ソニー「α1 II」の評価が今ひとつなのは「α1」「α9 III」のインパクトが大きすぎたため

PetaPixelにソニー「α1 II」に関する意見記事が掲載されています。

Sony Has the Problem Every Competitor Wants: Its Flagship Was Too Good to Follow

  • ソニーα1 II は素晴らしいフラッグシップ機だが、α1が登場した2021年と比べて市場は激戦区となり、α1 II の立ち位置は少々微妙だ。イベントでFE28-70mm F2 GMが発表されたときには歓声が巻き起こったが、α1 II が発表されたときにはわずかなざわめきだった。フラッグシップ機の発表でレンズの方が注目を集めるのは珍しいことだ。

    この状況はα1 IIの発表が事前に告知されていたこともあるが、最大の要因は初代α1の優秀さにある。また、α1 IIの評価が今ひとつなのはα9 IIIの影響もあるだろう。α9 III が良くも悪くもソニーのカメラ発表の基準となったのだ。

    発表前にα1 II を試用していた際のスタッフの感想は「素晴らしいけど、それほどワクワクしない」というものだった。α1 II は確かに優秀だが、初代α1の革新性や驚きはない。α1が非常に優秀だったために、それを上回る(革新性や驚きのある)後継機を作るのが困難になっている。

    α1が登場した当時は画期的なカメラで、高解像度とスピードを兼ね備えた製品はそれまでになく、クラス最高のAF性能と8K30pの動画記録を実現していた。しかし、2024年現在、α1 IIは依然として「全部搭載のカメラ」であるものの、競合機も進化し、α1の独自性に陰りが見える。

    例えば、Z8やZ9はパフォーマンスで僅差に迫り、価格面ではα1 IIよりも大幅に優れている。8Kも高フレームレート対応のカメラが増え、AF性能の差も少なくなっている。

    初代a1のような画期的なモデルを期待する声は根強いが、ソニーはα1 IIで再び最高水準を維持した。それ自体特筆すべきことだ。ソニーが何度も基準を引き上げてきた結果、革命的な進化を遂げることが難しくなっている。

    ソニーα1 IIは間違いなく優秀なカメラだが、驚きが少なくなっているのは、ソニーが築き上げた期待値の高さ故のことだ。

 

ソニーα1は「間違いなく優秀なカメラ」という高い評価を得ている一方で、「それほどワクワクしない」「初代α1ほど革新性や驚きがない」とも評価されていて、ソニーのフラッグシップ機に対する高い期待からするとα1 II は必要十分な改良であるものの少し物足りないという感想のようです。また、グローバルシャッター機であるα9 III のインパクトが大きすぎたということもあるようですね。