PetaPixelに、キヤノンのフラッグシップ機「EOS R1」のレビューが掲載されています。
・Canon EOS R1 Review: A Flagship Made For a Select Few
- EOS R1を再び手にして、そのボディデザインがいかに優れているか再認識した。私は小型軽量のボディが好みだが、R1は一眼レフの1DXよりも明らかに小型軽量で扱いやすい。
- キヤノンのシンプルなメニューデザインと直感的な操作系にはいつも感銘を受ける。R1は必要なカスタマイズ機能を全て備えているが、操作を難しく感じたり管理が煩雑だと感じることはない。全てのボタンは自然に収まっており、グリップは「ちょうどいい」ものだ。R1はユーザーが直感的に全機能を把握できる優れたボデイだと感じる。
- モニタは210万ドットでR3のものよりも大幅に解像度が低くなっている。
- EVFは945万ドットで大きく明るくディテールに優れており、高リフレッシュレートなのでスポーツやアクションに最適だ。AF時や撮影時に解像度が低下することもない。
- 視線入力AFはより広い範囲で目の動きを追尾するようになったが、残念ながらR3を自分の目に合わせて調整した時よりもはるかに問題が多かった。視線入力を上手く機能させることはできたが、何度も試行錯誤する必要があった。R3はほぼ完璧に機能したので、この点ではR1は控えめに言っても残念だ。
- 40コマ/秒の連写はZ8やZ9よりも速く、圧縮RAWを使用する必要があるがそれでも画質は優れている。40コマ/秒で10秒以上撮影するとスローダウンするが、バッファはすぐにクリアされる。
- 電子シャッターは1/350秒(フラッシュ同調は1/320秒)で読みだされ、ローリングシャッター歪みの問題は事実上解消している。
- 多くのカメラは電子シャッターではダイナミックレンジが狭くなるが、R1はメカシャッターと電子シャッターのどちらでも同様の結果が得られる。RAWには若干のノイズ低減処理がされているが、画質は依然として優れている。
- テストはアイスホッケーで行ったが、これはEOS R1のAFが学習していないスポーツだからだ。AFは学習していないアイスホッケーでも最初に追跡し始めた選手にしっかりと追従し、被写体の手前に入ってきた人は無視することに非常に感銘を受けた。キヤノンはAFのメニューを簡素化しているが、これは現場で分かりやすく効果的だ。R1のAFは高度なアルゴリズムを採用しており、的中率は非常に高い。
- R1のAFはキヤノン機の中で最も優れており、R3とR5 Mark II もそれに迫ってはいるが、その差は歴然だ。この驚異的な的中率は、アクション優先機能がサポートするスポーツ(学習済みのスポーツ)ならさらに上がるので、今後のアップデートでさらに多くのスポーツが追加されることを期待したい。
- AIを使用したカメラ内編集機能についてキヤノンはアピールしているが、その有用性には限界があるように感じる。高解像度化機能はディテールが変わらないので不必要だと思うが、ノイズ低減機能は状況によっては役立つこともある。しかし、どちらの機能もPCの後処理でより効果的に処理できる。
- 動画の品質は良好で、4K60pはオーバーサンプリングで非常に優れている。端子はR3のばかげたmicroHDMI端子からフルサイズの端子に換装された。動画の動体追尾AFはR3よりも遥かに信頼性が高い。
- Z9やα1はさまざまな写真撮影に対応できるが、EOS R1は(スポーツやアクションに)特化しすぎていて、より汎用性の高いEOS R5 Mark II の方が便利な選択肢だと感じた。EOS R1はR3と同じ領域をカバーしているようだ。とは言え、EOS R1の性能は驚異的で、高速で頑丈で信頼性が高く長時間の連続撮影ができる。AFは信頼性が高くさまざまな被写体の追尾に優れている。R1はスポーツや報道用のカメラとして理想的で野生動物用としても使える。この種の写真に興味があり、6300ドル払えるならEOS R1は最適なカメラだ。
- EOS R1 を購入すべきだろうか? おそらく購入するべきだろう。要求が厳しい特定のいくつかの写真撮影に興味があるならR1は理想的だ。そうでなければEOS R5 Mark II を購入したほうがいいかもしれない。
EOS R1はキヤノンのフラッグシップモデルだけあってAFを含めて極めて高性能で、スポーツなどの動体中心のカメラマンなら有力候補になるのは間違いなさそうです。エルゴノミクスや操作性、メニューなども高評価で、大柄のボディながら扱いやすそうなのもポイントが高いですね。
一方で画素数が2400万画素なので、Z9やα1、EOS R5 II に比べて汎用性が低いことが指摘されており、確かに風景や商品撮影などスポーツ以外も1台で何でも撮りたい人には向かないカメラかもしれません。
Kanuma
>高解像度化機能はディテールが変わらないので不必要だと思うが、ノイズ低減機能は状況によっては役立つこともある。
他のレビューでも同じような報告がなされており、やはり高画素機は不要ということにはなりそうもないですね。キヤノンは高画素特化の機種は出さないんでしょうか。
まるさい
被写体をアイスホッケーの選手にしたこと、興味深いです。
α9IIの場合、前を横切る選手がいると確実にフォーカス持って行かれてイライラします。アイスホッケーはヘルメットやフェイスガードを着けているので選手個別を判断するのが難しく、簡単にフォーカス持って行かれます。なのでR1のAFはスポーツに特化したカメラだとよく理解できます。
ただ値段が値段なので職業カメラマン以外はきついですね。
カルマ
アイスホッケーで歩留まり良いならサイクルロードレースやアメフトでも期待できますね。
視線入力がR3より使いにくいのは意外です。あと、ボディ内処理よりスマホやタブレットで処理する方が有利だと思うので、個人的には魅力は感じないです。撮影しながらバックグラウンドでバッタ処理してくれるなら別ですが、
ハルカビンセ
最近のハイエンドカメラの性能どのメーカーも凄いのですが
プロスポーツを撮影するわけでもない一般人にはミドルクラスのカメラでも十分でしょう
汎用性がないというより、プロスポーツ撮影に特化しすぎているという感じ
ざざ
風景や商品撮影などスポーツ以外はR5Ⅱを買ってください。って事ですよね
キヤノン愛好家
R1はスポーツや報道用のプロカメラマン用として現場で最適に機能するカメラなんですね。素晴らしい機能や技術が一般向けモデルにも搭載されるのは何年後なのでしょうか?
『1』フラッグシップ機はそこそこの趣味程度の私には使いこなせないでしょうがいつかは使ってみたい憧れです。
Robin
R1は価格的に万人向けでないことは分かっていましたので、この驚異的なAF性能というのが普及帯のカメラに降りてくるのが楽しみです。
rad
40コマ秒は圧縮RAW(C-RAW?)じゃないと撮れないって本当ですかね?
R6markⅡやR8も40コマ秒でRAWが撮れますが、記録形式に縛りはありません。
電子シャッターは読み出し速度を稼ぐために12bitRAWになっているという噂ぐらいですね。
実機が今週見れると思うので、そこは試してみたいですね。
jg
海外だと6300ドルなんですね
一昔前なら63万円、量販店では58万円とかだったのでしょうか
今となっては信じられません
シュワシュワ
まぁそれはその筋の職業カメラマンのためのカメラであって趣味で使う方などは対象にしてないので当然ではないですかね
その分野で失敗できない人達のために特化して磨いたからその性能を出せている訳で、それを汎用性が…とか言うのは筋違いに思います
汎用性高めれば当然特化したいところが弱くなり、実際R5mk2はAFやローリングシャッター歪みなどでは劣りますし、その分野に対してはZ9,α1IIにも勝るでしょう
価格的にオールマイティを求めたくなる気もしますが、まぁバランスですかね
世間的にフラッグシップにオールマイティの方が求められるようになっているならR1は的外れだったとなるかもしれません
EOS R3プラス100300
昔からフラッグシップ機の購入者の大半はハイアマチュアだというのは常識で、R1も動き物特化のカメラと言えど、購入するのはプロよりハイアマチュアの方が多いという図式は変わらないと思う。
コツメチャン
R1は高額なボディに徹底的な動体特化の低画素機という印象の仕上がりなので、法人契約で購入するような業務用機器として特化している感じです。
一般用途で個人で買うことは基本は想定していないでしょうね。だからこそここまで振り切った仕様に出来ているのだと思います。
AO
R1やソニーのα1IIは価格面も手伝って、特に日本では業務用機の印象が強いですね。
かといってその下のクラスも不景気な日本では決して手頃なカメラとは言えませんが。
いがぐり
なんで背面モニターの画素数が下がっちゃったんでしょうかね?
他の仕様はそういうバランスを提示するというのはよく分かるのですが、モニターがわざわざR3から下がっているというのは謎の下剋上です。
R3だって低画素なので、低画素機だから下げたというわけでもないですし、この値段のフラッグシップなのでコスト面から切り詰めたとも考えにくく……
さばしろ
モニタは輝度か視野角かリフレッシュレートか耐久性か、プロの声を聞いて解像度より他の何かを優先したのでしょう。 実物を見ずにドット数だけで上とか下とか言うのは意味ないと思います。
冬鳥
モニター解像度の件は視認性があまり変わらなければ、電力消費を抑えバッテリー持ちを伸ばす事が、これからの課題と考えたのでは?