DustinAbbottに、ソニーの新しい大口径標準ズーム「FE 28-70mm F2 GM」のレビューが掲載されています。
- このレンズはキヤノンのRF28-70mm F2Lよりは小さいがそれでも大きなレンズだ。重さは918gとかなり重いが、この種のレンズとしては非常に軽いと言えるだろう。
- 絞り羽根は11枚で絞り込んだときの光条はかなり良好に見える。
- ズームリングはひっかかりはなく正確にズーミングできる。ズームリングの重さを「スムーズ」「タイト」に切り替えるスイッチが付いているのが興味深いところだ。ズーミングで鏡筒はわずかに(約10mm)伸びる。
- フォーカシングはインナーフォーカスで、バランスが変わらないのでジンバルで上手く機能する。フォーカスリングは軽すぎるように感じ、真のマニュアルフォーカスを再現しているようには感じられない。これはGMレンズに対する一貫した不満だ。
- ソニーが競合製品よりも大きさ重さ、価格を抑えながら、更に多くの機能を高いパフォーマンスを提供しようとしていることは注目に値する。
- 通常このレンズのような大きく重いレンズ要素を持つレンズのAF速度が高く評価されることはほとんどないが、このレンズは4つのXDリニアモーターを採用し、高速な動体撮影にも対応できるほど速いフォーカスを実現している。また、被写界深度が狭い撮影でも優れた精度が得られた。
- このレンズは完全なパーフォーカルではないが、MFの場合(ズームしても)ピントは十分に合っているので多くの場合問題なく撮影できる。AFの場合は(ズームに合わせて)スムーズにピントが微調整される。フォーカスブリージングは最小限だ。このレンズのAFの全体的なパフォーマンスには非常に感心した。
- このレンズは非常に高解像力で、6100万画素の画像を等倍で見ても綺麗に見える。
- 28mm開放では中央から隅まで一貫して非常にシャープで、これは本当に素晴らしい。F2から優れた解像力なので、F2.8に絞ってもほとんど違いはわからない。F4ではコントラストが少し改善する。
- 35mmでは隅の改善を除けば28mmと非常に似た結果だ。このレベルの性能の35mm単焦点レンズはほとんどない。
- 50mmは更に解像力が良好になり、70mmでも性能は低下しない。このレンズはズーム全域でこれまでテストした中で最もシャープなズームの1つで、解像力が問題になることはなく、全域で開放で問題なく使用できる。よりシャープにするために絞る必要はない。
- 歪曲は28mmでは中程度のタル型で、周辺光量落ちは非常に少ない。これはこのようなレンズとしてはどちらも非常に低い値だ。
- 70mmでは多少複雑な形の糸巻き型の歪曲が少しあり、周辺光量落ちは非常に少ない。周辺光量落ちはこのようなレンズとしては驚くほど少なく、キヤノンRF28-70mm F2Lよりかなり少ない。
- 軸上色収差は適切に補正されており、ピント前後の色収差は最小限に抑えられている。
- コマ収差はほとんど見られず、星の撮影では非常に優れたパフォーマンスだ。
- フレア耐性は唯一の弱点で、絞りをF2に開いても驚くほど多くのゴーストが発生し、絞ると・・・(※更にゴーストが多くなるの意味です)。逆光のポートレートではこの点を考慮に入れる必要がある。
- ソニーユーザーはRF28-70mm F2 Lを羨ましく思っていたが、もうその必要はない。FE 28-70mm F2 GMはより小型軽量でAFが速く、よりシャープで安価だ。このレンズはキヤノンとニコンユーザーを嫉妬させるレンズになるだろう。
- 良い点:RF28-70mmF2Lよりも小型軽量で安価、徹底した防塵防滴、ズームの重さを変更するスイッチ、非常に速く滑らかで静かなAF、速い動体でも極めて高いAF精度、ブリージングが少ない、開放でも非常にシャープ、ズーム全域で一貫して非常にシャープ、色収差が少ない、周辺光量落ちが少ない、歪曲が小さい、素晴らしいボケ、コマ収差の良好な補正。
- 悪い点:フレア耐性に問題、レンズ内手ブレ補正非搭載。
FE 28-70mm F2 GMはF2通しの標準ズームとしては軽量コンパクトな設計にもかかわらず、開放からズーム全域で申し分のない解像力で色収差も少なく、光学性能は非常に優秀という印象です。
歪曲や周辺光量落ちもよく抑えられていて、特に周辺光量落ちがF2通しの明るさにもかかわらず、あまり目立たないのはすごいことですね。
弱点は逆光耐性で、サンプルでは確かに盛大にフレアとゴーストが出ており、逆光の撮影では注意が必要になりそうです。
しー
焦点距離ごとの解像力、周辺減光や歪曲は先日のα SPECIAL EVENT 2024で試写した感じとほぼ同じ感想でした。
重さは重量バランスが良いのか、言うほど気になりませんでした。スタッフの方も思っていたより軽いという声を多くもらってると言ってました。
バスケットコートの天井照明を撮ったカットでは少しフレアが見られました。
技術の進歩を実感でき、このレンズもですがこれから出るレンズがとても楽しみになりました。
ぷくぷく
最近動画で使いやすいレンズが増えてきた事は僥倖です。逆光に弱いと言うのは自分の選択肢から外れるのでそこは残念な所。室内カメラマンには開放値も明るいので使いやすいのかなと思ったりしています。
タスク
同スペックのRF版よりも大幅に軽量でフィルター径も小さいのに周辺減光もかなり少ないってどうやってるんですかね?
ねす
F2の各単焦点と同じ被写体で比べたレビューが観たい
自分でやろうにも、資金が・・・
aas
このフレアは動画ユーザーには歓迎されそうですね。(ポートレートもかな?)
xylogen
今日ソニーストアで試してきました
思ったより大きかったですが、重心がマウント側にあるので持ったときは軽く感じました
dustinabbotのレビュー通り歪曲収差は広角で樽型のがあり一定のレベルがありました。昔のニコンの24-120の広角側に似てるなという感想です
テレ側の糸巻きもレビューのとおり目立ちませんでした
私のカメラを使って、このレンズを通電しない仮マウント状態とマウントした状態を比較し、rawで撮影し電子補正について確認してみました
結論としては歪曲収差は補正が認められませんでした、一方周辺光量に関しては1段分くらい補正が入りました
rawで周辺光量に関して強制補正が入っている一方、歪曲収差についてはrawでも強制補正がないというのがわかりました
このレビューで周辺光量落ちが抑えられてるってのは強制補正の結果だと思われます
これは私のお試しと、このレビューに突き合わせで感じたことですので、その辺ご了承ください
CR
イベントにSDカードを持参してRAWとJPEGを持ち帰りました。28mmと70mmでレンズ補正をOFF/ON切り替えて梁や床を撮り比べたので、確認結果を記載します。なぜかRAWは開けなかったのでJPGでの確認です。
ひとことで言えば、無補正でも、一眼レフ時代の湾曲収差と湾曲収差に比べればはるかに良好です。レンズ収差の概念のある人が見れば気づきますが、一般の人は気づかないレベルでは?
●28mm……無補正では湾曲収差はタル型だが、とても軽度。くせのない、ごくゆるやかできれいな円弧。周辺減光は若干あるが、ごく薄く暗くなる程度で少ない。マイナス1EV未満だと思う。
●70mm……無補正では湾曲収差は糸巻き型。「陣笠状」とは若干異なるが、糸巻きの途中で曲率が変化する。周辺減光は28mm側よりは若干目立つが、それでもかなり少なく優秀。
レンズ補正OFFでも違和感はほとんどないが、補正ONで歪曲収差、周辺減光共に完璧に補正されるので、通常はONでいいと思います。ビネットの好みに応じて、周辺減光はOFFでもよいかも。
全般的には透明感のあるすっきりした描写で、色収差はほとんどわからない。天井の照明が画面に入らないぎりぎりの位置でもフレアは認められるので、撮影条件によっては、自分でレンズフードを加工したり、ハレ切れはしたほうがよいかも。
カーク提督
>>CRさん
湾曲と歪曲は違う収差ですよ。湾曲はピント面がカーブして同一平面上にピントが来なくなる収差です。
CR
「歪曲」です。誤記しました。すみません。