小さなズームはEマウント用とXマウント用が非常に良く売れており、RFでも上手く行くと推測している。

    • (Eマウントは依然として市場最大のシェアを占めている?)
      正確な数字は持っていないが、おっそらくEマウントレンズの売上は全体の50%弱を占めているのではないかと思う。しかし、XマウントとZマウントも過小評価するべきではない。例えば、50-400mm F/4.5-6.3はZマウント用がEマウント用の10倍売れている。一眼レフの頃はキヤノンよりもニコンのマウントの方が売れていた。

    • (Zマウントで期待できるレンズは? 70-180mm F/2.8はどうか?)
      顧客の声に耳を傾けてこだわりを持ってZマウントのレンズを開発していく。来年発表するレンズには、Eマウントで既に発売されているレンズも含まれるだろう。

    • (シグマ28-105mm F2.8やキヤノンRF24-105mm F2.8Lのようなズームは開発するのか?)
      これらは興味深いズームだが、同じくらい多用途に使える35-150mm F/2-2.8が既にある。このレンズは1年以上前にリリースされ、EマウントとZマウントの両方で大成功している。

 

タムロンの戦略は他社にはないスペックのレンズを提供することと述べられていますが、確かにタムロンは35-150mmや70-180mm、50-400mmなどの個性的なスペックのレンズをラインナップしていますね。今後も他にはない面白いスペックのレンズを期待したいところです。

マウントに関しては、やはりEマウントが中心のようですが、レンズによってはZマウントがEマウントの10倍も売れるケースがあるという話は非常に興味深いですね。また、一眼レフ用のレンズは全体の約3%ということなので、この規模だと新規レンズの開発は難しいかもしれません。