ソニー「α1 II」のセンサーを旧型から流用したのは伸びしろが大きいセンサーだったから

BCN+Rに、ソニー「α1 II」が旧型と同じセンサーを採用している理由に関するソニーのコメントが掲載されています。

ソニー、フラグシップカメラα1 IIでセンサー流用のなぜ?

  • ソニーのフラグシップモデル「α1 II」で、ある「事件」が起きた。カメラの心臓部ともいうべきイメージセンサーを前モデルから流用するというのだ。カメラのフラグシップといえば、基本的にセンサーは刷新されるものだった。

    ソニーのセンサーは、多くのスマートフォンやカメラに採用されている。ライバルメーカーのニコンですら、ソニー製センサーを搭載したカメラが多い。そのソニーが、自社カメラのフラグシップモデルの新製品でセンサーを変えなかった。やはりこれは、大きな出来事といわざるを得ない。

    イメージセンサーを流用した理由について岸 事業部長は「α1で採用したセンサーは、グローバルシャッターにも匹敵するほど読出しスピードが速く、画像のひずみが極めて少ない。もともとポテンシャルが高いセンサーだった。今回は画像処理のアルゴリズムを改善することで、画質の向上を図った。α1 IIは、新しいフラグシップカメラにふさわしい進化を遂げた」と話す。「伸びしろ」が大きなセンサーだったので流用した、というわけだ。グローバルシャッターは、高画素数、高画質を実現させるのが難しいとも言われており、今回採用しなかった理由はその辺にもありそうだ。

    流用の理由は他にもあるだろう。いくつか邪推してみると、例えば、グローバルシャッター搭載のセンサー開発にリソースを取られ、α1 IIに搭載する新たなセンサー開発の余裕がなかったのかもしれない。

    あるいは、グローバルシャッター搭載のα9 IIIとα1 IIを両方買わせるためのマーケティング施策によるもの。これもありそうな話だ。この二つの理由なら、あまり問題はないと思う。

    しかし、スチルカメラ用のイメージセンサーは、改善の余地があまりなくなってきた、ということも考えられる。つまり、もし「物理的なセンサーの開発にあたって、ある種の限界が近づいている」ということなら、話は穏やかではない。

    一眼レフに比べ可動部が少ないミラーレス一眼は、電気自動車と同じく、新規参入が比較的容易だ。カメラの世界市場で、日本メーカーの高いシェアを今後も維持していくためには、デジタル系の徹底的な強化が不可欠だ。

 

ソニーはα1 II のセンサーを更新しなかった理由を「もともとポテンシャルが高いセンサーだった」と述べていますが、「マーケティングの都合」「新型センサーとスケジュールが合わなかった」「価格を維持するため」など様々な理由が考えられますね。

超高速連写やローリングシャッター歪みの解消はα9 IIIで既に実現されたので、新型センサーを採用してこれらの問題に早急に対処する必要性が低かったということもあるのかもしれませんね。